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平成30年(あ)第476号
平成30年5月22日

上 告 趣 意 書

          被告人  鱸 戸 四 朗 

最高裁判所第二小法廷  御中

 御庁頭書の名誉毀損被告事件について、被告人がした上告の趣意は下記のとおりである。


第一 刑事訴訟法第405条関係
一 憲法違反
1、御庁の判断を求めるべき憲法違反
(1) 警察は未だ強制捜査着手前の平成28年1月15日、裁判所の許可状を受けずに無断で被告人居宅の敷地内に入り、証拠(甲15号証=家や玄関の写真)を収集しているものであるが、いわゆる二重の基準論により、経済的自由権に比べ優越的地位に立つ精神的自由権の一つとして国民に手厚く保障されている表現の自由を国家が制限するための摘発を行うとなる以上、ましてや一般権力関係においては、令状主義が厳守されなければならない(憲法が経済的自由権よりも精神的自由権を手厚く保障した趣旨に照らすと、国家権力が表現の自由を制約する場合は極めて限定的でなければならず、その趣旨は憲法35条にも及ぶ。)から、警察のかかる捜査手法を是認した原判決は憲法35条に違反する。(憲法に違反して取得された甲15号証は違法の瑕疵を帯びるが、その違法収集証拠を採用した原判決もまた憲法違反の瑕疵を帯びていることは明白であり、原判決には憲法35条違反の瑕疵があるため刑事訴訟法405条1号、410条に基づき、破棄されるべきである。)。
(2) 後藤証人の尋問を遠く離れた北海道の札幌地裁で行ったこと、弁護人を間に入れることを強いられ、被告人が自ら直接各証人に尋問することを裁判官が許さなかったことは、憲法37条2項に違反する。また「刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を十分に与えられ、又、公費で自己のために強制手続により証人を求める権利を有する。」との当該規定からすると、証人尋問の危険は国家が負担すると解釈できる。しかるに本件では被告人が自費で遠方へ出向き、証人尋問を行うという経済(旅費・宿泊費の負担)と交通(事故の危険性)の二重の危険を負担させられたものであり、違憲である。(原判決は憲法37条に違反する手続を経て判決がなされたものであり、刑事訴訟法405条1号、410条に基づき、破棄されるべきである。)。
(3) 弁護人に被告人を貶める利敵行為があり、憲法32条が所期する公平、公正なものとは程遠い裁判が行われた。(平成30年5月25日付上申書参照)
2、同判例違反
被告人は主張を確認するため、①浅田和茂著刑法総論、②山口厚著刑法総論、③伊藤真著刑法総論、④森圭司著刑法総論、⑤伊田良著刑法総論の基本構造等の多くの専門書を参考にしたものであり、確実な資料、根拠に照らし猪爪には不真正不作為犯として、殺人罪の容疑が生じる可能性があるとの結論に達したものであるから、最高裁判所大法廷昭和44年6月25日の判例により被告人の故意は阻却される。

