ツアーファイナル完全レポ(写真付) その2 | スガ シカオ オフィシャルブログ コノユビトマレ Powered by Ameba

ツアーファイナル完全レポ(写真付) その2


おつです。


月曜日、朝から大雨でやんなっちゃうね。


仕事も授業も、やってらんねー。


・・・・とは思いつつも、がんばっていきましょう。




さて、ブログのほうは、昨日アップしたレポの続きでございます。

すごい反響だね。


おれ的には今回、はじめてフリーMCとツアー中の曲順変更をやめて


ちゃんとストーリーが伝わるように、セットリストを作ったんだ。


たとえばサヨナラホームランや約束、ガリレオなどがどうゆう背景から生まれてきたかを、言葉じゃなくストーリーで伝えたかったんだよね。


ではでは、続きいてみよう!!





Suga Shikao

Hitori Sugar Tour 2012

vol.40


2012.3.2 19:00Start

@東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGE


(その2)


そのあとのMCで昨年秋に事務所を辞めた理由の一部を。


自分の知らないところで音さえつくればオートメーションでCDができて、宣伝をしてくれて売られていくこと、ライブにしても会場のブッキングからチケット販売、ステージセッティングまですべてまわりが環境を整えてくれて、自分はただ行って歌えばよかったこと・・・でもそれを繰り返していたら、歌うことまでもがオートメーション化されそうで怖かったこと。



なぜ歌うのか、どうしてステージに立つのかと自分に問うたときの答えが、少しずつブレていくような気がしていたこと。





また、音楽業界が衰退し、全体的に守りに入っている風潮があるけれど、なにかをつくる、制作する立場の人間が保守でいてはいけない、


保守になるなんてロックでもファンクでもないし、そうはなりたくない、


でもそんなワガママを一人で言っていてもまわりに迷惑かけるだけだから

事務所を辞めることにしたこと。





そうやって一人になって消えていったアーティストはいっぱいいる、自分は今まさに崖っぷちに立っているけれど、崖っぷちじゃなきゃうまれないものがあると思う・・・いつか自信作ができたらメジャーに

戻ってくるつもりでいるからそのときは後押ししてほしい。



そんなことをまっすぐ前を向いたまま、熱く語ってくれた。




そしてクライマックスは『フォノスコープ』から。

続く『Thank You』ではiPadを使ってノイジーなアレンジに挑戦したり、最後の『午後のパレード』ではオーディエンスをコーラスに巻き込んで、とても一人きりのライブとは思えない盛り上がりと一体感を演出。


大合唱と大きな拍手、たくさんの笑顔のなか本編が終了。



アンコールは『バクダンジュース』からスタート。


他の会場ではiPadアプリ「ラップムシ」をお客さんに操作してもらって間奏で、ラップを挟んでいたらしいが、この日は日本が誇るラッパーMummy-Dが登場。


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なのに、マイクも握らせず、声も出させず、ラップムシのボタンを押させるだけという、なんとも贅沢な起用方法。


どうしてもそちらに気がいってしまったが、『バクダンジュース』の歌自体、色気が漂い秀逸だった。



間髪あけずに『世界が終わる5秒前』。結構暗い内容の歌詞なのに音がハッキリと刻むからか、気分よく聴けてしまう。



本編が終わって振り切ってしまったような、少しだけ気楽に臨んでいるようにみえたアンコールの最後は『愛について』で、しっとりと聴かせてくれた。





鳴り止まない拍手に応えてのWアンコールは「ヒットチャートをかけぬけろ」。

この曲でデビューしたときにこういう15年後を本人も誰も想像していなかったと思う。

歌い終わったあと天を仰いだ姿に、やりきった感がヒシヒシと伝わってきた。

そして爽やかすぎる笑顔で大きく手を振り、ステージを去っていった。



歌詞が飛ぼうが、ギターのコードがズレようが、フットスイッチを踏み間違えようが、焦ることなく淡々と修正し、何事もなかったように堂々と前を向き歌い続ける。



失礼ながら、以前では見られなかった姿だと思う。


声とアコースティックギターと自分の足元でコントロールできる限りの機材とiPadだけという制約のなかで最大限の音と歌、そして想いを届けてくれた。


ライブって音楽だけじゃない、人間そのものの生き様が伝わるものだと感じた。



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15年間、大手事務所所属アーティストという立場で積み上げてきた「過去」と、本当にヒトリになって、どうなるかは良くも悪くも未知数である「この先」とを繋ぐ「今」のスガシカオの決意を強く見せつけられたライブだった。



今日はお客さんの大多数が元ファンクラブ会員といっていたけれど、この新しいスタートの姿はこれまでのファンにも強く焼きついたと思う。



応援し続けているファンだって今回の突然の独立は不安だっただろうし、それ以上に本人が一番不安なはずなのに、そんなことを感じさせない勢いがあった。


それは決して虚勢ではなく、ある意味大きな荷物をおろしたことで得られた「なにか」と、一方で自分で決めて新たに背負った「なにか」が融合してうまれたものだと思う。





正直なところ、この歳でこのキャリアがあれば、どんな理由にせよ新しいことをしていこう、殻を破っていこうと思うことはあっても、実際に行動に移すのは別問題であり、簡単にできることではない。


このアグレシッブなあくなき挑戦者を今後も見続けたいと心から思った。



そしてこちらも、スガシカオほど背負うものはないが、自分のなかでの譲れないことがなにかを考えさせられ、もっと身近なことでも誠実に向き合っていかなくては、と背筋が伸びた夜となった。



Set List

1.19

2.FUNKAHOLiC

3.Party People

4.黄金の月

5.ガリレオの数式

6.ファスナー

7.サヨナラホームラン

8.夜空ノムコウ

9.月とナイフ

10.Progress

11.約束

12.アオゾラペダル

13.黒いシミ

14.コーヒー

15.フォノスコープ

16.Thank You

17.午後のパレード


E1.バクダンジュース

E2.世界が終わる5秒前

E3.愛について


WE1.ヒットチャートをかけぬけろ



Text by さくら