私もいい歳になりました。
誰もがそうですが、私も他の人と同じく、ここまでけっこう頑張って生きてきました。
けっこう無理もしてきました。
仕事では「自分が顧客や上司からどう見られるか」ということを常に考え、隅々にまで気を使い、求められていることを想像し、それに自分がどう応えるかということを考え抜き、臨機応変に対応を変化させ、成果を残してきました。
それが認められ、評価されてきました。
でも大変でした。
私のように、常に周りからの目を気にして、自分が模範的な行動を取り、結果を残し、信頼を得るというような生き方をしてきた人間と、
一切忖度せず、自分の生きたいように生きてきた人間では、これまでの人生での心のすり減り具合に大きな差があるように思えます。
勿論、人はそれぞれ悩みや苦労があります。
美人には美人の悩み、金持ちには金持ちの悩み、社長には社長の悩みがあるでしょう。
でも、私はここで自分の生き方を変えていきたいと思いました。
人生も折り返し地点までやってきました。
ここから先は、可能な限り、自分の人生を自分の生きたいように生きてみたいと思うようになりました。
これまでは忖度だらけ。
だから最速で昇進してきたというのもあります。
しかし、もっと大切なものもあるでしょう。
自分の人生の貴重な時間は戻りません。
会社のために、他の社員のために、自分ばかりが犠牲になる必要はありません。
どこの部署に行っても、私が労働時間トップでした。
責任感、向上心、周りのフォロー。
誰かは見ていてくれたのかもしれません。
だから今のポジションがあるのも事実です。
でも、もっと自分の人生を生きたい。
もっと自分や家族の時間を大切にしたい。
自分が犠牲になる必要なんてないのです。
気がつくのが遅かったかもしれません。
しかしまだ人生折り返し地点。
ここからです。
これから自然体で生きるべき理由が、プライベートと仕事それぞれにあります。
まずはプライベート。
結論から言うと、ここから先、周りにいい顔をする必要はないからです。
自分と合わない人と付き合う必要がないからです。
周りに愛想を振りまき、良い顔をし、関わる全員と上手くやる必要などないのです。
最低限の社会的マナー、常識、礼節は守りつつ、あとは自然体でいいと思います。
そのほうが、かえって本当に自分と合う人間と出会えるかもしれません。
愛想笑いで近づいても、逆に「この人の本心はどうなんだろう」と不審に思われるかもしれません。
だったら忖度なしの自然体で、自分の振舞いたいように振舞えばいいと思います。
これからはそうやって生きていきます。
そのほうが逆に肩の力が抜けて、コミュニケーションが円滑化するかもしれません。
こっちも脇汗かいてガチガチにならずに済みますし。
続いて仕事。
理由は二つあります。
一つ目は、自分の人生を犠牲にしないため。
これまでのように「相手(客、上司、会社)の期待に応えようと忖度三昧で自分人生を会社に搾取される」のは止めにします。
頑張り過ぎていたのです。
F1レースで言うならば、エンジンボロボロ、タイヤがパンクした状態で、トップを走り続けてきました。
それも軽自動車くらいのエンジンで。
そりゃ、無理が来ます。
身体を壊す前に、自分を大切にしたいと思います。
二つ目は、ここから先は「良い子ちゃん」では通用しないフェーズに入ったためです。
これまでは「客、上司、会社をマークして、いい顔をしていればなんとかなった」というのが正直なところです。
そこで評価を得て、管理職になりました。
しかし、ここから先は全く異なるのです。
世界が一気に180度変わりました。
自分がやるのではなく、部下にやらせなければならないのです。
その変化に対応できなかった一年間でした。
私は2人分の仕事をする能力があると思います。
思い上がりですが笑
すごいでしょ笑
しかし、管理職はそれではダメ。
グループ(20人なら20人、100人なら100人)で成果を最大化しなければならないのです。
20人や100人の仕事を全て自分でできるでしょうか。
出来ません。
今なら分かります。
なぜ部下達は「上司は何もやらない」と感じるのか。
その理由は、上司は全員の部下たちの仕事を1から10まで把握できないし、フォローできないからです。物理的に。
だから部下は「上司は自分の状況の全てを分かってくれない」と感じるのです。
だから報告連絡相談が大切なのです。
上司は部下がちゃんと仕事をこなせるか心配で、1から10までフォローしてあげたいのですが、残念ならが「任せる」しかないのです。
管理職初年度の私は、それが出来なかった。
自分であれもこれもやろうとし過ぎて、結局フォローも「口だけ」、自分の業務も「パンク」となったのです。
当然、信頼も得られません。
ポイントをつかみ、恐怖心はありますが「任せる」ということをしなければならないのです。
話は逸れましたが、要は「ここから先は顧客、上司の目線だけでなく、むしろ部下からの目線をマークしなければならない」ということです。
だって部下に動いてもらわなくてはならないのですから。
部下にそっぽを向かれたら自分もおしまいなのです。
部下たちをケアしなければなりません。
その中で「良い子ちゃん」で通用するでしょうか。
絶対しませんよね笑
良い子ちゃん上司に、部下はついていきますか?
本部から来た、本部のほうばかり見ている良い子ちゃん上司を想像してみてください。
部下は一瞬で見抜きますよね笑
だれもそんな人についていきません。
部下は上司を「自分にとって有益かどうか」だけで判断する時代です。
部下の役に立たなければ、信頼されないのです。
役とはなんでしょうか。
成長させてくれるかどうかだと思います。
働き甲斐を与えてくれるかどうかだと思います。
そこを念頭に行動すべきだと思います。
だから私は「自然体、本心で仕事をする」ようにします。
部下たちが気持ちよく頑張れて、成果を出せ、各自の成長を実感できる職場を作りたいという本心に基づいて、自然体で行動するのです。
そうすれば信頼を得ることもできると信じていますし、私自身も「無理に上に忖度して飾らない」為、これまでのように無駄に疲弊することもないと思います。
とある部下の事件で、私は会社から「良い子ちゃん」認定を外されてしまいました。
もう出世レースも関係ありません。
かえってラッキーだったと思います。
ここから先は自分のやりたいようにやれるから。
プライベートも仕事も、自分のやりたいようにやって、自分の人生を生きていこうと思います。