動物性食品を減らすとなると、必然的に増やそうと考えるのは豆とナッツであろう。
豆の皮ほどではないが、ナッツ・シードも消化が悪い。
ローフーディストは、生ナッツを浸水してから食べるべきだと主張している。
生ナッツには酵素抑制物質というのがあり、そのまま食べると身体の酵素を使ってしまうというのである。浸水させて水を捨てると、その酵素抑制物質が溶け出すという。
一方、ローストすると、酵素抑制物質が働かなくなるが、栄養素は落ちるという。
酵素抑制物質というのは誰が言い出したのか、怪しい理屈だと思うが、私は、生ナッツは吸水させる、またはローストする、という結論自体は正しいのではないかという気がするのである。
酵素がどうとか、フィチン酸がどうとかいう難しい理屈ではなく、難消化性のものを消化吸収して栄養にした動物の肉をやめるなら、人間自らが消化が悪い食材を消化吸収しなくてはならない。そのためには、動物の消化器の代わりに、知恵と工夫で代替しなければうまくいくはずがない。
生ナッツ、シードを吸水させると、やわらかくなり、口の中でペースト状になる。これは相当消化しやすいだろう。長時間浸水させたら料理に混ぜて加熱してしまえば雑菌の心配もない。
また、吸水させれば、フードプロセッサーがなくても、すり鉢で少量すりつぶすことができそうである。
生ナッツ・シードを生で売っているのは、本来であれば、パン作りで使ったり、炒め物にしたりという料理用なのであろう。
生ナッツは乾物もどきと考えて、戻したほうがいいのではないかと思う。
もう一つ、タンニンの問題がある。アーモンド、くるみは渋皮を必ずむいて食べることである。これは表面にはタンニンが含まれており、鉄分の吸収を阻害してしまうからである。食べ方としてはアーモンドは12時間水に浸し、そのあと熱湯に1-2分つけると渋皮がむける。くるみは、水に1-2時間浸しし、同じく1-2分熱湯につけると渋皮がむける。
一方、ローストすると消化がよくなるのか?
ローストすると消化がよくなるエビデンスは見つけられなかったが、胡麻は炒ると消化が改善する(それでも消化が悪いからすらなくてはいけないが)ことから、ナッツ、シードが、加熱したら難消化の何かが破壊されて消化が改善するということは、ありそうな気がするのである。
種子は、難消化のセルロースに覆われています。
幸運にも口の中でたまたま破壊されない種子が消化器官を通り抜けて排出されて、
その場の環境条件良ければ、芽が出て根を張り成長することができます。粒のままの洗いごまは生の状態で固い種皮(セルロース)の包まれています。
一般的料理には、焙煎したいりごまを使います。いりごまにすると固い難消化のセルロースは破壊されていますので消化は可能です。
さらにすりごまにするとごまの表面積が広がり、
消化液との接触が多くなり消化されやすくなるのは間違いありません。
浸水時間 一日摂取限度
アーモンド 8〜12時間 20〜25粒
カシューナッツ 2〜4時間 10粒前後
くるみ 6〜8時間 25g(7粒)
ヘーゼルナッツ 8〜12時間 20粒前後
ビーガンナッツ 4〜6時間 30粒前後
マカデミアアッツ 2時間 5粒前後
松の実 浸水不要 20粒前後
カボチャの種 4〜6時間 10粒~15粒前後
ひまわりの種 6時間 20粒前後(大さじ1杯)
ヘンプシード 浸水不要
おまけ
落花生 30粒前後
いりごま 大さじ1~2杯(10g~20g)
私は、カボチャの種は乾かして、手が滑らなくなったら、爪切りで皮を切って取り出して、食用にしている。パンプキンシードを買うと高いのでお試しを。