半年くらい前、次男に聞いたことがないような症状が出ました。
小学校から帰ってきたときに、本人が
『今日授業中に目が変になって保健室にいった』と報告がありました。
『教科書の文字が大きくなったり小さくなったりした』
『保健室で熱はかって、熱なくて、ちょっとだけ休んでまた教室にもどった』
とのこと。最初に聞いたときは私は『???』といった感じ。給食も食べられて、おやつも食べて機嫌もよくてどうみても元気という感じ。本人も今はなんともないというので、習い事の野球教室に送りました。
息子たちが話すことって、今までも最初はこちらがよくわからなくても、あとでそういうことだったのかぁとわかることが多くて、素直で本当のことばかりなので、今回も本当にそう見えたんだろうなと思いました。
心配だったので野球教室に送ってすぐ車の中で症状を検索したら、一番上に『不思議の国のアリス症候群』と出てきました。クリニックのホームページで紹介されていました。
不思議の国のアリス症候群とは
- 視覚に異常がないにもかかわらず、ものの大小が現実と異なって見えることを主症状に、色覚や時間感覚に異常をきたすなどさまざまな症状が現れる
- 知覚された外界のものの大きさや自分の体の大きさが通常とは異なって感じられることを主症状とし、様々な主観的なイメージの変容を引き起こす症候群である。 この症候群の名前は、ルイス・キャロルの児童文学『不思議の国のアリス』で薬を飲んだアリスが大きくなったり小さくなったりするエピソードに因んで、1955年にイギリスの精神科医トッドにより名付けられた
- 典型的な症状は、眼に障害がなく外界が通常と同じように見えていると考えられるにもかかわらず、一方では主観的にそれらが通常よりも極めて小さな、または大きなものになったように感じられたり、ずっと遠く、あるいは近くにあるように感じられたりする。症状には様々なバリエーションがある
- 小児の場合は一時的な場合もあるが、てんかんや脳疾患がないか診断が必要
- EBウイルスの感染で引き起こされた中枢神経系の炎症で起こることが多いとされている。EBウイルスには子どもの頃に感染する人が多く、子どもの頃にこの不思議な体験をした人が多いといわれている。EBウイルスの主な症状は無症状、発熱、のどの痛み、リンパの腫れなど一般的な風邪の症状と似ている。
症状がでた後の息子の様子
元気そうでしたが、次の日から1日3~4回、約1週間ほど文字や音符が大きくなって見えるという症状がみられました。
・音読の宿題で教科書を読むとき
・ゲームの画面をみているとき
・パソコン操作をしているとき
・ピアノの楽譜をみるとき
視覚をつかった作業のときに訴えがありました。最初の数日は聴覚も過敏になる様子もありました。10~20分刺激を減らしてゆっくりしていると落ち着き、その後は何事もなかったかのように元気になりました。日にちが経つにつれて出現する頻度は少なくなっていきました。
検査と診察
小児科の神経系が専門の先生の診察の予約を取りました。症状が出てから10日後の診察でした。診察を受ける頃は症状が出る頻度は減ってきていて、診察の1~2日前には症状が1日に1回もでていなかったように記憶しています。
事前に症状を伝えてあったため、当日にMRIと脳波をとりました。歯科矯正をしているため、MRIの画像が不明瞭となってしまうそうです。矯正歯科医と小児科の先生方の判断で矯正装置をつけたままでも確認したい場所はみれそうだと説明があり、矯正装置ははずさずに撮影することになりました。動かないでじっとしていておりこうさんだったねと先生にたくさん褒めてもらっていました。
脳波もとりました。できれば眠ってくれるといいんだけどと言われました。眠れないときは鎮静剤も使うことがあるようです。息子は比較的寝付きがいいので、給食のあとに早退して検査を受けたというタイミングもよかったのか、しっかり寝ました。
検査の結果は、MRIは異常なし。脳波は1ヵ所てんかん様?の気になる波形がみられたが、現状はなんともわからない。小児で一時的にこのような症状(不思議の国のアリス症候群)が出ることはまあまあある。症状がつづくようなら、再検査、てんかんの薬の服用を試すことも検討していくとのお話でした。
現在の様子
その後は約半年間、
1度も症状は出ていません。
再検査もしていません。
症状が出る前の様子
不思議の国のアリス症候群に関係があるかわかりませんが記録しておきます。
字や音符が大きくなったり小さくなったり見える症状が出る10日ほど前に体調を崩し、胃腸炎のような嘔吐を何度か繰り返す症状が2日ほどみられました。のどの痛みや発熱、リンパの腫れはなく、前述したEBウイルスとは症状は違っています。体調不良の数日あとに夜間寝ぼけて泣く、耳を押さえてうるさがる、2階で寝ているのですが夜間に1階まで意味もなく降りていくといった場面がありました。朝に本人に確認してもまったく覚えていませんでした。泣く、うるさがるなどはもともと小さいときから夜間に目を覚ました時に、時々みられることがありました。動き出したのは初めてで心配でした。
症状が出るようになってから気にかけたこと
本人はパニックになることはありませんでした。観察してわかっていること( 文字が大きくみえたり小さくみえたりする症状が出てしまったら、刺激の少ない環境でしずかにしていると10~20分で症状はおさまる)を本人に伝え、心配ないよと話しました。担任の先生と保健室の先生と連携をとり、症状がでて辛いときは先生に伝えればわかってもらえること、保健室で休んで大丈夫なことを本人に確認しました。
ほとんど保健室を利用せず教室で過ごせていたようです。
聞いたことのない症状がでて心配でした。一症例の体験談として書かせていただきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。