太陽のような君と薔薇のトゲ 10 | 静かな夜に

太陽のような君と薔薇のトゲ 10

素人が書いた妄想小説です

嵐のにのあい  非リアル設定です

BLチョロッとだけ





「俺とニノは付き合ってないよ?」
「えっ?でも……」
松潤が言った嬉しい一言…
俺としてはそこをもっと詳しく
聞きたかったけど、
松潤が自分達吸血鬼についてと、
ニノと出会った時の事について話しだしたから、
今は大人しくその話を聞いて
実際に初めて会う吸血鬼という存在について
詳しく知ろうと思った…
勿論それはニノが吸血鬼だと知ったから

やっぱり好きな人のことは、
ちゃんと知っておきたいじゃないか…

松潤は
詳しく話してくれた

「……吸血鬼といっても物語とかと違って、
太陽の下にいても灰にはならないし、
食糧は人間の血だけじゃなく
普通の食べ物から栄養を摂る。
蝙蝠を従えることだって出来ないし、
空も飛べない……ニンニク十字架だって平気……
ちょっとやそっとの方法じゃ死なない…
まぁ、これは実際にやってみたことないから
わかんないけど……
でも、大怪我を負ったとしても
数日経てば回復する 
そして…
…寿命は……長い……飽きるほどに…
そんな長い長い毎日を繰り返す中で
ニノと…今から数十年前に出会ったんだ…」

ニノと松潤は街中で偶然会い、お互いが同族…
吸血鬼だとすぐに分かったらしい…

「普通は…と言っても今まで他の吸血鬼に
会ったことがないから何が普通か
分からないけど…
普通は一人で吸血鬼という事実を隠して
人間社会で暮らすものなのかもしれない……
それか、人里離れた山奥とかね……
だけど、長い寿命を生きて行く中で
仲間が入れば…少しは気が紛れると
おもったんだ……」

松潤は目を伏せると
ボソッと
「自分だけが、時間の流れから外れて
取り残されるように感じるのは…
そろそろ限界だったんだ…」
と呟いた…


「…潤くんはね…その頃色々あって
元気のなかった俺を励ます為に
ちょこちょこ目の前に
現れるようになったんだよ…」
ニノが松潤との思い出を語る
「あの時のニノは、本当にヤバかったっ!
生気がなくて、今よりもっと色白で…
そのまま消えてしまうんじゃないかと
思うぐらい……
だから、俺の血を分けてあげたんだ…」

そこまで聞いてアレッ?と思った
「…アレッ?血は要らないんじゃないの…?
さっき普通の食べ物から栄養を摂るって…」
普通の食べ物だけで生きられるなら、
この間の保健室で見たみたいに松潤の血を
ニノに分けるなんてこと
しなくていいんじゃないの?
「…うん…基本的にはそうなんだけど…
あまりにも大量出血するほどの怪我とか、
体調が悪い時とかは、
やっぱり血を口にするのが、
手っ取り早く回復するんだよ…
それに……定期的に血を口にしないと
駄目みたいで……毎回そういう時は……」
「…そういう時は…?」

ゾクゾクと背中に冷たいものが流れる
思わず昔見た吸血鬼の映画を
思い出してしまった
美女の首筋に、尖った2本の歯を突き立て…
そのまま生き血を吸う……
……そんな松潤をイメージしてしまう…


「……女の子の…首筋に…キスするフリをして…
噛みついて血を貰う…
それも、俺達が生きる為に必要な量だけだ…
これなら、ちょっと噛み癖があるだけだって
思われるだろ?」
「////っ松潤……エロ いね…」
思わず、そんな感想が出てしまった
うん…キスするフリをしながら噛みつく松潤…
あまりにも容易に想像が出来てしまう…
「あっ!もしかして二人がクラブに
通ってるのって、ソレが目的…?」
前にクラスメイトに聞いた噂を伝えてみると
「…程よくお酒も入ってるから…誘いやすい」
バツの悪そうに松潤が答える


あっ……
そうなると、ニノもなのかな…?
ニノも……女の子と……そんな雰囲気を作って…
血を………

やだっ!!
なんか、凄く嫌だっ!

ニノの目の前に首筋を晒し、迫ってくるニノを
期待を込めた瞳で待ち構える女の子…
そんな頭の中で勝手に想像してしまった子に
嫉妬してしまう……

「……それってさ…ニノも…なの?」
本当は聞きたくないのに、
気になって聞いてしまう
「ニノは、自分が本当の限界になるまで
ほとんど人の血を吸わないんだ…嫌なんだって…
だけど、生きていく為には
全く口にしないわけにはいかないから
……俺が女の子から吸ったあと…
血を分けてあげてるんだよ……」

だから、
ニノと付き合ってるわけじゃないんだよ…と
松潤は安心の一言を添えてくれた