先日、帰宅したばかりのオレを捕まえて奥さんが話しかけてきた。























奥さん 「ねぇ、しまさん。 ドレスコードって何?」

























オレ 「えっ、どうしたの?」


























奥さん 「ナオちゃんからパーティーのお誘いがあって超嬉しくて行きたいんだけど、そのメールに“ドレスコードは赤”って書いてあったの。」























オレ 「なるほど…、だったら服装に赤を取り入れて行かなきゃダメだよ。」





























奥さん 「だったらサンタさんの格好して行けば良いんだね♪」






























オレは奥さんと向き合って、懇切丁寧に説明することにした。




























奥さんからのメールによると、そのパーティーは先ほど終わったそうで、まもなく東京から名古屋に着くオレを改札口で待っているらしい。

























どんな格好して待っているのか心配だ…






土曜日のお昼前…
オレが『ゴルフ5』にパンツの御直しを引き取りに行こうと身支度をしていると、何故か奥さんも出掛ける準備をしている。


























めずらしく先に玄関を出た奥さんは、車でカーナビをいじりながら待っていた。

























(確かにオレは重度の方向音痴だけど、近所のゴルフ5に行くのはナビ無しでも…)

と思いながら車を走らせ始めたオレを、ナビは高速道路に乗せようとしている。


























不思議に思ったオレがナビをよく見てみると、目的地は長野県『妻籠』で、予想到着時間は約2時間後と表示されている。



























お出掛けが大好きな助手席の奥さんをみると、すがるような目でオレを見つめている。




























オレ 「今からそんな遠くまで…、絶対に行かないよ!」
























奥さん 「いいじゃんかぁ~、ケチ!」
























オレ 「なんだとぉぉおお~!」


























しばらく無言の車内だったが、大人のオレは譲歩案をきりだす。
























オレ 「1時間以内に行ける所なら連れてってあげるよ。」
























奥さん 「じゃあ、明治村♪」


























『明治村』とは、愛知県犬山市に在り、明治時代の数々の重要文化財をはじめとした建築物を移築して公開していたり、あらゆる物に明治の薫りがするレトロなテーマパークである。


























仕方なく、ゴルフ5から高速に乗り40分程で明治村に到着。
出不精だが、出て着いてしまうとテンションが上がるオレは、入村していきなり現れた本物の蒸気機関車に大喜びして迷わず乗車する。




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(蒸気機関車)

























紅葉も美しく…




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まるでタイムスリップでもしたかのような、明治の街並みを歩きながら…




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奥さんは買い食いしてばかりで…




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(食道楽のカレーパンの店)



























狙い通りで用意周到の奥さんと違って、まさかのお出掛けとなったオレは、Tシャツにパーカーといった出で立ちでかなり寒いので、防寒対策として熱燗を飲むことにして食堂へ。



























熱燗にした地酒『東洋自慢』がこれまた旨くて絶好調に飲んでいると、いつの間にやら四合が空いてしまい…


























16時が閉村時間と知ったオレは、慌てて食堂を飛び出して見学を再開するが、間もなく“蛍の光”が村内に響き渡る。



























結局、半分くらいの施設を見学できなかったオレは、次回のリベンジを心に誓い『平成』の現代に戻った。





一昨日、オレは奥さんが勝手に申し込んだ人間ドックで、12年ぶりにバリウムを飲まされた。




















帰りに貰った下剤を飲んだにも拘わらず、すっかりお通じが無くなった。





























そして昨日…
夜は田家でデイと食事の予定のオレは、なんとかお腹をスッキリさせる為、出発前にトイレで必死に気張る。






















出ない…




























体が浮き上がるくらいの水圧のウォシュレットで括約筋を刺激しても、城門は堅く閉ざされている。





























そんな膠着状態が30分ほど続いた後、意を決したオレは便座の上に乗り、掟破りの“和式スタイル”に作戦を変更する。




























「ひぃ、ひぃ、ふぅ~」



























少しだけ頭を出してきた気がする。
























一気にいきんだその時…




























「コォケェーッ!!」























叫び声と共に、卵サイズのソレは物凄い勢いで飛び出した。

























あまりの衝撃に放心状態になりながら、オレは鶏の気持ちを理解できた気がする。

























壮絶な戦闘にも拘わらず奇跡的に城門に損傷もなく、すっかり身軽になったオレは田家へと急ぐ。





























そして…
オレは熱燗を飲みながら、つい先程まで繰り広げられていた戦いの武勇伝を熱くデイに語っていると、奥さんから電話が…






















奥さん 「しまさん、言いにくいんだけど…」






















オレ 「なんだよ?」
























奥さん 「今、トイレに入ったら便器に白い塊が沈んでるんだけど…」

























オレ 「Σ( ̄◇ ̄*)エェッ!?」


























奥さん 「そのままにしとくからね!」



























なんと、オレの産み落としたタマゴは1回では流れていなかった。




























帰宅してすぐにトイレ向かい…
洗浄レバーをひねり、流れゆくタマゴを見つめるオレは、何故だか少しだけ寂しい気持ちになった。