〈技術編〉第1回 バッティングのゴール
 
    今回からバッティングについて複数回にわたってお伝えしていく予定なのですが、私の考えるバッティング論の根幹となるポイントを3つの章に分けて解説していきたいと思います。
 
★バッティングの目指す先は、、、

   唐突ですが、バッティングのゴールは何でしょうか?10割打つこと?全打席ホームランを打つこと?そもそもゴールなんてない?どれも間違いではないでしょう。誰も10割打ったことがないですし、よく言われるように本当はバッティングにゴールなど無いのかもしれません。しかしそんなことを言っていても現実的ではないので、、技術的にココを身に付けたら完成、トップレベルでも通用するというゴールを定めました。それは、「下半身に上半身が振られる」ということです。え、そんなこと?と思う方も多いでしょう。しかし、間違いなく一流の打者全員に共通している点です。構え、バットの握り、足の上げ方、トップの位置、スイング軌道、フォロースル―、、、プロレベルでも様々な理論があり、もはやどれが正しくてどれが間違っているではなく、合う、合わないの世界になってきます(なかにはそれはないでしょ!というものもありますが)。つまり、一流打者がみな行っている動作こそ「下半身に上半身が振られる」なのです。
では「下半身に上半身が振られる」ためにはどうすべきか。極論をいえば「何でもいい」というのが私の持論です。つまり、ゴールさえ達成されていればそれまでの過程は何でもいいと思っているのですが、経験上、ゴールを達成する確率を高める全打者共通の大きなチェックポイントが2つあります(その2つのためのチェックポイントは細々あります)ので、その2つを以下に示しておきます。
 
★自分のバッティングのトップを把握する
 
   1つめは、自分のバッティングのトップの位置を理解し、いつでも作れるようにしておくことです。バッティングのトップを重要視される指導者の方は多いですが、細かい定義やチェックポイントはそれぞれ微妙に異なるようなので、私の指すトップについては次回の更新でお伝えします。バッティングのトップにおける体重比率やバットの角度などは選手によって異なりますが共通点も多く、また、スイングの中で数少ない自分でチェックできる部分であるため調子のバロメーターにもなります。
 
★打ちに行ってやめる

   バッティングはそもそも基本的に受け身です。だからこそメカニックと気持ちは主体的に行かなければ結果は望めません。しかし打席では、三振したくない、アウトになりたくない、カウントによってはまだ見逃せるという気持ちから「良いボールが来たら打とう」というスタイルになりがちです。一級品の投手を相手にしたら良いボールを選んでいる余裕は時間的にも精神的にもありません。「全部打ちに行って、ボールだったらやめる」のがバッティングです。こんなことを書くと精神論者のようですが、全くそんなことはありません。しっかりした根拠がありますので次回以降解説します。
 
 今日は打撃論の序章として、今後の解説の軸となるバッティングのゴール、それを達成するためのポイントをお伝えしました。今日の内容については全打者共通です。後々タイプによる違いも解説しますが、まずは全打者の共通するところからお伝えしていこうと思いますので、次回の更新をお待ちください。質問等はどんどんコメント欄へお願いいたします!