旅立つ君へ | 色映みほ 幸せな人生をクリエイトするための決断サポートメッセージ

旅立つ君へ

毎年私の年賀状には、その年の自分を予感しつつ記すメッセージがあるのですが、今年の年賀状に書いたメッセージは「軽やかに旅立てる1年になりますように!」。

奇しくも「旅」を象徴するいて座には土星が滞在し、さらに火星も接近しながら、旅人の心にアクセルとブレーキを踏ませながら心のバランスをはかり、そのいて座で5月、6月と2回も満月をもたらすという天空の星の配置。それを知って考えたメッセージではなかったのだけど。

このメッセージは、今年私が、慣れ親しんだ石神井から離れて、気学的に引っ越しと同等の顕現をもたらす仮吉方を取るために、別の土地で3ヶ月暮らすことを決意したことを示すつもりが、この5月から6月にかけて、私のまわりのさまざまな人が「旅立って」いこうとしています。

旅が「未知なる世界」を広い意味で表しているのだとすれば、ある人は、ご主人との関係や自分の人生を見つめ直すために、3ヶ月にもわたり、ヨーロッパの遠い国で巡礼の旅をする決意をしたり、ある人は、友達以上恋人未満の彼と、何らかの結論を出すためにセドナに旅立つことにしたり、ある人は、思いもよらぬ病名を医師から告げられ、生まれて初めて大きな手術をするために入院したり、ある人は、子供を授かったことをきっかけに結婚の決意をして、結婚生活と子育てという未知の船出をすることになり、それぞれの旅立ちを決意していたのです。

そして、地球に大接近している火星が、逆行しながらさそり座に戻った5月30日に、さそり座の父が天国に旅立っていきました。大宇宙が、小宇宙である人間に与える影響というものをまたも思い知らされました。5月なかばから容態が思わしくなく入院していたので、近いうちにそういうこともあるかもしれないなと、家族の心の覚悟ができていたこと、89歳という大往生であること、脳梗塞以来、好きだった仕事も趣味もできなくなり、会話も食べる事も思うようにできなくなっていた父の、「生きる意味」はなんなのだろうかと切ない気持ちになっていたこと、それらがあいまって、家族は悲しみや無念さよりは、これで父が楽になれる、自由になれるという安堵感のほうが強かったです。

二黒土星でさそり座という、思いを内に秘めて明かさないような質をもつ父が、どんな思いで仕事をしてきたか、どんな風に家族を守ろうとしてきたか、人生で何が楽しくて、何がくやしかったのか、彼自身の言葉で聞いたことはなかったように思います。ただひたすら、自分がやるべきことを粛々とやりながら、煮詰まった思いは、いくつかの趣味を楽しむことで発散してきた、そんな印象です。家族であっても、よほど本心を吐露しあう関係でない限りは、真の思いを知ることは難しかったのかもしれません。最後の瞬間に、「これで楽になれる」と思ったのか、それでもまだ「もっと生きていたかった」と思ったのか、今では知る由もありません。

私は「死」がすべての終わりだとは思っていなくて、肉体という足かせを解かれて魂が天に戻ると思っています。肉体を持ちながら人を助ける、愛する、見守ることはわかりやすいかもしれませんが、それは肉体を持たなくなってもできると思っていて。肉体を持っていない相手でも、こちらがその存在に心を開けば、いつでも「つながり」を感じることはできる。だから、寂しくはないんです。

ただ、私の人生において、きっとこれを果たして見せるねと父と約束したことを、それは2つあるんですが、私がまだ果たしていなくて。だから、私はまだ死ねないんだと思うのだけど(笑)。父が亡くなるまでにその「形」を見せられなかったことは少し悔やまれるのだけど、きっと天から、進捗状況を見守っていてくれているはずだから、私は私の道を、私の旅を続けて行くだけなんだなと。

父のお通夜は、これまた図ったわけではないのだけど、6月9日、6と9で陰陽の統合、魂の日とされる特別な日に執り行われることになり。この日は、魂のつながりがある人と交流を深めるとよい日とされ、あるいは偶然この日に会う約束をしていた人は、魂レベルで深い関係がある相手だともされていて。だからこの日にいらして下さる方はきっと、父やうちの家族と特別なご縁で結ばれている方たちなんだろうなと。そんな日に葬儀をしたくても、うまく合わせて逝ける人なんていないから、気学の先生からも「この日にご縁のある方が集まってくださるなんて、お父様はたくさんの患者さんを助けて、よほど徳の高い方だったのでしょうね」と感動されました。

私の「新生活」への旅立ちはもう少し先にはなりますが、今まさに旅立とうとしている人たちに、その旅が素晴らしく実りのある旅になりますように、心からのエールを送りたいと思います。
そして、5月初めまでめちゃくちゃ忙しかった家族がようやくゆったりと、自由な時間を取り戻したタイミングを待ってから亡くなった父の、最後の家族への思いやりを感じつつ、6月9日、魂の日には、集まってくださるご縁の深い方たちと、特別な時間を過ごせたらと思っています!