識字率ゼロの衝撃

識字率ゼロの衝撃

文科系オピニオンリーダーたちの法文リテラシーとテロリズム
~特定秘密保護法第12条第2項第1号に規定する「テロリズム」の解釈を巡って

Amebaでブログを始めよう!
思いのほか多くの方にブログをご覧いただいているようで、驚きました。

ところで、いまだ誤読している方が大勢います。
それだけ文科系オピニオンリーダーたちの責任が重いということです。

もっとも、下記サイトをご覧いただければ、すべてご納得いただけるかも知れません。
どなたが作成されたサイトかは存じませんが、とても適切に解説されていると思いました。


特定秘密保護法案12条2項1号における「テロリズム」の定義の読み方
http://anond.hatelabo.jp/20131202003513


すでに多くのサイトで法令用語の使用ルールが紹介されていますが、この件については、後日私自身も改めて詳述しようと思います。


ところで、「そもそも法文を読み書きするときのルールって、誰がどう決めたの?」という素朴な疑問を抱く方もあろうかと思います。

確かに今回問題になったような「又は」「若しくは」の使用法が、どこかの法律に定められているわけではありません。そもそも法文は公用語である日本語で書くように、という法律があるわけでもありません。たぶん。


そこで、私自身は、「内閣法制局の法文がルールブック」だと考えています。

私が法文解釈をする際は、内閣法制局が精査した、極力最新の法律の、多くで採用された表現をルールと考えてきました。

衆議院法制局や、参議院法制局ではなく、あくまで内閣法制局です。

また、立法技術といえど、日進月歩とまでは言わないまでも、進化し続けているものと考えられます。

たとえば罰則規定で、刑罰を科せられる行為を掲げる場合に、以前は「次の各号の一に」という表現を用いていましたが、最近は「次の各号のいずれかに」という表現を用いています。

両者は同義ですが、法令の表現方法も進化してるのです。

恐らく法案の管轄省庁ごとに表現方法の若干の差異があって、内閣法制局も明らかな間違いでない限り、容認してきたのではないかと妄想しています。




噂話を追記(H25.12.10)


私は理系人間ですが、15年以上前に法政大学法学部教授の五十嵐敬喜氏がどこかに寄稿された記事を読み、内閣法制局の官僚がいかに優秀なのかと驚いた記憶があります。

(おぼろげな記憶のため定かではありませんし、まことしやかな噂の域を出ないかも知れませんが。)


記憶によれば、内閣法制局はキャリア官僚を独自採用せず、各省庁からの出向者で構成されるようです。彼らは国家一種合格者である以前に司法試験合格者でもあり、各省庁には5本指に入るような成績で入省した者のなかから、さらに選りすぐられた精鋭たちなんだそうです。ですので、官僚集団としては、財務省や外務省の一群よりも、頭よさそうだなぁと思った記憶があります。


ちなみに内閣法制局の職務の一部を、ホームページから抜粋。


内閣法制局における審査は、主管省庁で立案した原案に対して、
  ・憲法や他の現行の法制との関係、立法内容の法的妥当性、
  ・立案の意図が、法文の上に正確に表現されているか、
  ・条文の表現及び配列等の構成は適当であるか、
  ・用字・用語について誤りはないか
というような点について、法律的、立法技術的にあらゆる角度から検討します。


いまでこそ法令も全て電子化され、我々素人ですら法令データシステム(http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi )が活用できますが、電子化以前の法制局職員がどんな神業で他の法制との整合性を図っていたのか、想像すらつきません。

そんな彼らが国論を二分するような特定秘密保護法案のテロリストの定義をないがしろにするでしょうか。

これが年度末ギリギリに公布・施行される地方税法の一部を改正する法律の附則だとかいうなら話は別ですが。。。

法令コンプライアンス、情報リテラシー・・・
こんな言葉が踊る21世紀において、テロリズムに揺れる識字率ゼロの国家が存在します。
わが国、日本です。




【テロリズム】

政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう。(特定秘密保護法第12条第2項第1号)




