最先端の曲 | スガ シカオという生き方 ~history of his way~

スガ シカオという生き方 ~history of his way~

1997年デビュー、2011年フリーランスとなった音楽侍スガシカオさんの記録。
本名:菅 止戈男。戈(ほこ)を止める=争いを止めることが「武」の本義であるという孔子の著から取られた名前に込められた思い、それに恥じない生き方の足跡。

あまい果実/キティ

¥1,100 Amazon.co.jp
1999.08.18 発売
・あまい果実
・夏祭り
・あまい果実(Backing Track

「Clover」「FAMILY」「SWEET」という傑作ばかりの3枚のアルバムの一番最後に出来た曲。

“夜空ノムコウ”や“黄金の月”みたいな曲を書いて欲しいというプレッシャーの中で、全部を打開できる強い作品を!との思いが結実したのがこの曲である。

「やっぱり“第二の”なんてのを作ってたんじゃアカンやろ!!」

そんな日々の思いの中で出来上がった秘密兵器が「あまい果実」という曲だったんですね。

超最先端の、当時のファンキーなものとR&Bなものを混ぜ合わせた、「こいつはプリンスなんじゃねーか?本当はプリンスが作ったんじゃないか?」みたいなね? それぐらいの新しさを持っていたと思うんですよ、自分では。

で、日本の音楽シーンはホントにこの曲の前後でねぇ、変わってしまうんじゃないかっていうぐらい、もう自画自賛的なレベルで言えばですね「あまい果実」のレベルはすごい高い!

でね、発売日の前の日に僕は布団の中でね?

あしたから音楽シーンがかわるぞっ みたいな感じでねぇ。武者震いで眠れませんでしたよ」

 で、発売日!! ね!? 来ました!!

 なんっっっにも変わりませんでしたね!! ビッッックリするくらい売れませんでした!!(笑) 


「あまい果実」はあまりにも先端を行き過ぎているので出すのが早すぎるだろうし理解してくれる人がいないだろうって、シングルにするの大反対されたんですよ。

「今回だけは俺のワガママをきいてくれ!」って言ってみんなを説得して出したら。もう、惨敗?(笑)

評論家やライターには「これが売れなかったら日本の音楽業界で働くつもりないなんて書いていた人も何人もいた。」


この1曲だけでスガシカオがいかに才能溢れるミュージシャンか分かる1曲である。
初期のスガシカオ密室ファンクの集大成といえる間違いない名曲である。

のちにこの曲を聴いた細野晴臣氏が「早く世に出しすぎた曲」と絶賛。まさに最先端の曲であったのです。