武田薬品工業は世界の売上高の過半を占める米国市場の展開を強化、現地の医薬情報担当者(MR)を4割増の4500人に増やした。6年ぶりの新薬や主力の糖尿病治療薬で攻勢をかける。

 欧米大手に対抗して事業拡大を急ぎ、2006年度の米国売上高(関連会社含む)の目標を前年度比6.5%増の55億ドル(約6300億円)と過去最高に設定、達成をめざす。

 米国の販売会社2社のうち、全額出資子会社の武田ファーマシューティカルズ・ノースアメリカ(TPNA)を重点的に強化する。MRを昨春比6割増の2000人に増員したほか、外部のMR500人と専属契約を結んだ。今年度の売上高は前年度比17%増の約22億ドル(約2500億円)を見込む。 (07:00)

上記日経より

ようやく日本医薬品メーカーも医薬品海外市場の開拓に本腰を入れ始めました。

度重なる薬価引き下げで日本市場が収縮している今、海外市場いかに開拓できるかが日本医薬品メーカーの存続にかかわってきます。

幸いにも武田は新薬開発がうまくいっているようであり、日本市場を当てにせず、本気で最大市場である米国に根ざすことができたら生き残れるのではないのではないでしょうか?

そもそも日本の医薬品メーカーはなぜこんなにグローバル企業になれないのでしょうか。日本ではトップである武田でさえも世界ランキングでは十位にも入っていません。

これには中途半端に大きい日本市場に安住してしまったことが直接的な影響なのではないでしょうか?

携帯メーカーの事例をみれば火をみるより明らかです。フィンランドのノキア、韓国のLG、サムソン。これらは世界市場では高シェアを獲得しています。

それはもともと自国の市場が小さいがために、鼻から最大市場である米国に向けてのマーケティングをし、製品開発をしていたためです。それが結果としてグローバル企業として市場を席巻できる企業となっていったのです。

医薬品メーカーでも同じことが言えると思います。以下
http://www.utobrain.co.jp/news-release/2005/021500/



二位サノフィ・アベンティス、三位グラクソ・スミスクライン、六位ノバルティス、八位ロシュがある国はそれぞれフランス、イギリス、スイスとなっている。

日本の医薬品市場よりもはるかに小さい国に本社を置いているにもかかわらず世界では是だけのシェアを獲得しているのだ。

これらの企業に共通しているのは鼻から米国市場をみていることだ。自国に還元するのはそのあとなのです。まず米国市場を取り崩すことが医薬品メーカーにとってはグローバルスタンダードなのです。

日本の医薬品メーカーが生き残れるかどうかは国際競争力をもつこと。つまり米国市場をどこまで開拓できるかということなのではないでしょうか?当たり前のことですが。