「こんばんは、ここに3つのプレゼントボックスがあります。この中に一つだけある当たり箱を当ててください」




マイルームに戻ると、そこに待っていたのは二人の女子。
そしてその背後に並ぶ、同じ形をした三つの大きな箱だった。




「……………こんばんは。何の催し物です、これは。ハロウィンは終わったはずですが」




というかハロウィンは子供にお菓子を贈るイベントだったはずなので、これはそもそも何か違う気がする。
私が首を傾げていると、もう片方の女子も横から、こんぶんは、と独特の挨拶で話しかけてきた。




「トリックオアトリート!……は終わってしまったので、トリックフォーユー!!」




と、ばっと手を広げて何かの威嚇とか、攻撃姿勢?を思わせそうなポーズをするもうお一人。
そのポーズは、『今からいたずらしちゃうぞ』的なアピールなのだろうか。やめてほしい。お菓子ならありがたく頂くのですが。




「でも昨日お菓子三昧で夕ご飯したんですよね?ほら、前の記事のSSで」




「そこ、台詞回しには気を付けなさい。メタい発言は私たちに任せるべきです。基本、ゲストというものは慎重に扱わねば」




あはは、とそれぞれ微妙にニュアンスの違う笑いを浮かべる二人の女子。
ちなみに黒髪の方は可笑しそうに、茶髪の方は若干苦笑気味に、という具合である。




黒髪の女子、こと朔夜さん。
何かと四季(と、同じ顔の連中全般)に気をかけてくれている、あれにとってはそう多くもないアークスの知人の一人である。
何かとアタックが激しいきらいがあるようだが、そういうノリは四季自身がそうだからか、あまり気にしていない様子だった。司の手前ではさすがにどうかと思うのだが。
ちなみに寝落ち率の高さから『眠り姫』の称号を欲しいままにした寝落ちの達人でもある




「うちよそ系のSSを書くなら、むしろ幼女さんにお菓子あげる役に他のところのキャラを借りれば良かったのにって思いますけど。安易ですし」




やめろと言うのに話を蒸し返す茶髪、ことゆうさん。
こちらは朔夜さんほどではないが、たまにこうしてこの部屋に来ておしゃべりする、アークス仲間というよりおしゃべり仲間だ。
ちなみに寝落ち率の高さから『眠り姫』の称号を欲しいままにした寝落ちの達人でもあ(ry



そういえば、この二人はこうして突然プレゼントをお遊び的にぶん投げてくる貢ぎ癖も共通していた。今回はゆうさんが主犯のようだが。




「…………で、プレゼントでしたか?どうも、貢ぎ物はありがたく頂きます。ですが、何度も言うように見返りには期待しないように」




「当たりは一つだけ、他二つはハズレです。今回の難易度は初級ですね」




「聞け。ところでそれ難易度が上がるとどうなるのですか?」




「箱の数が増えます。」




「……………」




まあ、確かに難易度は上がるが。しかしそれはプレゼントボックスの無駄なのでできればやめて欲しい。




ふぅ、と小さく息をこぼす。それから件のプレゼントボックスたちに視線を移した。
三つ並んだ大きな箱は、機械仕掛けの頑丈そうなけったいな代物である。見ようによっては金庫のように見えなくもない。


……何度見ても、見た目で区別できる要素はない。迷ってみても始まらないか。というか初級難易度で3分の1の運任せというのも如何なものか。
仕方なく、私はその一番端の箱の前まで行って、足を止めた。




「では、これで」




「お!」




「どうぞ、開けてください」




二人に急かされ、がちゃりと音を立てて箱を開ける。
中を覗くと、入っていたのは100,000メセタだった。




「………………」




……これは、なんというか。当たりというのには、そもそもプレゼントらしくない。
しかしハズレと言うにもこう、半端にいい値段なのでリアクションに困る額なのだが、どういう意図の物なのだろう。




「まぁハズレですよね」




「あ、ハズレなんですねこれ」




「残念……」




かたや楽しそうだったり、かたやガッカリしてみたりと三様のリアクションを交わす。


しかしハズレを引いても他二つを取り上げる様子はない。
ゆうさんに目配せしてみると、『次をどうぞ』と言っているようだったので、次にその隣の箱を開けてみる。
中を覗くと、入っていたのはプレゼントボックスだった。




