「お疲れですか?」




私がそう言うと、彼は不意を突かれたというように、はっと目を開けた。




「いや、ごめん。大丈夫、というか時間がもったいないからまだ頑張る……」




「いーえ。お気持ちは解りますけど、今はお休みになった方がよろしいかと。
せっかくのお休みなんですから。その張った肩、少し下ろしてみませんか?」




うっ、と目をそらす。強がるところ違うと思うんだけどなー、とか頭の中で文句を垂れつつ、私は彼の前まで歩み寄ると、その手のvitaを取り上げた。




「あぁぁぁぁ、メセタぁぁぁぁ」




「はーい、後にしましょうねー。
ほらほら、寝間着に着替えて!お休みらしく、のほほんお昼寝も乙なものじゃございませんか?」




vitaの電源を切ってから、座っていた彼に手を差しのべてみる。




「………………」




「………………失礼、お手を拝借。」




来ない手を無理矢理取って引っ張ると、今度はすんなり引っ張られてくれた。




しかし軽い。。




「……すまん。解ったよ、今は休む。」




「はい、聞き分けの良いご主人様は素敵です♪あ、お着替えは出ていますから!」




計算づくですか、とか呟きながらとぼとぼと去っていくその背中を見送ってから、カーテンを閉め、布団の用意に取りかかる。




……強引だったかな。




ベッドと布団の用意をしつつ、頭の中ではそんな不安がよぎっていたが、でもそれ以上は考えないことにした。




昼間から寝落ちするくらいなら、一度休ませた方が夜またやる時に楽だろうし。
そう、どうせゲームなんかをするなら、多少元気があるくらいの方が良いという物。正しいことというのは、いつも耳障りなものに違いない。




寝巻きに着替えた彼は、ノックをするでもなくすっと戸を引いて寝室に入ってきた。




「……お前も寝るのか?」




そう彼が聞くのは、私もすでに寝間着姿に着替えていたから。四季の10の得意技の一つ、早着替えは未だ衰えを知らず。




「なにそれ初耳」




いーですからっ。それと、ご主人様がお休みになるのに、私だけ起きていてもなんじゃありませんか。」




というか寝室にテレビがある配置上私だけゲームも出来ませんしね。




そんな当たり前のことでもいちいち口にする彼の癖も、今は割と嫌いではない。野暮という言い方もあるのだろうけど、それはそれで一つの優しさでもあると思うのだ。




「さぁさぁ、とにかく添い寝しましょうご主人様!」




「狭いのでやめよう。君は自分のベッドを使いなさい」




「ちぇ。」




この人も大概四季の扱いを解ってしまっていて、私としてはたまに都合が悪い。




具体的に狭いなんて言われたら、付け入る余地がどこにもない。私も変なところで合理主義なものだから、そういう正しさには言葉を返せなかったりする。ケモミミさんの悪い癖だ。




ベッドに横になると、彼はすぐに目をつむって、気づけばすでに寝息を立て始めていた。








ふぅ、とわざわざ声に出してため息をついて、私はそのベッドの脇に腰を下ろした。




覗き込むその寝顔は、未だに少年の面影を残す緩い風貌で。




頼りになる、というよりは、どちらかと言えば庇護欲をそそられるというようなタイプだろうか。青臭い彼の精神面にも、そういう面を強く感じさせられる。




優しさと甘さばっかり一人前で、若いだけかと思いきや、実は本当に他人に甘いだけの変な人。




そんな、私のご主人様。




私もベッドに突っ伏して、その枕に横から頭を置いてみた。




……頭上から聞こえる小さな寝息を子守唄に寝れたのなら、それはなんてプラトニックな恋愛小説だろう、なんて思いながら。























SS撮る余裕が無かったからふと思い付いたからやってみたぐはぁナニコレ!!


後悔はしてるような、してないような。
スルー推奨、ついにただののろけ記事出しやがったよあのケモミミ、と苦笑いでご笑覧あれ! むしろお願い笑ってください!←






(内容は細かい台詞の変化以外は事実をまるっと書いています。。。)