歴史教科書問題 | しこうかいブログ

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至高を志向し思考し試行することを嗜好する人たちが、快し会し峡し回し介し解しモノゴトを探求する開かれた会

 今の日本に於ける様々な問題の根底に「教育」があるということに疑いの余地は無いと思います。子どもの教育は本来親が行うべきモノですが、学校が担うところも重要ですし、子どもの教育を学校に依存してしまっている場合は、学校の役割がさらに重要となります。

 

 学校は勉強を教えることだけではなく、先生と生徒との集団生活を通じて社会、横のつながり、上下関係、道徳、倫理、日本の理念、等々を学び、日本人を育成する所だと思います。しかし、いつのまにか学校は、受験勉強を教える場所になっていないかと思われます。

 

 いつの時代の学校(学びの場、学びの形)が最適だったのかは、難しい問題で簡単に答えは出ないと思いますが、少なくとも、「考えること」を軸にした学びの形と、日本人を育成するということは、非常に大切であると考えています。

 

 このようなコトを云うと、戦前の教育は軍国主義の洗脳だとか、言われる人もいるようですが、それはまったく的外れとしか言いようがない。そう言う人には、「教育」と「洗脳」は何が異なるのか聞いてみたい。私が考える違いは明確で、「考えさせる」のが「教育」であり、「考えさせない」のは「洗脳」と言うことです。

 

 そう考えると、今の教育は「考えさせる」教育となっているのか大いに疑問です。むしろ考えさせないようにしていると感じます。これでは洗脳ではないかと。しかも、良い方向への先導であれば良いかもしれませんが、負の方向への扇動であれば将来は絶望的です。

 

 学校では様々な教科の授業があり、どの教科も重要であることは間違いないのですが、日本人を育成する、「考える」ことに重きを置くなら、その形態はこのように成るのではないかという印象図が下の図です。

 

 

 全てのモノ・コトには歴史がありますから、先ず軸に成るのは国史です。日本はいつ、誰が、どのような理念のもとに建国されたのか。日本はどのような国家なのか。日本人とはどのような民族なのか。私は誰なのか。ということを認識することは自分自身の基を認識することと同義だと思います。そして、思考は言葉に依りますので、国語=日本語も根幹を成すモノとなります。そして、今の教科では公民(になるのかな)・道徳というものは、建国の理念、日本人が先人より受け継いできた伝統、文化、慣習、等々様々な要素により創られてきたモノですから、これも根幹を成すモノとなります。

 この「軸」が在って、その他の教科があり、それぞれの教科にも歴史があるので、その元は国史へと繋がっていると言えます。そして、この軸が有ってこそ日本人と言えるのであり、無ければそれは根無し草のようなモノであると思います。

 

 このことは、日本に限ったことではなく、世界各国それぞれにその国、それぞれの民族の歴史がありますから、当然、その国、その人たち(民族)の歩んできた歴史により、根幹となるモノは異なると思われますし、だから世界には様々な国が存在していると考えられます。そして、それら全ての国の歴史、伝統、文化、等々を尊重し合い、互いに友好的な関係であることが望ましいと考えるのですが、その一方で、世界をひとつの理念、考え方、価値観、等々で統一しようと考える世界全体主義という考え方もあります。

 

 世界全体主義もそのように考える人たちの歴史に依るモノと考えられますから、それはそれで否定するモノではありませんが、それを強制する権利は彼らにはありませんし、それに従う義務などどこの国にも有り得ません。

 

 前置きが長くなりましたが、ここからが本題の教科書問題です。なぜ、「問題」なのか。と思われる人も居るかと思いますが、今というか、戦後の日本の中学校で使用している教科書には、様々な問題があると認識している人は少なからず居ます。なかでも、根幹にあたる「歴史」は大問題であると言えるのです。何がそんなに問題なのか。ということが今回主旨となります。

 

 今、各自治体では学校で使用する教科書の展示が行われています。一般の方が教科書を見て、意見や感想、要望などを提出することもできます。教科書の採択は4年に1度行われるそうで、ちょうど今年がその年となるので、今回採択された教科書が以降4年間使用されることになります。なので、私も教科書、主に歴史の教科書を見に行き、アンケート用紙に問題点を書いて提出してきました。

 

 1教科といっても、出版社は複数あり、歴史の教科書で確認しただけでも、東京書籍、学び舎、山川出版、育鵬社、自由社、日本文教出版、帝国書院、令和書籍、の8社あり、すべて目を通すだけでも10数時間を要しました。なので、公民や国語の教科書は2社程度しか見られず、その他の教科は今回は見ていませんが、やはり最重要は歴史=国史にあると改めて感じたことも確かでした。

