両手を洗おうとして、液体ソープを左手に掛けて丹念に指の股を擦り拭う。
麻痺で感覚がなくなってしまった手に、特に寒いころに冷たい水で刺激を与え続けることは、失った感覚を呼び戻すのによいと入院中にも聞いていました。
祈る様な思いで、時が過ぎるにしたがって徐々に虚しさが増すにも拘らず「もしかしたら」と一縷の望みを抱いて左手に水をかけて洗いつづける。
アホウの様に時間をかけて(苦笑)…
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それはともかく、熱をもったブヨブヨとした感覚のない手を洗うのは変な感じです。
自分のものではないような妙なもの…
時に左上腕部が捻りあげられる様な痛みに襲われて、紛れもない自分の身体の一部であることを思い知らされる。
朝と夕方では感じが違って、朝はすぐにすっきりとネバネバした感じが取れるのに、夕方はなかなかとれなくて不思議な感じです。
日中のリハビリの疲れで(左手の)このネバネバした感触が取れないのかなと根拠もなく漠然と考えてたけれど、実はこれは左手に触れている右手の感触ではなかろうか?
感覚がない左手でなにか感じるわけがないよな…考えるほどわけがわからないです。