原田的MASTER PIECE | SHIMA AOYAMA



あれは高校一年生の春の事でした。

僕の通っていた高校は私服登校でした。自ずとオシャレでなければモテません。それは僕のファッションライフの始まりでした。

先輩方はそりゃあもうみんなオシャレに見えましたね。そんな中でもちょっと悪そうな、でもオシャレな先輩方が穿いてるパンツの右の腰に輝くこのロゴに目を奪われました。コチラ。



「デ、デッキーズ?」
骨太でストリート感満載のワークパンツ。欲しい。

意外とすんなり見つかりました。地元のジーンズショップかなんかで。

カラーバリエーションも豊富で何色を買おうかと悩んでいたのが昨日の事のようです。



僕は意気揚々と穿いていましたね。
そのワークパンツの名称がディッキーズだと知るのはもう少し後の事になります。

時は流れ。

元々ワークパンツとしてアメリカで誕生したディッキーズ。コストパフォーマンスが高く丈夫なその機能性から世界中でユースカルチャーの象徴的なアイテムになりました。アメカジやらスケーターファッションやらがファッションの主流に返り咲いた昨今、セレクトショップ別注をはじめ、BEDWIN、STUSSY等のブランドがコラボアイテムを打ち出すなど新しいアイテムも続々とリリースされています。

ミュージシャン、アーティスト等、ディッキーズを愛用している著名人は数え切れません。今年開催されたAir Jam2012とのコラボアイテムが発売されたり、9月には吉祥寺に国内初のオンリーショップがオープンするなど、現在に至るまであらゆるストリートカルチャーを体現するパンツなのです。

女性でもマドンナやアブリル・ラヴィーンがステージ衣装やMVで着用しています。
ちなみにこれも。



さらにスコッチガードという加工により水に強く、汚れにくく、壊れにくいという、水仕事の僕にとっては正にマスターピースなパンツですが、元々がワークパンツ。シルエットは洗練されているとは言い難く、都会的なコーディネートには合いません。



僕はこんなにマッチョじゃありませんしね。

日本企画のスリムタイプなども出ていますがなかなか満足のいくものに巡り会えませんでした。そこで僕はリサイズに出して自分仕様のシルエットにオーダーしています。
お願いしているのは原宿のSARTOさん。丁寧な仕事にとても満足しています。









好きな物を自分に合うようにアレンジしたり、流行のシルエットにしたり。そんなファッションの楽しみ方もありかと。

美容師の仕事も一緒ですね。その人が好きな世界観やトレンドのデザインをオーダーメイドのようにその人に提供できる美容師でいたいと思っています。


HARADA