こんにちは！

去る7月21日（土）

子供の頃から大好きなファミリー・ミュージカル

「ふたりのロッテ」初日の初回に観劇してまいりました。

初演は1971年とのこと、ニッセイ名作劇場として公演されたのだそう。

私はNHKの「こどもミュージカル」でテレビ放映を見て以来のファンです。

あらすじ（公式サイトより）👇

ドイツのミュンヘンで育った物静かなロッテと、オーストリアのウィーンで育ったお転婆なルイーゼは、夏休みの林間学校でお互いの顔を見てビックリ！
鏡を見るみたいに瓜二つのふたりは、両親の事情で赤ちゃんの時に離ればなれになった、
ふたごの姉妹だったのです。
そうと分かったふたりは、再びパパとママと４人で一緒に暮らせるように、ある作戦を実行します。
見た目は同じだけど、性格も特技もまったく正反対の姉妹が、勇気をもって挑みますが・・・。
果たして願いはかなうのでしょうか！？

児童文学の巨匠、エーリッヒ・ケストナーにより1949年に発表された原作は、何度も映画やアニメーションになった世界的な名作です。

お互いの存在を知らずに育った双子が偶然に出会い、二人が入れ替わることで巻き起こる騒動や周囲の人々の反応は、もはや古典的なプロットとも言えますが、見ているものを引き付ける普遍的な魅力があります。

初めてこの舞台を生で見たのは、2000年の全国公演。

この公演から演出、振付、セット、衣装がリニューアル、新しい「ロッテ」に。

ロッテ・ルイーゼは大月悠さん、恵さんの本物の双子姉妹で、本当にそっくりな二人、信ぴょう性あるキャストに喜びました。

ブロンドにカラリングした地毛のショートカットのロッテ・ルイーゼでした。

吉沢梨絵さんロッテ、五十嵐可絵さんルイーゼによる2007年の自由劇場公演（東京初演）は何度も通いました。

大好きな双子姉妹でした。

この公演から三編みのウィッグにまた戻ります。

今回、2013年の自由劇場公演以来、10年ぶりの「ロッテ」にワクワクで初日の初回にチケットを押さえました。

初日のキャスト（敬称略）

ロッテ 大河原萌乃佳

ルイーゼ 田原沙綾

パルフィー氏（パパ） 鈴木涼太

ケルナー夫人（ママ） 森川温子

ムテジウス校長 佐和由梨

ウルリーケ先生 空田あかり

ペーター先生/ベルナー編集長 櫻木数馬

アイペルダウワー/シュトローブル博士

神保幸由

イレーネ 松元恵美

レージ 小林英恵

マーサ 大友遥
オルガ 安部小晴
メグ森田美穂
ヒルデ 三木みなみ
ローザ 望月咲優花
ブリギッテ 筋野ひな
シュテッフィ／アンニー 矢尾胡春
クリスチーネ 河井莉佳
トルーデ 大西杏奈
モニカ 中川奈々美

劇場に向かう途中でチェックしたキャスト、予想していたのは田原さん姉妹だったので、大河原さんロッテの配役に驚きましたが、そういえば、最終通し稽古のお写真にも田原真綾さんロッテは写っていなかった。

自由劇場改修後の初公演でもありました。

どこが変わったのかな？とキョロキョロしましたが、一見してわかるところはなくて、後で知ったのは、トイレが改修されたということ。

私は使わなかったのですが、和式トイレがなくなって、トイレ本体が新しいものに変わっていたそうです。

この日の席は5列目のサイドでした。

ご覧下さい、この緞帳！素敵でしょう。

相変わらず写真の腕が無さ過ぎてトホホですが、これが「ロッテ」の世界です。

以下、盛大にネタばれしています。

まったくの個人の感想です。

勘違い、思い違いあるかもです、ご容赦を！

私がこのミュージカルを愛する大きなポイント、女の子の憧れを詰め込んだようなヨーロッパの生活様式と、風が吹き渡るような大自然の描写。

リニューアルした頃には自分はすっかり大人になっていましたが、それでもときめきは変わらず。

ロッテとルイーゼが出会う「子どもの家」のあるザルツブルグの湖畔の書割による優しい風景、ガールスカウトのようなルイーゼたちのハイソックスとブロンドの三編みに胸踊らせました。

ロッテのブラウスや刺繍のスカート、ガーリーな寝間着やワンピースもうっとりなんです。

佐和由梨さんの匠とも言える見事な語りによるイントロダクションの後、牧歌的なムードを湛えつつ、加藤敬二さんの振付による、バレエの技術を駆使したクオリティ高いダンスが繰り広げられます。

