離婚と戸籍(2)~離婚の際の戸籍 | 弁護士近藤士起のブログ

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今回は前回の「離婚と戸籍(1)~戸籍とは」に続いて2回目です。


子どもが生まれた場合の戸籍

前回、平成10年1月1日にブログ子と結婚したA山ブログ夫の戸籍の例を挙げました。
この2人に平成20年1月1日に子ども(長男:弁太郎)が生まれた場合、戸籍は以下のようになります。

戸籍の例(2)


前回のブログ夫とブログ子のみだった場合に比べて、弁太郎に関する記載として赤枠部分が追加されています。


離婚する場合の戸籍

このブログ夫とブログ子が平成25年1月1日に離婚した場合、ブログ夫の戸籍は以下のようになります。

戸籍の例(3)


身分事項に離婚の記載がされるほか、生年月日の右側にあった【配偶者区分】が消えています。
ブログ子に関する部分には四角囲みで「除籍」と記載されています。

離婚経験があることを「バツ1」などと呼ぶことがありますが、これは戸籍がコンピュータ化される前の手書きの時代に、離婚した人の名前にバツ印をつけて除籍を示していた時代の名残です。

今の戸籍ではバツ印はつかず、このように除籍と表示されます

また、子の弁太郎については離婚の際に親権を定めることになるので、身分事項に親権が追加されています。


復籍とは

前回、結婚の際、名字を改めなかった者が自動的に戸籍の筆頭者になると説明しました。
戸籍の筆頭者(例ではブログ夫)は離婚の際、戸籍に変動はなく、そのままの戸籍に残ります。

一方、名字を改めた配偶者は原則として、結婚前の戸籍に戻ります。
これを復籍といいます。
なお、結婚前の戸籍に戻らず、新しい戸籍を作ることもできます。
次回で説明しますが、名字を改めた配偶者が子どもを自分の戸籍に入れたいと思う場合、新しい戸籍を必ず作ることになります。


子どもの戸籍

勘違いしている人が多いですが、何も手続をしないと、親権をどちらが取るかに関わらず、子どもは元の戸籍に残ります
上記例では、ブログ夫、ブログ子のどちらが弁太郎の親権をとっても、弁太郎はブログ夫の戸籍に残ります。

親権を取れば自動的に子の戸籍も移動すると勘違いしている人が多いのでご注意ください。

では、上記の例で、ブログ子が弁太郎の親権を取り、戸籍も自分の戸籍に移したいと思った場合はどうしたらよいでしょうか。

次回、離婚と戸籍(3)に続きます。


なお、結婚の際に妻の名字を引き続き使っている場合は、上記例でブログ夫とブログ子を逆に読み替えてください。
つまり、離婚に際し、ブログ夫が元の親の戸籍に戻るか新しい戸籍を作ることになり、親権がどちらにあるかに関わらず、弁太郎はブログ子の戸籍に残ります。

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