お香のお稽古で、**紅梅香(こうばいこう)**を体験しました。

季節は、晩冬から初春へ向かう頃。
二十四節気でいうと、ちょうど「雨水」を控えた時期です。

まだ寒さは残っているけれど、
どこか空気がやわらいできて、
春が近づいている気配を感じる、そんな頃です。

 

 

今回の紅梅香は、少し物語のある組香でした。

用意されたのは
紅梅が1包
白梅が3包

その中から3包が順に出されます。

そして、唯一の紅梅が
何番目に現れるかによって、答え方が変わります。

その表現が、とても風流なんです。

一番目に出れば「麓」
二番目なら「中腹」
三番目なら「頂」

山に梅を探しに行き、
どこで出会えたかを表しているのだそうです。

まるで、座ったまま山を登っているような気分になります。

 

 

そして、いちばん心に残ったのが、
紅梅が出なかったときの答え。

それは「外れ」ではなく、
「雨水」

梅には出会えなかったけれど、
春を呼ぶ雨が降る景色。

なんて美しい表現なんだろうと思いました。

出会えなかったことさえ、
季節の風景になる。

香道の世界は、本当に奥が深いです。

 

 

香りを「聞く」という時間は、
静かで、ゆっくりで、
日常の時間とは違う流れになります。

急いでも意味がなくて、
感じることだけが大切。

現代の暮らしでは、
なかなか味わえない時間だなぁと思いました。

 

 

梅の花は、
冬の終わりにいちばん早く咲く花。

まだ寒い中で、
春を知らせてくれる存在です。

そんな梅を探す紅梅香は、
まさに今の季節にぴったりのお稽古でした。

 

 

静かな時間の中で、
春の気配を、少しだけ先取りしたような
そんなひとときでした。