特定秘密保護法に規定する「テロリズム」の解釈を巡って、わが国の文科系オピニオンリーダーたちが喧々諤々とやっています。


他人に「真実を説明し、納得してもらう」という行いが、いかに難しいものであるかを、再認識させられました。




まず、絶対的な正しい「答え」を先に申し上げれば、「テロリズム」とは以下に示す4つの活動をいいます。




① 政治上その他の主義主張に基づき、国家又は他人にこれを強要する目的で、人を殺傷するための活動


② 政治上その他の主義主張に基づき、国家又は他人にこれを強要する目的で、重要な施設その他の物を破壊するための活動


③ 政治上その他の主義主張に基づき、社会に不安又は恐怖を与える目的で、人を殺傷するための活動


④ 政治上その他の主義主張に基づき、社会に不安又は恐怖を与える目的で、重要な施設その他の物を破壊するための活動






つまり「殺傷」や「破壊」するための活動がテロリズムに該当し、「強要」すること自体はテロではありません。



このことは、「どちらにも読める」とか「文意から解釈すれば」というレベルの問題ではありません。「強要」をテロと読むことは法文の文法上間違っているのです。内閣法制局も最高裁も「強要」をテロと解釈することは100%あり得ません。

その意味で、磯崎陽輔参院議員の主張は正しいです。


この正しい読み方ができている文科系オピニオンリーダーとして、池田信夫氏が挙げられます。


ただし、氏もこの条文をきちんと文理解釈していた、というよりは、当初は論理解釈していたきらいがあります。




一方、誤った読み方をしている文科系オピニオンリーダーには、内田樹氏、青木理氏、江川紹子氏、郷原信郎氏のほか、毎日新聞の社説や一部の弁護士らがいます。彼らは「強要」自体がテロであると主張していたり、そのように読むことも出来ると主張したりしています。




ではどうして彼らは誤読をし、それでもなお、自らの間違いを間違いと気づかないのでしょうか?




これには、ふたつの理由があると考えられます。




ひとつは、「そもそも法案反対派」に、認知の歪みがあることです。


つまり、池田氏のような「そもそも法案賛成派」の意見は、すべて自説を補強するための強弁に過ぎないはずなどと、当初から疑いの目を持ち、公正でニュートラルな視点から物事を見る機会を自ら放棄してしまっていたこと。


また、「私の信頼する弁護士がそう言っていたから」などと言うように、中途半端な権威に依拠し、無意識のうちに自ら真実に挑む意思を捨ててしまっていたこと。




もうひとつは、(実はこちらの方が大問題なのですが、)そもそも文化系オピニオンリーダーたちのなかには、法文を読解する能力がないにも関わらず、自らに能力がないことすら自覚できずにいる者たちが存在する、ということです。


私はこの驚きを、このブログの標題としました。


すなわち、法文リテラシーともいうべき、法文の識字率が0% の文科系オピニオンリーダーたちの存在です。




至極当然のことですが、法文の記述に用いられるさまざまな用法用語は、ストイックなまでに限定的で、ロジカルです。コンピュータでいうプログラミング言語のようなものです。
この「言語」の用法を知らなければ、法文を読むことも書くこともできません。
法文には「、」(ポツと読みます。)ひとつにさえ、さまざまなルールがあり、これを解説するだけで半日はかかりそうな分量です。



そしてこれまた当然のことですが、わが国の憲法、法律、政令、条例、規則、およそあらゆる法令は、この厳格なルールに基づき記述されています。
北海道から沖縄まで、どんなに小さな村の条例や規則も、このルールに則って記述されています。村の法制執務担当者は、この法則に沿って疑義のない条文を作成しているのです。
民間で取り交わされる契約書ですら、このルールに準じて記述されるわけですから、このルールを知らずして、社会人として生きてゆくことは不可能です。
なぜなら、契約書一枚で簡単に詐欺被害に遭ってしまうことになりかねません。
もちろん、このたび誤読した毎日新聞の、定期購読契約書も、当然このルールに従って記述されているはずなのです。



では毎日新聞の記者は、この当然のルールである「又は」「若しくは」「及び」「並びに」「かつ」「その他」「その他の」「、」「。」の用法を知らずに、憲法を語り、法律を語り、安全保障条約を語ってきたというのでしょうか?

