イランカラプテ!ASKです。

(アイヌ語の挨拶です。)
 
毎年この時期に粛々と行っているシマフクロウの巣箱かけですが、先日の巣箱かけはいつもとちょっと違った雰囲気に包まれていました。
 
その理由は…
 
アイヌの長老による「カムイノミ」。
 
先日とある地で行った巣箱かけは、カムイ(神)ノミ(に祈る)、つまり神に祈りを捧げる儀式から始まったのでした。
 
巣箱をかける予定の木に到着したら、まず簡易的な祭壇の様なもの(ヌササンと言うそうです)が作られました。
 
そこにはイナウと呼ばれる、木を削って作られた祭具が立てられています。
 
 
そして、おもむろに長老と男性がヌササンの前に向い合わせで座り、火を焚きはじめました。
 
火のカムイは様々なカムイの中でも重要なカムイなのだそうです。
 
トゥキと呼ばれる椀にお酒を注ぎ、イクパスイと呼ばれる木のヘラの様な祭具の先に酒を浸して、その滴を火や大地の神に供えます。
 

そして、長老がアイヌの言葉で祈りを捧げます。
 
「イレスカムイ モシリコルチ チランケピト オリパクトラ ネワネコロカ………コタンコロカムイ……アシリチセ…」
 
(人間を育てる神、国土を司る神、火の神様、遠慮と共にではありますが………シマフクロウ……新しい家…)
 
私には何を言っているのかさっぱりでしたが、撮った動画を見返して聞き取れたものを断片的にググってみました!グーグル先生ありがとー。
 
はい、そこ!
断片的過ぎる~とか言わない!
 
頑張ったぞ、私。
そして、重要な部分はおさえているでしょ。良しとして!
 
さてさて、カムイノミはまだまだ続きます。
 
今度は参列者にトゥキとイクパスイが渡されて、皆もカムイにお酒を供えます。
 
ハカセとASKも見よう見まねでしっかりと祈ってきましたよ。
 

最後はイナウのひとつを火に捧げてカムイノミは終了しました。
 
これで準備万端、張り切って巣箱かけに着手です。
 
カムイノミをしてくださった長老も、作業を最前線で手伝ってくれました。感謝。
 
今回の木は良い位置に枝が無く、巣箱を枝に乗せられなかったので、ちょっと難易度の高い巣箱かけでした。
 
しかし、おかげさまで事故もなくしっかりとかけることができました!
 

今回の様に、アイヌの方に祈りを捧げてもらって巣箱を設置するのは初めてでしたが、アイヌにとってのカムイってすごく身近な存在なんだなと感じました。多分皆がいつもすがっている神様とはニュアンスがちょっと違う様な。

シマフクロウもコタンコロカムイ(村を守る神)と、アイヌにとっては身近な神様です。
 
改めて考えると、アイヌの文化って感謝し対話する文化なんですね。これは昔からある各国のいろんな文化にも共通するような気がします。
 
今の社会は物に溢れて便利が当たり前になってるから、そういった感謝が薄れているいるんだと思います。だから、こういった儀式が目新しく映ってしまっているんですよね。
 
今回の巣箱かけでは、とても貴重な経験ができました。
イヤイライケレ!
(ありがとうございました!)
 
 
ASK