太陽のような君と薔薇のトゲ 14 | 静かな夜に

太陽のような君と薔薇のトゲ 14

素人が書いた妄想小説です

嵐のにのあい  非リアル設定です

BLチョロッとだけ





血が欲しいなら俺のをあげると言っても
俺に迷惑はかけられないから…とニノは断った
……なのに松潤からは血を貰う……

……そんなに俺の事が嫌なのかと
思ってしまうけど、ふとした瞬間に
俺に笑いかけるニノを見ると
嫌われてはなさそうだし、
別に血をあげるのは吸血鬼同士じゃなくても
いいんでしょ?松潤は女の子から
貰ってるんだから…

じゃあ、松潤なら良くて俺が駄目な理由って

なに?

…と黒い気持ちが段々と腹の底で燻っていく…

…そんなある日、とうとう松潤が体調を崩して
学校を休んだ
いつもニノに血を分けてあげなきゃ
いけないからって体調には
凄く気を使ってたのに…
それだけ今年の暑さは尋常じゃなかった…

昼間松潤から
『俺が倒れる位の暑さだから、ニノも
相当シンドイと思う…
帰りニノを家まで送っていってくれない?』
とメールが入った
俺が松潤は大丈夫なのかを聞くと
『流石に今は外が暑すぎて出かけられないけど…
夜、幾らか涼しくなったら
血を貰いに出かけるから、俺は大丈夫…
それまでニノ頼むね…』と
返信がきた

確かにニノはいつもよりも、顔色悪いし
下校時もまだ暑さはキツイ
松潤にも頼まれているし…ということで
帰り一緒に帰るぞっと言いにいくと、
びっくりした顔をし、
すぐに悪いから良いよ…とニノの言葉が続く…

ねぇ、その遠慮…本当になんなの?
松潤にはこういう時、すぐに寄りかかるのに…

友達としても信用されてないみたいで
なんだかイライラしてきた
「もういいから、早く帰るよっ!」
ニノの腕をとり、立ち上がらせると
半ば強引に引っ張っていった


帰る途中、やっぱりニノは体調が悪そうで
俺が支えようとすると
「…ごめん…大丈夫だから…」と
また距離を取られた…

っもう…ホントその態度に心が痛いよ…
もう少し俺を頼ってよっ!
っと、言いそうになるのを必死に飲み込む

なんとかニノの家までたどり着くと
玄関先でもう大丈夫だから…とニノに言われ
その態度にもまた、モヤモヤが溜まるけど
家まで帰ってきたから、まぁ大丈夫だろうと
渋々ドアを閉める…
その瞬間、中でドサッと音がした…

「ニノっ!!!」
慌ててドアを開けるとまだカギはかかってて
おらず、そのおかげで家の中に入る事が出来た

ニノの呼吸は浅く、小刻みに震えていて
さっき腕を掴んだ時より
体温も高くなっている気がする…
これって本当に暑くて体調悪いってだけ?
風邪とか引いているんじゃないの?
どっちにしろ放っておけない…

倒れているニノを抱えて、部屋の中まで入る
小ざっぱりした部屋に大きなテレビと
その前にソファ…奥にはベットが見える
とりあえず、ゆっくり寝れるように
奥のベッドに進むとそこにニノを下ろした

「ニノ…大丈夫…?水とか…いる?
……それか…病院とか………?」
焦って色々聞いちゃったけど、ニノは
「…家……帰ってきた……し、少し……休めば…
大丈夫……きっと……夜……には潤くんが……」
返事はしてくれたけど、やっぱり辛そう…

それに…松潤が来るって行ってたけど
それはやっぱりニノに血を分けに来るの…?
今日自分が休む位シンドかったくせに…?
松潤が来るまで
あと何時間あると思ってんだよ…

「ニノ…やっぱり…俺の血…あげるから」
「大丈夫だってばっ!!」
俺の提案はすぐに却下され、
ニノは大丈夫と勢い良く起き上がったけど、
肩で息をするようになって、さっきより
もっとシンドそう…

……それなのに頑なに 
俺には甘えようとしないニノに…

…我慢の限界がきたみたい……


目に入ったペン立てに
カッターナイフを見つけ
自分の手のひらに刃を当てると…


躊躇なくソレを引いた…