それとも世論を誘導するため、敢えて意図的に当該法案の誤読を犯してみせたのでしょうか?

■ 池田信夫

池田信夫blogより

「強要」はテロリズムなのか 

2013年12月04日09:09

引用元:http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51880257.html

以下引用


つまらないことだが、日弁連が国会で公言したので訂正しておく。

参議院の参考人質疑で、日弁連の江藤洋一参考人 は、秘密保護法のテロリズムの定義が「自分の意見を人に強要することが目的ではなく、それ自体がテロリズムというふうに読める」という。これは江川紹子さんと私が議論した話で、Togetter にもまとめられている。

秘密保護法のテロリズムの定義は「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動」(第12条)である。

これを日弁連は「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動」と読んで「強要もテロになる」と騒いでいる。

しかし常識で考えて、単なる強要がテロになることはありえない。これは「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動」と読むのが正しい。

これについては「法案原案を作ったことのある一役人ですが、池田氏のいうことが正しいです。並列の意味で「A又はB又はC」などという条文はありえません。「A、B又はC」というのが法文的には正しい」というコメントが来た。これは
初心者向けのサイト でも説明されている。

つまり日弁連のいうように読むためには「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動」と書いて「又は」は入れないのだ。

他の同様のサイトを見ても、答は同じである。司法試験でこんな答案を書いたら0点だろう。江藤氏は司法試験を受け直したほうがいいのではないか。法案反対運動の人々は、この初歩的な間違いをあちこちで拡散しているようだが、彼らの知的水準はこんなものだ。

以上引用終わり


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■ 緒方林太郎氏
BLOGOSより
「テロリズムの定義」
2013年12月04日 09:00
引用元:http://blogos.com/article/75130/

以下引用

第12条で「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動」をテロリズムとしています。この表現、実は初出ではなくて、自衛隊法の警備出動の規定にも用いられています(ただし、そこではテロリズムとは書いていない。)。

この読み方がちょっと問題になっています。結構、多くの新聞社説や」国会議員が、(1) 政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要すること、(2) 社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷すること、(3) 重要な施設その他の物を破壊することの3つがテロリズムの定義と読むことが出来、(1)は過剰ではないか、正にデモ行為をテロリズムと指定する危険な行為ではないかと指摘しています。

残念ながら、この読み方は法令の読み方としては正しくありません。仮に「(1) or (2) or (3)」を法令用語で表現したいのであれば、「(1)又は(2)又は(3)」ではなく、「(1)、(2)又は(3)」と表記するのが正しいのです。そうすると、ここでは(2)の前にある「又は」が余計なのです。したがって、そういう読み方を採用することは出来ません。


(中略)


社説を書く新聞の論説委員クラスや国会議員であれば、お役所にちょっと確認すれば、すぐに納得してもらえるはずの話です。そもそも、厳格に法律を作っていく内閣法制局が論理的に多義的に読める法律を許容するはずもありません。逆に政権側はきちんと論理を尽くして説明すれば、この手の話はすぐに終わると思うんですけどね。


以上引用終わり





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至極当然のことを、ここまで懇切丁寧に説明しなければ理解が得られないほど、日本の弁護士、文科系オピニオンリーダーたちの法文リテラシーは低いのかと、驚かされました。
もちろん池田氏らの語る「テロリズム」の定義が正しい文理解釈です。

■ 内田樹氏

BLOGOS記事「石破発言について」

引用元:http://blogos.com/article/74887/


以下引用


「テロリズム(政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう)」(第12条)

