この二年間、悩み続けてきました。

気分はずっともやもやイライラ。

 

実は二年程前に管理職になりました。

喜ばしいことではあったのですが、立場の変化に自分自身が対応できていませんでした。

プレイヤーや小規模チームのリーダーであれば、たいていのことは自分の力でなんとかすることはできます。

自分自身が能力を発揮し、必死に働けば2~3人分の仕事くらいは対応することができていました。

しかし管理職となり、10人20人と動かす人の数が増える度に思うようにいかなくなりました。

勿論、それだけの仕事量を自分一人の頑張りで対処することもできません。

しかし部下達は自分が思うようなパフォーマンスを発揮してくれない。

 

そんな状況の中、私はずっと悩み続けてきたのです。

「管理職としてどうあるべきか」

「経営側の立場として社員とどう接していくべきか」

「部下とどのように接していくべきか」

…などなど。

 

私は物事を考えるときに

理念→行動指針→目標→戦略→行動→検証という流れで進めるタイプです。

しかし、この2年間は最初の理念や行動指針が定められず、もやもやした状態で仕事を行ってきたように思えます。

 

最近、突然気が付いたのです。

 

「自分は答えのないテーマの答えを探し求めさまよっていたのでは」と。

 

そうです。

 

「管理職としてどうあるべきか」なんて、答えは無いのです。

 

部下が100人いれば100通りの性格、能力、感覚、流儀、考え方、意識があり、その全てに対して通用するものはないのです。

 

ましてやここ数年で社会も劇的に変化しています。

 

男性の育休取得義務化、残業抑制、過度なハラスメント意識等々、以前の部下と上司の関係が根底から変化してきています。

 

つまり、答えはないんです。

 

だからいつまでたっても辿り着かなかったのです。

 

ゴルフで言うならば、理想的なスイングの完成という永遠に辿り着かないテーマを追い求め、ドツボにはまっていた状態です。

 

多くのメジャータイトルを獲得した帝王・ジャックニクラスでさえ「スイングは完成することはなかった。ずっとごまかし続けてきた」との言葉の残したとのこと。

 

大切なことは、永遠に辿り着かない理想を追い求めその場に留まることではなく、今の自分の力で目の前に現れる物事に対処することだと気が付いたのです。

 

ゴルフだってそう。

 

理想のスイングができれば良いスコアが出るわけではありません。

 

次々に降り注いでくる目の前の課題に対して、今の自分の能力でできる最大限の対処を選択し、最善の結果にチャレンジすることにより良いスコアが出ること「も」あるのです。

 

つまりそういうことです。

 

どうあるべき、どう振舞うべきといった「仮の自分」で対処しようとしてきました。

 

しかし、ここから先はそんな小手先では通用しないと思います。

 

自分自身として、一つ一つ判断し、向き合っていくしかないのです。

 

その一つ一つが「自分のカラー」なのだと思います。

 

以前人事部長に「もっと自分のカラーを出せばいい」とアドバイスをいただきました。

 

模範的な振る舞いをしようとばかり考えていた私に対するアドバイスだったのでしょう。

 

逆に言うと、模範的を振舞うのではなく、本当の自分の考えで日々の出来事に対応しろという意味であったのかもしれません。

 

そのことに気が付いて、少し気が楽になりました。

 

「自分が思った通りにやっていけばいいのだな」と。

 

社会人としてこの業界で十数年働いてきました。

 

そしてその内容が認められ管理職になった。

 

勿論まだまだ勉強不足であり、知らないことのほうが多い未熟者ではありますが、判断をそんなに間違えることはないと思います。

 

ここまでやってきた経験があるのだから。

 

どうするべきか、どうあるべきかとおどおど悩むより、「今の自分の本当の考えで、やりたいようにやればいいのだ」と考えられるようになったことにより、気持ちが楽になりました。

 

しばらくの間、そんな考えでやっていこうと思います。