スガシカオ
「今までの日本の曲は、だいたい表に強い言葉をのせるので音が単調になっていたのを、ファンクの特徴である裏打ちのところに、強い言葉を持ってくることで、独特な雰囲気、グルーブ感が出せるんです。
だから必ず曲が先です。
今までのJポップとかがあてて来た、母音のあて方、強音のあて方が僕は全然違うんです。
「黄金の月」とかでも顕著に現れるんですけど、4ビートがあると、1、と2、の間の裏拍に、一番強い言葉を持ってくるんです。
そうすると、音楽ってその裏拍でスイング感が決まるんです。
どれぐらい跳ねてるか、どれぐらいグルーブ感で音楽が揺れてるか、というのがそこで決定して行くんです。
1、2、3、4、で決定するんじゃ無く、
1、タン(手拍子)、2、タン、3、タン、4、タン、ここ(手拍子)で決定するんですよ。
そこに一番強い言葉をボーンとあてることで、言葉の中にその音楽が持っているグルーブ感が発生する。
裏が明確になる。それを凄い意識して作ってます。
従来の曲はワンツースリーフォーで、一番強い一番強い一番強い一番強い、っていうのが日本の曲の殆どですけど、そのウラ、ウラを取るような、作り方を意識してやっています。 」
黄金の月 オーケストラversion
カタカナを使う理由
「注意して見てもらえれば、カタカナを使っている部分は全部『におい消し』です。
漢字やひらがなだと、言葉の裏にあるものを連想してしまう。
漢字だと、重く捉われたりする。
その反面、カタカナだと抽象化しやすい軽いイメージがあるので、いわゆる、表意文字の持つ意
味合いを消したいとき使います。
カタカナの歌詞はそういう意図が必ず含まれています。」