森担当相は国会答弁でこの条文の解釈について、最初の「又は」は「かつ」という意味であり、「政治上」から「殺傷し」までを一つ続きで読むという珍妙な答弁を行った。

しかし、この条文の日本語は、誰が読んでも、「強要」と「殺傷」と「破壊」という三つの行為が「テロリズム」に認定されているという以外に解釈のしようがない。


以上引用終わり




■ 毎日新聞社説 秘密保護法案 参院審議を問う テロの定義

毎日新聞 2013年11月29日 02時31分(最終更新 12月06日 18時31分)

引用元:http://mainichi.jp/opinion/news/20131129k0000m070123000c.html


以下引用


法案は12条でテロを定義した。全文を紹介する。

 「政治上その他の主義主張に基づき、国家若(も)しくは他人にこれを強要し、又(また)は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう」だ。

 

 二つの「又は」で分けられた文章を分解すると、「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要」「社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷」「重要な施設その他の物を破壊するための活動」の三つがテロに当たると読める。衆院国家安全保障特別委員会で、民主党議員が指摘し、最初の主義主張の強要をテロとすることは拡大解釈だと疑問を投げかけた。

 これに対する森雅子特定秘密保護法案担当相の答弁は、「目的が二つ挙げてある」というものだった。つまり、「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し」「又は社会に不安若しくは恐怖を与える」がともに「目的で」にかかるというのだ。

 ならば、そう分かるように条文を書き改めるべきだ。法律は、条文が全てだ。読み方によって解釈が分かれる余地を残せば、恣意(しい)的な運用を招く。だが、委員会では、それ以上の追及はなかった。


以上引用終わり




■ 郷原信郎氏


① 郷原信郎 ‏@nobuogohara 12月3日 twitter


以下引用


このままでは、明らかに3つは並列です。「目的で」と「人を殺傷し」の間に「、」が入っていれば。「強要」と「社会に不安若しくは恐怖を与える」が並列のようにも読めます。


以上引用終わり


② 郷原信郎が斬る

「特定秘密保護法 刑事司法は濫用を抑制する機能を果たせるのか」

投稿日 2013年12月5日

引用元:http://nobuogohara.wordpress.com/2013/12/05/


以下引用


特に、自民党の石破幹事長の「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質において変わらない」というブログでの発言も相まって、特定秘密の範囲に関する「テロリズム」の定義が大きな問題となっている。

この点に関しては、法案における「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう」という定義が、「強要」、「殺傷」、「破壊」を同列に並べているように読めることも問題とされている(「与える目的で」と「人を殺傷」の間に読点「、」が入っていれば、このような誤解を受けることはなかったと思われ、細かい点ではあるが法案の文言上の欠陥と言えよう)。


以上引用終わり



■ 日弁連 江藤洋一参考人

テレ朝ニュース

秘密保護法案参考人質疑で「意見強要がテロ?」(12/03 23:57)

引用元:http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000017298.html

以下引用


特定秘密保護法案を審議している参議院の特別委員会は、参考人を招いて質疑を行い、日弁連の代表は「自分の意見を強要すること自体がテロリズムと読める」と法案の欠陥を指摘しました。

日弁連・江藤洋一参考人:「単なる自分の意見を人に強要することが目的ではなく、それ自体がテロリズムというふうに読めるような文章構造になってる。そうではないと森大臣は答弁をされておりますが、文章そのものを見ると、句読点のつけ方を見ると、文字通りそのように読める」
江藤参考人は、「法案は重大な欠陥があり、廃案にすべきだ」と訴えました。


以上引用終わり


■ 青木理氏

「朝まで生テレビ」

平成25年11月29日:激論!特定秘密保護法案の意義と懸念 での発言



など。

他にも見かけられましたら、ご教示ください。

BLOGOS内田樹氏著「石破発言について」の意見フォームに投稿した記事を掲載します。

まずは氏の掲載記事の抜粋を引用します。


以下引用


「テロリズム(政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう)」(第12条)

