こんにちは、院長の八木原です。

この度、猫ちゃんの飼い主様からのご要望があり、当院でもFIP治療を開始することになりました。

 

FIPは致死率ほぼ100%の病気として知られてきました。これはごくありふれたウイルスである猫腸コロナウイルスが猫ちゃんの体内で変異することにより発症します。発症すると、数日で死亡することもある恐ろしい病気です。FIPには胸水、腹水が貯留するウェットタイプ、内臓に肉芽腫性病変を作るドライタイプ、その両方からなる混合タイプがあります。

 

従来、FIPの治療としてステロイド、シクロスポリン、インターフェロン、イベルメクチンなど様々な薬剤が用いられてきましたが、どれも治療効果は高くありませんでした。

2019年、カリフォルニア大学デイビス校のPedersen博士らによって、レムデシビルの代謝物であるGS-441524(以下、GS)がFIPの猫ちゃんに高い治療効果を示すことが報告されました。その後、中国の企業(MUTIAN)が、GSを含む(と思われる)製品を販売し、高い治療効果を示して評判となりました。GSは新規の物質(薬として未承認)であるため、長期投与した場合の副作用など、まだまだ不明な点が多いというデメリットがあります。

 

治療は猫ちゃんのタイプ(ウェット、ドライ)や重症度により、投与量を決定します。また注射、内服のどちらかを選択しますが、状態が安定するまでは注射での治療が推奨されるため、通院や入院が必要となります。当院で扱っているものは、高額なMUTIAN製品と比較すると価格も半額以下となります。FIP治療をご希望の方は、ご相談ください。

 

 

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四季の森どうぶつ病院