スガシカオさんが村上春樹ファンなのは有名な所ですが、そのほか雑誌などで名前を出されたことがある作家さんたち。
高橋源一郎
愛読書だと話されていたのが高橋源一郎「ジョンレノン対火星人」
言葉、革命、セックスを描く高橋源一郎の独自な世界観。
同じく愛読書だと話されていたのが大江健三郎「見るまえに跳べ」や雑誌で紹介されていた大江健三郎「芽むしり仔撃ち」
また安部公房「砂の女」
影響を受けた文学作家として、名前を挙げている鮎川信夫
「鮎川信夫さんはこんなこと言うとぶっ倒されると思うんですけど、決して、歴代の有名な詩人から比べると、決して才能豊かな詩人じゃないと思ってるんです。だけど、そこからにじみ出る強さとか、自分の心を鍛え上げて書いた詩、というのが凄く心を打つんです。」(NHKソングライターズにて)
スガ「坂口安吾の“恋愛論”って読んだ事ある?今まで聞いた愛にまつわる話の中で一番しっくりくる表現だった気がするの。わからんものはわからんし、何でも当てあはまっちゃうようなものは正体がわからないし、たぶんわからないまま死んでいくんだろう。わからないから人間が生きている意味があるんであって、それが分かってしまったら明日死んでしまうかもしれない・・みたいなね。なるほどな・・わかんなくていいんだってそういう意味で共感したんだよね。」
(音楽と人2003年12月号)
坂口安吾の“恋愛論”は 10ページほどの短編。
「恋愛とはいかなるものか、私はよく知らない。そのいかなるものであるかを、一生の文学に探し続けているようなものなのだから。」
「日本語の多様性は雰囲気でありすぎ、したがって、日本人の心情訓練をも雰囲気的にしている。われわれの多用な言葉はこれをあやつるにきわめて自在豊饒な心情的沃野を感じさせてたのもしい限りのようだが、実はわれわれはそのおかげて、わかったようなわからぬような、万事雰囲気ですまして卒業したような気持ちになっているだけの、原始詩人の言論の自由に恵まれすぎて、原始さながらのコトダマのさきわう国に、文化の借り衣装をしているようなものだ。」
「その解答を私にだせといっても、無理だ。私は知らない。私自身が、私自身だけの解答を探しつづけているにすぎないのだから。」
シカオさんが既読かどうかはわかりませんが、スガシカオさんもよくおっしゃられています。「嫌な事とかいっぱいあるけれど、とにかく生きていくしかないんだってこと」は、坂口安吾さんの「堕落論」に収録されている、「不良少年とキリスト」にも非常に通じる部分があると思います。
「人間は生きることが、全部である。死ねば、なくなる。名声だの、芸術は長し、バカバカしい。私はユーレイはキライだよ。死んでも、生きるなんて、そんなユーレイはキライだよ。
生きることだけが、大事であるということ。たったこれだけのことが、わかっていない。本当は、わかるとか、わからんとかいう問題じゃない。生きるか、死ぬか、二つしかありゃせぬ。おまけに、死ぬ方は、ただなくなるだけで、何もないだけのことじゃないか。
生きてみせ、戦いぬいてみなければならぬ。いつでも死ねる。そんなつまらんことをやるな。いつでもできることをやるもんじゃないよ。」