俺が一番欲しいもの 2
大好きな人達のお名前をお借りしています
ほんのりBL的な表現もありますので、
苦手な方はご遠慮ください
少し前の5人のお話となります
にのあい風味です
「…あっ…そうだ……忘れてた…」
家に帰って鞄を開けたとき、
見慣れぬケースを見て、やっと思い出した
昼間ぱーやんに無理やり押し付けられた
嵐の恋愛シュミレーションゲームのソフト…
あのあと、直ぐにメイクに呼ばれたり、
打ち合わせしたりしていたから
すっかりその存在を忘れていた
まだ、パッケージすらなく、
ただケースに収まっているだけのそのソフト……
「…っていうかさ、イマドキゲームなんて
スマホのアプリか、TVにつなげる
Switc◯とかの方がやりやすいんじゃないの?」
そう思いながら、そのソフトを手に取る
ソフトは、いわゆる携帯型ゲーム機用…
少し前までは人気を博してたんだけど、
今はソフトのCMさえあまり見かけない…
俺だって、最近はスマホで手軽に
出来るゲームしかやってないしね…
家に帰れば、もっぱらオンラインゲームだし
でも、潤くんからゲームだったら俺だっと
後押しされているなら、
やらない訳にはいかない…
「ハード…何処にしまったっけ?」
テレビ台の下をあさり、目的の物を見つける
「まだ充電生きてるかな…?」
そう思いながらソフトをセットし、
電源を入れる…
ジジっと画面が鳴った後、耳慣れた音楽と共に
オープニングが始まる…
♪〜
「オープニングから『One Love』かぁ…
やっぱりこの曲は、恋人同士になった後の
エンディングに流した方が良いんじゃない…?」
意外と冷静に分析している自分がいた…
このジャンルのゲームは俺の守備範囲じゃない。
けどさ、世に出すなら
それなりにファンの子達に満足して
もらいたいからね…
画面が移り変わり
『誰と恋人同士になりたいか』の
選択画面が現れる
「…う〜ん…とりあえず
上から順にリーダーかな…?」
一番上に表示してあったリーダーを選択し、
その後にプレイヤーの名前などをいれる
諸々の設定画面…
誕生日を入れる所があるってことは、
これも立派なイベントとして
扱われるんだろうか……
そして、またしても画面が切り替わる…
背景は学校の教室…
えっ?これ…学園ものなの?
俺ら、もうとっくに学生時代なんて
遠い昔なんだけど…
そして、私服を着たリーダーが画面に現れた
学生服着てるんじゃないんだ…?
と、背景とのミスマッチさに違和感を覚える
まぁ、画像は今のリーダーの顔で学生服って
いうのもおかしいか…
コスプレみたいになっちゃうし……
う〜ん…なんだかチグハグな気がするな
ターゲットを絞るのが難しいのかな…?
有り難い事に、俺らのファンは幅広い…
それこそ、学生や社会人、
お子さんやご年配の方までいらっしゃる……
その中のどの層に向けてのゲームなのか、
コンセプトが定まってないみたい……
学園物もので学生向けなのか、
それとも社会人向けにオフィスものにするのか…
まずそこからの気がするな…
……なんて、真面目に改良点を探しながら
ゲームを進めていく…
ゲーム内容は、
よくある恋愛シュミレーション系
…っていっても俺はやったことないから、
あくまで想像だけど…
会話をして仲を深めていく途中で
突然台詞の選択肢が現れる…
リーダーならこう言って欲しいだろうなって
事を考えながら恋人になれるように親密さを
上げていく……
その選択肢も、今まで出演してきたテレビなり、
雑誌なりで紹介されているエピソードが
元になってるし、リーダーの性格などを
考えながら選択していくのはファンの人達も
楽しめるかもしれない
それに親密さが増すにつれ、アルバムと称して
オフショット的な画像が貰える…
こうやって画像すべてをコレクションするのも
ゲーム制としては良いかも…
そんなこんなで集中してゲームをしていると、
あっさりリーダー編をクリアしてしまった
まぁ、メンバーですしね…
あの人の行動も思考もわかりきってますから…
そりゃ、恋人同士となってゲームクリアですよ…
…端からみたら、何してんだ?って
絵面だけどね
画面が切り替わり、
またしても『誰と恋人になりたいか』の
選択画面
これ…リーダーで大体の流れはわかったから
他のメンバーのはやらなくていいよね?
っていうか、この画面が出てくるって事は
メンバー全員を恋人に出来るって
ことなのかな?
コンプリートすれば普通のゲームでいう
全面クリアってことなの?
色々な意味で凄いな……
…なんて画面を眺めていると妙な事に気づいた
「あれ…?俺の選択肢がない……」
一番最初に画面を開いた時、
選択画面には確かに5人並んでいたのに…
今そこに二宮和也という表示がない
今その画面には、リーダーの所は
黒い影になっていて選択出来ないように
なっている…
リーダーはクリアしたからって
ことだと思うけど…
でも、じゃあなんで俺の名前は選択肢自体が
無いの?
……
……
色々と考えた時、小さな仮説が浮かんだ