先日気が付いた事があります。
何に気が付いたのかと言いますと
「大変ですね」
・・・という言葉の持つパワーについてです。
その言葉にはとてつもなく大きなパワーがあるという事に気が付きました。
結論から言うと、その言葉を使うと相手が一気に心を開いてくれるのです。
すごいでしょ?
まさに魔法のワードです。
私も無意識のうちにこれまで使ってきた言葉でしたが、先日の出来事により、改めてその言葉のパワーに気が付いたのです。
先日、本部の偉い方が私の部署に臨店されました。
普段はその方が私たちのような一部署に臨店するようなことは全くありません。
とある用事で臨店していたのですが、その合間にせっかくだからお話しをしてみようと思いつき、上記の言葉をかけてみました。
「○○取締役、いつもお世話になっております。いやいや、数か月前の一大プロジェクトの成功、大変お疲れ様でございました。○○取締役お一人の肩に想像できないようなプレッシャーがかかっていたかと容易に想像できます。大変でしたね」と。
するとその方の表情は一気に緩まり、「そうなんだよ~。上がやれやれ好き勝手言ってきて、それに振り回されて本当に大変だったんだ」と、我々一末端社員が知る術も、知る必要も、知る機会もないような裏話を快くしてくださりました。
ちなみにその話はうちの部長、副部長にすらしてい内容でした。
要因は「あ、こいつは誰も分かってくれない自分の苦労を分かってくれている」と思っていただけたからでしょう。
一社員の私は、完全に越権行為ともいえるような取締役とのやり取りが続きました。
部長と副部長を差し置いて(笑) ← これはまずかったかも・・・。
要はこういうことだと思います。
取締役の心理
・一部署に私が直で臨店すると、臨店された側は嫌だろうな
・その場のスタッフは「本部のお偉いさんが何しに来やがったんだ」と思っていないだろうか
・いくら偉いとはいえ、初めていく場所だし不安がある
・本部と部署の立場の違いもある
・自分だって臨店したくてしているのではない、上に言われたから仕方ないのだ
・・・という心理が働いているかと思います。
要は不安と不満があるが、業務上やむを得ず臨店しているのです。
そのような不安がある中、他の部署では妙にペコペコされたり、「現場は忙しいのに何しに来やがった」等の空気があったり、大変な思いもされているかと思います。
そんな中、直近の自分が担当した一大プロジェクトの成功のこと(ほとんどの末端社員はそんな事知らない)や、その苦労を労われたら、どう感じるでしょうか?
私なら、「なんでこんな末端の人間が俺の苦労を分かってくれているんだ?こいつは何者だ?」と驚くでしょう。
取締役の表情が一気に緩んだあの瞬間が、そうだったのだと思います。
人は、自分の苦労を理解してくれる人に心を開くものなのだと実感しました。
話しもはずみ、「私と一緒に仕事をしてみないか?」とまで言われました。
真剣ではないとは思いますが(笑)
「いえいえ、まだまだ雲の上の世界です。私はまず、現場で力を蓄え、仕事を通じて社会に貢献していきたいと考えています」と答えましたが(^^;
人は全員「大変」なのです。
世界の70億人全員が。
だって、生きているだけで「大変」ですよ。
サラリーマンは仕事で大変。
自営業は仕事で大変。
専業主婦は家事や育児で大変。
学生は勉強や人間関係で大変。
赤ちゃんだって成長するのに大変。
無職の人だって周りの無言のプレッシャーや疎外感で大変。
大変じゃない人なんていないんです。
ということは、誰だって「大変ですね」と分かって欲しいのです。
「大変ですね」と自分の苦労を聞いてもらいたいのです。
それを分かってくれる人を求めているのです。
それを分かってくれる人に心を開くのです。
大切なのは口先で言葉だけを掛けても無意味ということです。
きちんと心から相手の心情を察し、相手が苦労している事柄の情報をある程度持ち、本音で発言することです。
そうする事で上辺だけの言葉のやり取りで終わらず、心からつながる事ができるのです。
この言葉を大切にし、より多くの人と本音の付き合いができるようになっていきたいと考えています。