「SWITCH 2011年05月号 3.11 あなたは、その時」
“、それぞれの記録
3.11 あなたは、その時、何をしていましたか?”
スガ シカオ「3月13日 ただ、今「歌うこと」だけはやめようと思う。いま歌ってしまったら、それがおれのボランティアの免罪符になってしまう気がする。」
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スガ シカオ
自分の身の回りで起きるニュースで言葉の重みがどんどん変わっていく。
「ナイフ」という言葉を使ったとしても、今まで別にそのままの言葉で皆の心の中にスッと入っていったものが、ある事件をきっかけにナイフって言葉が違う意味を持って来たりしましたよね。
そうすると「リンゴ・ジュース」という曲でナイフって言葉を使っただけで発売中止になっちゃったりするぐらい、言葉の意味が変わっていっちゃう。
震災以降も、同じ言葉でも意味が変わってしまった気がする。
「希望、勇気、つながり、愛、未来・・・・」漠然とあいまいに、ポジティブな意味で使うことのできた言葉たち。
でも、今は、その距離と重さに意味が生まれてしまった。
「希望」なんて、もう昔みたいにはひょいひょい使えない。
言葉に敏感なアーティスト達は、もうそこを無視できない。
時代背景がソングライティングに与える影響は非常に大きいと思います。
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スガシカオ
「復興支援をするにあたって、ミュージシャンであることに胡座をかきたくなかった。
歌を歌うよりも、まず現実的に、人間として出来る事を忘れないようにしたかったんですよ。
で、最後に歌を歌えるなら、歌えばいい。まず、自分でそう決めて動きました。」
2011年9月号サークルKサンクスフリーペーパー「カルワザクラブ」より
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すぐ歌うことを選んで行動に出た人もいた。
すぐこの日のことを歌にした人もいた。
自分の歌をプロテストソングとして歌った人もいた。
どの選択が正しいなんて事はなく、なんとかしたいと思う気持ちはみんな同じだったのです。