森担当相は国会答弁でこの条文の解釈について、最初の「又は」は「かつ」という意味であり、「政治上」から「殺傷し」までを一つ続きで読むという珍妙な答弁を行った。

しかし、この条文の日本語は、誰が読んでも、「強要」と「殺傷」と「破壊」という三つの行為が「テロリズム」に認定されているという以外に解釈のしようがない。


以上引用終わり


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■01 佐々木不条理(12月01日 21:25)


この記事によりますと、内田氏も森担当相も、条文の正しい解読ができていないと思われます。

この条文は、「又は」をたすき掛けに活用し、「A又はBの目的で、C又はDする行為」をテロリズムと定義しています。

つまり、主義主張を強要したり(A)、不安や恐怖を与える(B)という目的のために、
人を殺傷したり(C)、物を破壊する(D)という活動をすること、がテロリズムです。

Aという目的でCする活動
Aという目的でDする活動
Bという目的でCする活動
Bという目的でDする活動

これらがテロリズムです。

内田氏の発言は、AとCとDを同列に並べ、これらの活動をテロリズムと解釈していますが、法文の構成上そうは読めません。
なぜなら、もしもAとBとCを同列に扱うなら、「A又はB又はC」という表現は誤りで、
「A、B又はC」という言い回しをしなければならないからです。
内閣法制局に確認したわけではありませんが、これは法文を書いたり、読み解く上でのルール、お作法のようなものです。
契約書を記す場合にもこのルールに則っているはずです。

私もさきほど誤読して誤った投稿をしてしまいましたので、ここに詳述しました。
もっとも私は専門家ではありませんので、法制執務担当者のご意見を拝聴したいものです。

〉「テロリズム(政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう)」

〉森担当相は国会答弁でこの条文の解釈について、最初の「又は」は「かつ」という意味であり、「政治上」から「殺傷し」までを一つ続きで読むという珍妙な答弁を行った。

〉しかし、この条文の日本語は、誰が読んでも、「強要」と「殺傷」と「破壊」という三つの行為が「テロリズム」に認定されているという以外に解釈のしようがない。


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これについて、以下のような反論がありました。


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■02 A氏(12月01日 21:56)


>この条文は、「又は」をたすき掛けに活用し、「A又はBの目的で、C又はDする行為」をテロリズムと定義しています。

いや、違いますね。

仮にあなたの解釈通りの文章とするならば、少なくとも、
「~社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、~」
の「目的で」の後に「、」を入れる必要があります。

それがないということは、

政治上その他の主義主張に基づき、
(A)国家若しくは他人にこれを強要 又は
(B)社会に不安若しくは恐怖を与える目的で
 (a)人を殺傷 又は (b)重要な施設その他の物を破壊

としか解釈できない条文と思います(つまり筆者の解釈通り)。

まあ、いずれにせよ、悪文ですね。


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■03 B氏(12月01日 23:33)


特定秘密保護法(案)が国民の自由を制限するものであれば、
佐々木不条理さんのように狭く解釈するほうが、いいのでしょうけれども・・・

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A氏の意見に対し、以下の反論をしました。


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■04 佐々木不条理(12月01日 23:46)


返信をありがとうございます。

「目的で」のあとに「、」を挿入すべきとのご意見には賛同します。
しかしながら貴殿のご主張を正当化させるためには、(a)と(b)の間の接続詞が「若しくは」でなければ成立しません。
いわゆる「小若し」「大若し」といわれる用法です。
「(a)又は(b)」という用法では、条文としての文法が誤っていることになり、文意がとれません。

つまり貴殿のおっしゃる文意どおりに法制化するなら、以下のようになります。

政治上その他の主義主張に基づき、
(A)国家若しくは他人にこれを強要 又は
(B)社会に不安若しくは恐怖を与える目的で
 (a)人を殺傷 「若しくは」 (b)重要な施設その他の物を破壊



