こんにちは
今日は
少し前に湧いてきた
ひとつのお話を綴ります
扉を閉めた少女が
扉の外で出逢ったものは・・・？！
強い風が吹き
唸り声が聴こえて
少女は小さな体で
大きな扉を閉めた
少女はそのまま
耳を塞いで寝てしまい
風がやんだことに
氣づかぬままときが過ぎた
その次に
少女が目が覚ましたとき
時計は壊れ
針は動かなくなっていて
何か月経ったのか
何年経ったのかわからない
けれど
扉の向こうから
微かな陽射しと
優し氣な笑い声が聴こえた
ドアノブに
そっと手を掛けて止まる
またあの強い風は
吹いたりしないだろうか？
風に乗って
唸り声は聴こえないだろうか？
今見える陽射しは
一瞬で消えてしまわないだろうか？
けれど
少女は扉を開けた
なぜなら
その胸の奥には
ひとりぼっちの寂しさが
沢山詰まっていたから
風が吹いていても
雨が降っていても
彼女は
優し氣な笑い声に近づきたかった
扉を開けると
優し氣な笑い声は光だった
とてもとても温かくて
大らかな光だった
光は言った
“わたしはあなたなのよ”と
あなたが長い間
恐れていた唸り声は
あなた自身の
声ではなかったのよと
少女は驚いた
わたしは
こんなに温かく
わたしは
こんなに大らかななのかと
目を見開いて
光の向こうを見つめると
そこには
色とりどりの光が見えた
その光は
違う声を持ち
違う大きさを持ち
ときどき形を変えたけど
どれも美しい光たちだった
わたしたちも
昔は唸り声が聴こえていたよ
けれど
耳を塞いでいた手を離したら
ある日
あなたと同じように
優しい笑い声が
少しずつ聴こえてきた
その日から
風は唸り声ではなくなった
風は優しかったり
強かったりする日もあるけど
風と遊べるようになった
風に乗れるようにもなった
その風は
龍にもなるんだよ
龍という
流れにもなるんだよ
風は本当は
乗ることができるんだよ
自分以外の光に
風のことを教えて貰うと
ふぅっと吹いた風が
彼女に声を掛けてきた
乗るかい？
この世界には
わたし以外の光もある
それなら
仮に振り落とされたとしても
他の光たちが
見ていてくれるから
大丈夫かもしれないなぁ〜
周りを見ると
色とりどりの光たちが
ゆらゆらしながら
見ていてくれているのがわかる
そして彼女は
恐る恐る風に乗った
風に乗って
もといた場所を見つめると
光たちがそれぞれの色を放ち
それはそれは美しいこと
ねぇ
あなたたちが
とても綺麗に見える
久しぶりに出した
自分の大きな声に驚きながら
彼女は
その世界を存分に愉しんだ
風は歓んだ
歓ぶと龍の形の光になった
なんだ
あなたも光だったんだね
そう伝えると
龍は頷いて小躍りした
昔々は
みんな同じだったんだよ
形や役割が
少しずつ変わっていったけれど
本当はずっと
きみたちと一緒に生きていたんだ
元々は一緒だったのだから
今からでも一緒に生きられる
ありがとう
見つけてくれて
龍の微笑みを見ると
彼女の心も温かくなった
氣がつくと
その温もりに涙が溢れた
この世界は
こんなにも優しくて
この世界は
こんなにも温かいのだと
彼女は
扉を開けたまま
光と龍と共に生きる世界へと
歩き始めた
“おしまい”と
締めたいところですが
この物語は
ここからが始まりです
ここを読んでいる
どなたかの心と
今日も
ここにきてくれてありがとう
今日も
あなたの命にありがとう
愛しています
LOVE＆JOY
彩ね
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すべて喜んで目を通しています
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