第二 刑事訴訟法第411条関係
1、同重大な事実誤認
(1) 事件の背景
原判決および原判決がほぼ踏襲した第1審の判決は、何が真実かを見極めようとするばかりに、本題は、被告人の誤信があった場合にそれはやむをえない相当な事情によるものであるか否かということなのであることを失念していると思われる。
八巻は業界を牛耳る韓国朝鮮系在日外国人及びその帰化人(以下、在日朝鮮族という)側の人間であり、在日朝鮮族は、もはや全国の商工業はもとより、第1審の弁護人が所属する弁護士会、原審の弁護人が所属する弁護士会、全国の医師会、芸能界、テレビ局(日本テレビ系を除く)、主な報道機関等をも傘下に置いた上、行政とも極めて密接な関係にある。被告人が逮捕された当時の法務大臣(その後、選挙に敗れて下野した)は、その時被告人とトラブルになっていた同郷、同窓の人物であり、立件した千葉県船橋署の署長はその半年後に警視正から警視長に昇進している。八巻にしても、逆らって本当のことを言うことは自分で自分の首を絞める(商売がやっていけなくなる)ことであり、死活問題である。
してみれば、証人尋問というかしこまった場で、自分が弁償して交換することになった燃料ポンプの件を「それは忘れた。」と、平気で噓を言う八巻の供述など、信じられるわけがないと、被告人が再認識することになったのは当然である。本件において、八巻が被告人にとって不利になることを言ったとすれば、それらはすべて虚構であるか、被告人が強く対立する在日朝鮮族の支持によるものである。
上述したように在日朝鮮族は行政とも強い繋がりを持っており、いわゆる業官癒着があって、在日朝鮮族の意向があれば、車検業務についても検査が甘くなるということは、十分考えられることである。また、本件車両は通常は燃料は漏れておらず、車検時に燃料漏れはなかったとみられることについては、下記「5、器物損壊」の記載を援用する。本件オイル交換時にはかなりの量の燃料が漏れた形跡があったが、それは燃料の漏れる量を調節していたからにほかならない。
平成28年3月27日の検証にしても、被告人の占有を離れて三週間も経ってから行われたものであり、また被告人はそれには立ち会っておらず、その結果に被告人が責任を持たされることは不条理である。
証人らが嘘を言っており、被告人がそれらを看破して自分の記憶に沿ったとおりの行動をとった理由は以下のような事実からである。
①本件オイル交換の作業時間が異様に長かった。
②オイルが漏れてエンジンカバーに飛び散っていたのに、客(被告人)の意向を訊かず作業を続行した。(これは、被告人にオイル交換を断念されると燃料漏れの仕掛けをすることができなくなってしまうからであろう。)
③オイル漏れの告知を口頭でしなかった。(これは、直接言えない後ろめたさがあったからであろう。)
④本件オイル交換後、燃費が悪くなった。
⑤後述するように、オイル交換後、高速走行時に燃費が悪くなるという傾向が現れた。
⑥本件オイル交換後すぐに見てもらったディーラーの燃料漏れに関する報告書がある。
⑦被告人は、日本を牛耳っている在日朝鮮族と激しく対立しており、彼らの支配下にある各業界の業者から執拗な嫌がらせを受けている。
⑧当初、後藤らは「オイル漏れはなかった。伝票は紛失した。」などと捜査員に嘘を言っていた。
これだけの事実があれば、オイル交換時に本件車両に対し、オイルや燃料が漏れるようにされる等の不正な行為が行われたと、被告人が信じるに足る相当な理由があったといえる。
そうすると、仮に誤信があったとしても、誤信に相当の理由があれば不可罰とされるという本件罪状の特質を失念して被告人を有罪とした原判決は、失当である。
(2) 所轄
法が保障する知る権利とは、もちろん真実を知る権利であるから、表現者が所轄という真実を表示した場合に、それを曲解する者がいたとしても、真実の表現者は法的保護の下にあり、何ら責任を問われることはないというべきである。なぜなら、真実を書いても曲解するものがいれば名誉毀損罪に問われることがあるとなると、せっかくの表現の自由に対する国民の意欲は萎えてしまうことになるからである。原判決は、本件記事は猪爪の嫌疑が警察の捜査が行われるほど強いものであると理解させるというのであるが、それが所轄と捜査中を混同した読者の無知、錯覚に基づく曲解なのであって、実際にはそのような記述はなされていないから、そこまで理解(連想)する読者は少数派に当たると推認できる。したがって、読者の無知や錯覚を重視して、表現の自由を制限しようというのは明らかに誤りである。
なお、表現者が意図的に読者の誤解や錯覚を誘発しようとする場合は表現の自由の逸脱であり違法であるといえるが、本件は事実が箇条書きされただけであるから、それには当たらないことが明らかである。
2、同法令違反
田口守一著刑事訴訟法第四版補正版(290ページ)には、『証拠調べの請求』との小題の下に、     
 「現行法は、当事者主義の構造を採用したので、証拠調べも当事者の請求によって行うことが原則である。(298条1項)。しかし、当事者の訴訟活動が不十分であったり、不注意があったりした場合には、当事者主義を補充する意味で、職権の発動も必要となる。そこで、裁判所のいわゆる職権証拠調べが認められているが(同2項)、この規定は当事者主義と調和する姿で解釈されなければならない。まず、被告人・弁護人の立証が不十分な場合には、当事者対等の原則から、職権証拠調べが義務となる場合があろう。」
と記されている。   
そうすると、第1審の最終陳述書は、陳述書は証拠であるという一面からも、簡単に看過してしまってよいという性質のものではなく、また文字通りこれで結審してしまう最終のものであるから、まさに上記の理由(不十分、不注意な訴訟活動があった)によって、被告人の最終陳述書については、裁判所には自ら率先して職権で証拠調べを行う義務が生じていたものである。
したがって、冤罪被害者は正義の下に救済されなければならないから、第1審裁判官には、事件は冤罪なのかどうかを確かめる義務が生じたものである。そうすると、この義務に反した第1審裁判官には刑事訴訟法298条2項についての違法があり、最終陳述書の克明な内容からも、それが判決に影響したことは明らかであるから、原審がこれを是認、放置したことは著しく正義に反する。
第1審裁判官が、被告人は投稿まで約半年間もの冷却期間を置いたのにもかかわらず、投稿は腹いせであり公益目的ではなかったなどと誤認し、記事の真実性についての職権調査義務を怠ったことについても同様である。
裁判官の使命には、犯罪者の断罪に並んで、冤罪の発見があるものと思料する。
よって、原判決7頁1行から3行の「被告人が上記のような主張を最終陳述でしたからとといって、原裁判所が追加的に被告人質問をするなどして審理を尽くすべきであったといえず、原裁判所の訴訟手続きに法令違反はない。」とする判断は誤りであるから、原判決は、刑事訴訟法411条1号に基づき、破棄されなければならない。
<以下、省略 なお登場人物はすべて仮名である。>