ところで、「目的で」のあとに「、」を挿入しなかった場合、必ずしも文法的に誤りとまでは言えないのではないでしょうか。

適切な例ではないかも知れませんが、一例として次のような条文を挙げます。

■ 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの

「財団で」のあとに「、」がないからといって、
(法人でない社団)又は(財団で代表者)又は(管理人)と読解する方はいないでしょう。
もちろん文法的にも「A又はB又はC」という用法は誤りです。
ここは、いわゆる「たすき掛けの又は」を活用している事例です。

社団で代表者の定めがあるもの
社団で管理人の定めがあるもの
財団で代表者の定めがあるもの
財団で管理人の定めがあるもの


以上、私の私見でした。

もっとも、件の条文が悪文であるという貴殿のご主張には、大いに賛同します。


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「目的で」のあとに「、」を挿入すべきとのご意見には、このブログの別コラムにて説明を加えます。

次に、B氏に対しても以下のように応えました。


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■05 佐々木不条理(12月02日 03:06)


Bさん


私は文意から「解釈」によってテロリズムの範囲を限定的に捉えているのではありません。
あくまでも文法的に解読しているに過ぎず、その読み方はおおよそ一本道です。

きっと内田氏は、法令上の「又は」「若しくは」「、」の使い方に不慣れなのだと思います。
これらの用語はストイックなまでに限定的で、ロジカルです。

「じゃんけんでは、グー又はチョキ又はパーを出すことができる。」

上記の文章は日本語としては文法的に正しいものの、法令上の用語としては誤りです。
同様の趣旨を法例文に書き改めるなら、以下のようになります。

「じゃんけんでは、グー、チョキ又はパーを出すことができる。」



「A又はBの目的でC又はD」
という条文は、文法上、(A)、(Bの目的でC)、(D)と三者同列に扱うことはできません。
必ず、(Aの目的でC)、(Aの目的でD)、(Bの目的でC)、(Bの目的でD)が同列となります。
もし最初の文意を法文にしたいのなら、こう書かねばなりません。
「A、Bの目的でC又はD」


契約書などで騙されないためにも、こうした法令用語は文意に頼らず、極力文法に沿って厳格に読み解くべきだと思います。


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これに対し、ご理解いただける方からの返信もいただきました。


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■06 C氏(12月02日 10:17)


佐々木不条理 氏の条文の読み方に賛成します。
勉強になりました。
しかし、反論している方の読み方もできない訳ではなく、
憲法9条のように全く反対の意味に解釈できる法律文章は採用すべきではないですね。

大事な定義なら、可能ならば、ビジネス文章のように、短文で箇条書きに訂正してくれれば良いし、少なくとも、反対政党も、いつまでも、治安維持法の再来的騒ぎを止めて、書き直し要求をするべきですね。


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■07 B氏(12月02日 16:01)


佐々木不条理さん

本条文が文理上一義的に決まることをお示しくださり、深謝いたします。

毎日新聞に、森雅子特定秘密保護法案担当相の答弁に関して
「たすき掛けの又は」で本条文を説明していると思われる記事が
掲載されていましたので、ご参考までに引用しておきます。

引用元http://mainichi.jp/opinion/news/20131129k0000m070123000c.html

以下、引用

森雅子特定秘密保護法案担当相の答弁は、
「目的が二つ挙げてある」というものだった。
つまり、「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し」
「又は社会に不安若しくは恐怖を与える」がともに「目的で」にかかるというのだ。

以上、引用終わり

これで、「強要」が「テロリズム」に認定されたり、
「強要」のみで警護出動(自衛隊法81条の2)がなされるということは、
文理上なくなりました。

しかし、それだけで(敢えて誤解したまま?の)マスコミ等の懸念を
払拭することはできそうにないのが、この国でありますが・・・


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■08 佐々木不条理(12月02日 19:56)


