食事が楽しみであることは大抵の人にとって同じかと思います。

 

 かくいう私にとっても、食べるのは勿論、色々と食べ物を工夫するのが大好きでした。

 

 夕方、まだ明るいうちから、自営業ならではの気ままさでビールやワインをガブ呑みしながら、モダン・ジャズを聴きながら、のらりくらりと時間を浪費しながら、意地汚くツマミ喰い等しながら料理を工夫するのが好きでした。

 

 (あ、関係ないけど、モダン・ジャズといえばアート・ペッパー、ハーブ・エリス、スタン・ゲッツなんかの白人プレーヤーが独特のヤニ臭さが有って好きです)

 

 そんな調子だから、ちょっとしたものが出来上がる頃には、既にベロベロに酔っパらっている事も珍しい事ではなし、そんな調子だから脳内出血なんかに見舞れたりするのんです(白目)。

 

 あ、話が逸れた。

 せっかく独居暮らしの気ままさを満喫していた身の上から、なにひとつ楽しめん為体になってしまいました。

 

 というのは、オーラル・フレイル=「歯や口の機能が衰えた状態のこと、話がしにくい・飲み込みにくい・むせる・こぼす」に見舞われているからでした。

 今さらながら、健康あっての食の楽しみ…とは本当の事でした。

 先に話した様に脳内出血に見舞れたのは昨年の今頃であったのに、様々の後遺症に悩まされるのは今が盛りだからです。

 

 恨み節をいわせてもらうなら「プルーストの食卓」という、マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」作中の料理や、その料理が登場するシチュエーション等が詳細に語られた(らしい)書籍を脳内出血に見舞れる直前に入手して、色々、実現したいものと、密かに考えていた間際にヤられたのでした。