『私は、自分のことが大嫌いで今生きていることですらイヤなの。
人の前では笑顔を振りまいているけど心の底から笑ったことなんてないし、笑えるとも思えない。
私は親から「生まれてこなければよかった」と言われ続けている。。。
だから、私がここに存在していいのかさえ疑問に思ってるの。
そんな人のことを私は好きになれないし、好きだっていう人の気持ちもわからない!
どうせ嘘だと思っているから。』

彼女の本音だった。

親から否定され続けた存在…。
彼女は耐え続けていたのだ。




















時間にしては長くないが、永遠とも思える澱んだ時間を私は切り裂かずにはいられなかった。














「それがどうしたっていうんだ!
俺はサチの過去を知らない。
別に興味もない。
俺がサチと作っていくのはこれからの時間であって、過去の積み重ねじゃない。
過去は過去として受け入れるけど、そんなことは関係ない。
サチが自分のことを嫌いだというけれど、俺はサチの嫌いなところも含めて好きなんだ。
『サチ』という一人の女性が好きなんだ。
良いところも、悪いところも全部で『サチ』という人格が好きなんだ。
だから、今は難しいかもしれないが過去を受け入れたらいいんだよ。
一緒に俺も受け止めるから。」
















また二人とも黙ってしまった。















時間だけがたんたんと過ぎ、空が白み始めた。
















『私、今日は帰ります。』



私はその言葉に従って車を彼女の家の前に止めた。
















『今日はありがとうございました。また連絡します。』


そう言って彼女は車を降りた。