Bさん


引用元の記事をお示しくださり、たいへんありがとうございます。
毎日新聞記者の素養に、驚きを隠せません。


>分かるように条文を書き改めるべきだ。
>法律は、条文が全てだ。
>読み方によって解釈が分かれる余地を残せば、恣意(しい)的な運用を招く。


そうです。法律は条文が全てです。
読み方によって解釈が分かれる余地を残せば、恣意的な運用を招きます。
だからこそ、テロリズムの定義は、解釈の余地のないよう一義的に記されたのです。
恐らくこの定義は、裁判所、検察庁、弁護士会、誰がどう読んでも森担当相の説明が唯一無二のものです。


誤解を恐れずザックリ言えば、
原則としてone sentenceの条文に「又は」は一度しか使えません。
もし複数回の「又は」が出現した場合、そこはいわゆる「たすき掛けの又は」として「読まなければならない」のです。


このことは、わが国の憲法、法律、政令、条例、規則およそあらゆる法令における当然のルールです。
北海道から沖縄まで、どんなに小さな村の条例も、このルールに則って記述されています。
村の法制執務担当者は、この法則に沿って疑義のない条文を作成しているのです。
毎日新聞の定期購読契約書も、当然このルールに従って記されているはずです。

記者は、この当然のルールである「又は」「若しくは」「及び」「並びに」「かつ」「その他」「その他の」「、」「。」の用法を知らずに、憲法を語り、法律を語り、安全保障条約を語ってきたのでしょうか?


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また、Bさんからはこの他にも以下のようなご意見も頂戴していました。


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■11 B氏(12月01日 22:04)


佐々木不条理さん

内田氏は法文の文字の意味を文法的に解釈すると、
「強要」と「殺傷」と「破壊」という三つの行為が「テロリズム」に
認定されていると解釈できる、と言いたかったのだと思います。

しかし、誰が読んでもそのように解釈するかといえば、
それは違うと思います。

したがて、貴方のようにこう読むべきだという、
法文の目的(趣旨)にかなった解釈をする作業が必要になるわけで、
そこで、単なる「強要」を「テロリズム」に認定するか否かが問われることになるでしょう。

でも、単なる「強要」を「テロリズム」に認定するか否かが
ハッキリとわかるような表現ができるのに、
本条文はなんだか曖昧にしているなぁと私には思えるのです。


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■12 佐々木不条理(12月02日 00:18)


Bさん


>内田氏は法文の文字の意味を文法的に解釈すると、
>「強要」と「殺傷」と「破壊」という三つの行為が「テロリズム」に
>認定されていると解釈できる、と言いたかったのだと思います。


>貴方のようにこう読むべきだという、
>法文の目的(趣旨)にかなった解釈をする作業が必要になるわけで、

まったく逆です。
法文の文字の意味を文法的に解釈すると、
後段に投稿しましたように、私の読み方が正しくなります。
内田氏の読解法は、法令の文法的に、誤りと言えるでしょう。


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引用元:http://blogos.com/article/74887/forum/

いずれまとめてネットにアップしようと思うネタを、ひとまず収集・蓄積しておくために開設したサイトです。系統だった記事を書くためのものではありません。


たまたま開いたネット記事を目の当たりにして、とある文科系オピニオンリーダーの法文リテラシー(法律の文言を読み書きする能力)のレベルの低さに衝撃を受けました。そのうち、これは氏一人の問題ではなく、新聞記者や、その他多くの日本人が抱える大問題なのかも知れないと思うようになりました。

私は理科系人間ですが、文科系大学では、法規文の読み方や、契約書の書き方などは教えないのでしょうか?なぜ大学の教授が、新聞記者が、国会議員が、法律の文書を読めないのでしょうか?まったくもって不思議です。




追記
10年近く前でしょうか、モトケンさん(矢部善朗弁護士)のブログにて、同じような法令用語のルールに関する議論を、他の弁護士さんとさせていただいたことがあります。当時私はsesuというハンドルネームで書込みを行いましたが、多くの弁護士さんが法文を読解できないことに気づきました。
一般の弁護士先生はともかく(それでも問題でしょうが)、ネットやメディアを通じて広く社会に影響を及ぼすオピニオンリーダーたちが法令用語・用法の過ちを流布することは、由々しき問題だと思うのです。