「まぁハズレですよね」




「マトリョーシカ……!」




「こんなだるま人形あったなそういえば」




今度は皆一様に残念そうな顔になる。
いや、正直二度目なら当たるんじゃないかと期待していたので、ついというか。




「見事に二つ外しましたね」




「やかましいです、次開けます!」




ちょっと悲しくなったのでリアクションさせないうちに最後のプレゼントボックスを開ける←
中を覗いてみると、そこには何やら洋服が畳んで入っていた。




「これは……?」




思わず手に取って広げてみる。
何枚か重なったフリフリのスカートと、その下に着るのだろう肌着。そして袖の短そうな上着のセットだった。




「まぁゲーム的に言うとベースウェア1枚なんですけど」




「それを言っちゃいけません」




寄ってきた朔夜さんと一緒にそれをまじまじと観察してから、もう一度ゆうさんに視線を戻す。
彼女はやはり無言のまま、『着てみてください』と言っているようだった。




「……しばしお待ちを」




そう言って、隣の部屋に行って戸を閉めた。











「お待たせしました」




最後に頭の後ろのリボンを整えて、部屋に戻る。
待っていた二人は私の姿を見ると、ぱっと顔を明るくした。







「うんうん、グッドです」




「可愛い!!!」




良かった、好感触であるらしい。私には似合わないのではないだろうかと、不安だったのだが。




「御前さんはそういう私服っぽいのも似合うと思いますよ。なのでもっと色々着ましょう」




そう言われても、も朔夜さんの方に目を向けると、そちらも同意見なのか目を輝かせながらうんうんと頷いている。


……服が似合うと言ってもらって悪い気はしないが、やはりどうにも困ってしまう。
ある種のプレイとして時たま着るならまだしも、この子達の言っているのはもっと普段からの話だろう。




「……はぁ。まぁ、気が向いた時に程度なら、こういうのも」




別に、悪いということもなかろう。
そうため息混じりに言ってみると、二人は顔を見合わせてガッツポーズなどして喜んでいた。




何となしに、障子の先の宙を仰ぐ。


広がる青空に思いを馳せる。いやまぁ、ごく単純に、私も気安くなったなぁというだけなのだご。自身の堕落ぶりに目眩がしたというか。




……しかし、こうして間近で人の笑顔を見れるのなら悪くはないのかもしれない。




そんな言い訳が思いつく辺り、やはり堕落したらしい。
今日何度目かのため息混じりに、そう思った。













はい!突然のSSコーナーでした!!
ゆうさん朔夜さん勝手に参戦させて頂きましたー!許せサスケ!




事後承諾はケモミミ事務所の十八番。
その後に起こる肖像権とか人権ケモミミ権えとせとらのお話はpso2運営様の方へお願い申しあげまーす。これにはぷそ運営さんもびっくり。何の関係もありませんからね(




というわけで、ゆうさんお洋服ありがとうございましたー!












そう、実は↑のお話、昨日の四季のマイルームでの出来事だったのである……!衝撃の事実!!
ちゃんと2連続外してからようやく当たりを引いたのもアークス史に残る史実です。




ていうかいっつもそうじゃありません!?
ゆうさんにこのプレゼントボックス当てゲームさせられると、何故か大抵は最後まで当たりを引けないでいる気がするんですが!




ケモミミさんの幸運ステータスはE-。だがランサーではないので自害はしません、許してください。


ランサー適正があるとしたら我が家で唯一パルチザンを使ってる闇四季さんくらいのものでしょう、かっこ適当。
あの脆弱火力&カチ装甲なら、自分て心臓貫いたくらいじゃ死なないのでは?よっし大丈夫ですね!←






とまぁ、今日はこれだけです。
え?pso2の日?何それ美味しいの?何も美味しくなかったですよちくせう!!!←




それでは、本日も良いアークスライフをー!!












おまけ
























Pso2の日は朔夜さんと緊急ご一緒させて頂きました!






それまではソロでずーっとアルチ周回してました。。。


やはり平均して15分はかからない程度?のタイムです。もうちょい早くできれば、四人で行くより早いのでは?って言えるんですが……。




いや、そんなことよりそろそろ13ユニット下さいよほんと←