田原沙綾さんのキュートなお転婆ルイーゼ、「はじまりの樹の神話」のアケビにも通じる、カラッとした少女らしいキャラクターがぴったりです。

かたや、ロッテの大河原萌乃佳さんは見るからに乙女、少し憂いのある柔らかな表情と語り口がこれまたロッテなのです。

お二人とも最初は少し硬さも感じましたが、初日です、無理もなく。

ダンスのスキルが素晴らしくて、特に大河原さんの可憐なバレエに目を見張りました。

二人が双子である事に気づくシーンはわかっていても心が騒ぎます。

花のティアラがたまらない。

それから始まる二人の冒険、見守る先生たちの愛。

神保幸由さん演じる写真屋さんのペーソス、いぶし銀。

もしもパパとママと一緒に暮らせたら♪と歌う二人、メロウなメロディも相まって、まずここで胸が詰まる。

家族の在り方おいても多様化が進む現代においては、揃って4人で暮らすことだけが幸せの形ではないとわかっていても、この物語でのロッテとルイーゼの、両親との暮らしを夢見る率直な気持ちは強く響きます。

ミュンヘンは都会のクラシカルな建物、ウィーンは緑溢れる芸術の街、場面が変わるたびに、東欧を旅しているような楽しさ。

ママを知らなかったルイーゼが、ミュンヘンで遅れて迎えに来たママに初めて会うシーンはいつも（心の中で）泣いてしまいます。

ルイーゼ、どんなに嬉しかったか…

だって、今まで存在さえ知らされず、会ったことなかったんだよね、こんなに近くにいたのに。

ウィーンでは、お手伝いさんのレージをやり込めるしっかり者のロッテ。

レージ役の小林英恵さんが素晴らしい！

もともとコメディセンスが優れている方ですが、ここまで表情だけで笑わせるのはオラフの経験が生きてますよね。

客席からもちびっこの高らかな笑い声。

私も思わず吹き出してしまうほど面白い、コメディエンヌ英恵さん。

鈴木涼太さんパパの天然な芸術家の風情があまりにもしっくり。

加えてダンディで素敵が過ぎます。

森川温子さんママも美貌とキャリアウーマンの闊達さを兼ね備え、ぴったりとはまっています。

松元恵美さんイレーネのとことんな美しさったら！

わかってはいましたけど、本当に綺麗で目が点、釘付けに。

1幕ラストの「ゴースト&レディ」デオンのごときラスボス感は圧巻。

過去には「みんな私が現れるといなくなるのね」の台詞の説得力が物凄い、最強の圧を持つ恒川愛さんイレーネがいましたが、愛さんとはまた違った、凍えるような冷たさをまとった恵美さんイレーネ、大好きです。

真紅のドレスがお似合い、脚もガンガン上がります。

恵美さん、全然歳とらない。

2暮の見どころのひとつは、ロッテの友人で「ふん！」のアンニーとルイーゼの闘い。

ここはファミリーミュージカルらしくて大好きなシークエンスです。

アンニー役の矢尾胡春さん、四季初舞台だと思いますが、とてもやんちゃで可愛いアンニーでした。

そして、夢の中でロッテを脅すイレーネ軍団。

このシークエンスの、激しいダンスも見ごたえたっぷりです。

計画がばれて、ルイーゼがルイーゼとして、ママに抱きつくところいつも心で号泣。

パパの苦悩と、ママの愛情の再確認、交錯する思いが見事に描かれたクライマックス、パルフィー邸の庭の対角線上の構図に毎度痺れます。

ラストは予定調和ともいえますが、こうあってほしいと願ってしまう大団円。

離婚の理由が「若さゆえのすれ違い」、パパの恋人のフェイドアウトなど、消化不良な部分もありますが、そこは潔くばっさりと。

現代ならちょっと違った結末になりそうな気もしますね。

「目の前の現実を切り開いて、幸せへの道をまっしぐらに進む」

ロッテとルイーゼの強い意志が成し遂げた結末、ファンタジーのようでもありますが、愛すべき爽快な物語。

この幸せなクライマックスからのエンディング、カテコへの流れが素晴らしいのです。

今回のキャストの瑞々しさ、世界観はそのままに、また生まれ変わった感のある「ふたりのロッテ」、

男性キャストがたったの3人というのも四季の作品には珍しく、ゆえにペーター先生役他を演じるキャストにはいつも注目してしまいます。

ダンスの名手櫻木数馬さん、こんなにたっぷり台詞を聞くのは初めてかもしれません。

各場面で確実に真摯に役をこなしていました。

森川さんの美しい歌声があまり聴けなかったが残念ですね。

カテコでは、今日デビューのキャストのうちのお二人が涙涙の笑顔で、こちらも胸いっぱいに。

アナザーキャストの皆様も早く拝見したいです。

2024.7.21マチネ「ふたりのロッテ」東京公演初日、フレッシュなキャストに乾杯！