私はわざわざお茶を買ってまで飲もうとはしないのだが、実家からいらない緑茶を送ってきたので、一ヶ月以上飲んでいた。

すると冷えと便秘に苦しむようになり、寝ていて汗をかかなくなったので、洗濯する必要性を感じなくなるほどであった。ある日、冷えとは関係なく朝まで一睡もできなくなり、コーヒーで眠れなくなった経験と同じなので、緑茶のせいだと思い当たった。

緑茶は身体を冷やすため、冷えによって、コーヒーよりも眠れなくなる人がいるそうなのである。

緑茶をやめたところ、数日で、緑茶で悪化した分の冷えは改善した。

そういえば,緑茶は鉄分の吸収を妨げるんだった。つまり消化吸収によくないということだ。

そこで、どんなお茶がいいのか考えてみる。

まず、何も健康に問題がない人は,お茶を飲まずにお湯でも飲んで、浮いたお金を有効に使うのが健康によいと思う。

世の中は、「何々が健康によい」と宣伝して利益を得ようとする人ばかりで、情報戦の中で正しい情報を見抜くのにはそれなりの実力が必要であるし、「何々が健康によい」と思い込んで何かの健康法をやると、悪い症状が出ているのに気がつかず、かえって健康を害することが多いからである。

一方、問題を抱えていれば、このお茶は効果がある、ない、が分かりやすい。自分の症状を解決してくれそうな薬効のお茶を選ぶといいと思う。

マクロビオティックでは、身体を温める陽性の食べ物、冷やす陰性の食べ物、どちらでもない中性の食べ物に分類する。

中国の陽性陰性に分類する考え方を取り入れているのであろうが、誰が言い出したのか分からず、これはどうかと思うものがたくさんある。

トマトは身体を冷やすというが、夏野菜は身体を冷やす、といっても、唐辛子やその薬効を引き継いだピーマンは夏野菜

だし。

でも、お茶等のように,毎日飲むもの、大豆製品のような日本人が常食するものについては、経験談を積み重ねて、正しいことを言っている可能性が高いと思う。

緑茶、紅茶、ウーロン茶は、陰性のお茶で体を冷やすという。三年番茶が、発酵によってカフェインやタンニンがほぼなくなり、身体を温め、おすすめだというのである。三年番茶は刈り取った茶葉を、三年間熟成させたお茶である。

しかし、私は、身体を冷えるというのは、原因ではなく結果であって、温めればそれで健康問題が解決するわけではない。すなわち、冷えるから健康を害するのではなく、健康に悪いことをやっているから冷えるのである。消化不良に効くお茶がいいと思った。動物性食品を減らせば消化の悪い食べ物が増えるし、冷える原因は消化不良だと考えていたからである。

そこで私のおすすめは、クミンティーである。レシピではティースプーン1杯とあるが、ティースプーン1/4くらいで十分であった。1日ティースプーン半分程度と書いている人もいる。

クミンシードは、スーパーで売っている量は少なすぎるが、ネットで安価でメール便で売ってくれる量は多すぎる。料理だけでなくお茶にも使えば大量でも消費できる。クミンの消化増進効果は、英文で研究論文がいくつもあり、信頼に足る。

もともと、私は、インドのベジタリアン、豆料理の伝統からして、インドのスパイスには消化をよくする知恵があるだろうと考え、スパイスを料理に取り入れていた。しかし、消化の悪い食べ方をしていたので、何の効果もなかった。

しかし現在は、食材を小さく切ること、よく噛むこと、豆の食べ方、ナッツの食べ方、摂取上限はどのくらいかetc勉強して、思い当たる生活習慣は改めていた。

すると、クミンティーを一回飲んだ直後から身体が温まって、服一枚脱ぎ、寝ている間も持続したのが分かった。これにはびっくりした。

つくづく、人間が古来から活用していた薬草の効果はすごいんだなと実感した。しかし、はじめに症状に効くものを探すのではなく、生活習慣を直すことが先である。

生活習慣を直さず、薬で治そうとする、という普通の姿勢がよくないことは以前に書いたが、民間療法においてもそれは同じである。

ベジタリアンを目指すなら、鉄分の吸収を妨げることが証明されているこのような飲みものは飲むべきではないと考える。

 

(数字はmg/100mlを示す)

 

   
                              タンニン   カフェイン

コーヒー              110              40

インスタントコーヒー 52               16

紅茶         37               50

緑茶         18               10〜20

濃い緑茶(玉露など) 100             160

ウーロン茶         32               20