 

 先ず、何か問題かというと、教科の中に「日本」が感じられなモノが殆どである。ということです。国家観というものが全く感じられず、どこの国の教科書なのか分からないのです。

 説明を分かりやすくするために、結論を先に書くと、自由社と令和書籍以外の教科書は、全てダメでした。なので、良いと思えた2社について具体的に書いてみます。

 もっとも良いと思ったモノは令和書籍の「国史教科書」です。縄文時代、神代の話も充実していますし、何より全ての時代の最初に天皇が書かれている。日本書紀からの転載もあり、天地開闢、国生み、神武東征なども記載されています。しかし、建国については、本文や年表には記載がない。これは、今まで5回ほど検定を受けてきたようですが、なかなか通らず、第7版が今回のモノなので、たぶん、記載が難しかったというか、記載すると通らなかった可能性があると思われました。そこは惜しいのですが、全体としては非常に事細かに書かれおり、縄文から現代へ続く流れが分かりますし、時代ごとの出来事も、時々の世界情勢や日本の状態、その経緯などをしっかりと伝えていました。特に、幕末から明治維新、日清・日露戦争から大東亜戦争についても、欧米列強と日本の関係などの背景と経緯、戦争に至った原因、等々の記載。戦後に於いてもGHQによる占領下政策、そのことで日本はどのような影響を受けているのか。など非常に重要な事も網羅されていました。強いて難点を挙げれば文字が多くて内容が濃いので、取っ付き辛く感じるかも知れないコトと。この教科書で教えることができる先生が果たして何人いるだろうかということです。

 

 自由社の「新しい歴史教科書」については、令和書籍ほどでは無いにしても、天皇系図や、神代の物語の記載もあり、日本がどのような国であるかは、伝えられていると感じました。しかし、こちらも建国については、本文にも年表にも記載はありませんでした。他には日本文化が西欧に与えた影響など記載されていますし、豊富な写真やイラストなどを使った紙面は分かりやすく読みやすいと思います。こちらも、重要な戦前戦後のところも、必要なことは書かれています。その中で「ウォーギルトインフォメーションプログラム」の文字があったことは驚きました。その真意までは書かれていませんでしたが、画期的なことだと思います。

 

 この2社だけが、国家観を感じることができ、日本に軸を置いて創られていると思いましたが、その他の出版社については、国家観が希薄であったり、全く感じられないモノもありました。特に東京書籍、山川出版、学び舎、日本文教出版は、反日の隣国の教科書なのかと思えてしまうほど酷かった。ところどころ恣意的と思える「切り取り」がされ、日本を貶めるようなことが書かれていたことには憤りを感じました。そして、なぜこのような教科書が認可されているのか疑問に思います。こんな反日教育が日本の高校で、日本人の生徒に対して行われているといたら、日本が将来良くなっていくことなど考えられませんし、子どもたちが可愛そうです。

 

 先進7カ国の中の、20代、30代の死亡原因について、日本はダントツの1位が自殺なのですが、こんな授業を受けていたら、そうなってしまうのも分かるような気がします。自虐史観を刷り込まれて、祖国に誇りと自信を持てるわけもありませんし、悲観的になってしまうのは当然でしょう。

 

 中学生を持つ親御さんや、これから中学に入学す子どもを持つ親御さんは、ぜひ1度教科書の内容を確認していただきたいと思います。もっとも、それには見る方にもそれなりの知識が必要となります。私もそうでしたが、若い時はこんなコト考えもしませんでした。しかし、当時から疑問を持ってはいました。社会に出ると仕事に追われ、なかなか仕事以外の勉強はできません。それでも、少しづつ歴史を勉強し直した事で、世界のおかしさに気がつくことができてきたように思います。昭和の時代はそれでも高度成長期にあり、将来は明るかったので良かったのでしょう。

 

 対して今は、停滞期というよりも下降気味であり、平成以降に生まれた若者は、景気の良かった時代を知らず、将来も見通せないような状況にいます。しかし、昔よりも情報は取りやすく成っていますので、自らが主体的に動くことによって、流れは変えられるのではないかと思ます。大東亜戦争前後、特にGHQによる占領政策とその真意なども、情報公開がされたこと、日本の有志の方々の懸命な努力により明らかに成ってきました。

 

 日本という国家は、学べば学ぶほどに、知れば知るほどに素晴らしい国家であることが実感できます。世界最古、世界最長の国史を持つ、世界唯一の国家であることを子どもたちに知っていただきたい。と切に願います。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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