【息子】
くんは友達だと思ってた……。
友達だと思って、信じてたのに、あんなことするなんて。。
信じてたぼくがバカだったよ。。
詳しいことは書かんけど、
よく遊んでいたくんに
物を盗られたんだよね。
でも、これまた目撃者も物的証拠もないから、
「くんが犯人だという証拠」を聞かれたら、
提示することはできないんだけどさ
(くん親子は「やってない」の一点張り)
まわりの子たちのママに聞くに、と
くんは地域でも迷惑がられてる放置子で、
かなりのトラブルメーカーらしい。
くん。。
【夫】
盗難届(被害届)を警察に出せ。
逆恨みから、何らかの手を出される可能性もある。
手癖が悪いのは一生治らん、酒癖と同じ。
ソイツは犯罪者になる外無い、ホンマのクズや。即刻縁を切れ。クズが伝染る。
すぐさま夫は極めて冷静に、
吐き捨てるように指示した。
夫には「子どもだから」とか、
そういう気持ちはまったくない。
自衛隊の法務関係を主としてやってきた経歴から、
いろんな前例や「クズ」を見てきてるんだろう。
警察に盗難届を出すとき、
くんのことも相談するつもりだから、
おそらくは学校やくんの親にも
警察から連絡が行くだろう。
(もちろん、学校には事前に警察に相談することを伝えておくよ)
もしかすると、
くんと親は事情聴取されるかも。
私や息子はくんの親に恨まれたり、
文句を言われたり、
逆に何かを警察に訴えられたりするかも。
でも、私には怒りもなにもない。
ただ、虚無だけが残っている。
息子といっしょに遊ぶ中で、
「いつ盗れるか、どうやったら盗れるか」を
虎視眈々と観察し続けてきたわけだよね。。
息子は純粋に、
くんを大切な友達として信じて、
いろんなところに行って一緒に遊んでいた。
そうかそうか、
つまり君はそんなやつ
だったんだな。
ヘルマン・ヘッセの「少年の日の思い出」の一説が
私の頭の中にふっと浮かんだ。
くんを見る私の気持ちは「冷静な、軽蔑」、
それはエーミールの気持ちと同じだった。
もう取り返しがつかないこと。
息子、ちょっとおとなになる。
【息子】
………そっか。裏切られるって、こういう気持ちなのか。。
お母さんとの約束を破ったとき、お母さんはこういう気持ちだったんだね。
ごめんなさい、お母さん。。
【息子】
ぼくも最低なことをしてたな。。ごめん。
すごく、よくわかったよ。。
膝を抱え、力なく笑いながら
「裏切り」がどれだけ
人を傷つけるか、
身を以て理解したらしい息子。
【夫】
アホ。人間は裏切る生きもんや。
親とかジジババはええで。
せやけどな、おまえが友達と思っとる奴のことも少しは疑え。
先公もポリもや、完全な善人なんてこの世には居らんねや。
それからなあ、友達は選べ。
友達の言いなりになるんやなくて、「これはおかしいやろ」と気付けるようにしろ。
そう夫に言われた息子は、
「わかった、もうとは縁を切るよ」と。
息子、一歩踏み出す。。
そしてその翌日。
何事も無かったかのように
遊びに誘ってきた。
【息子】
ごめん、もうとは遊べない。
ああいうことをされたし、●●なこともあったし、、今までは友だちと思って信じてきたけどさ。。
もうとは友達でいられない。友達、やめるよ。
半ば脅迫のように、
「なぜ遊べないのか(拒否するのか)」と
迫ってくるくんに対して。
これまでされてきた、
失礼極まりない迷惑行為を並べ、
「だから、もう友達やめる」と
はっきり、
面と向かって伝えた息子( ´∀｀)
くんのお母様もシングルマザーです。
