俺が一番欲しいもの  1 | 静かな夜に

俺が一番欲しいもの  1

大好きな人達のお名前をお借りしています

ほんのりBL的な表現もありますので、
苦手な方はご遠慮ください
少し前の5人のお話となります
にのあい風味です




また今年もこの時期がやってきた…

「そういえばもうすぐじゃないか?」
「今年はどうする?」
「なにか欲しいものは決まった?」
「『現金』っていうのは流石に駄目よ……」

なんて、4人が口々に言ってくれる
ここはいつもの5人でのレギュラー番組の楽屋
今はちょっとした空き時間…
話題は、数日後に迫った俺の誕生日…

「いや〜…思いつかないんだよね…
だってもう、大抵の物は頂いてるしね…」
そう…俺達は互いの誕生日にはプレゼントを
送り合う…ずっと昔からそう……
他のメンバーの誕生日となると、
何がいいか張り切るけど、自分の事となるとね…
そんなに物欲がある方でもないし……

「新しいゲームとかじゃないの?」
相葉さんが、くふふと笑いながら聞く…
いや、ゲームって……
中学生じゃないんだから…気になるのなら
自分で手に入れてますって……

「なにか、思いついたら言うよ…」
なんて面白味のない俺の返事に、
早めによろしくと言いながら
メンバーはそれぞれいつもの場所に座り、
スタッフに呼ばれるまで思い思いに過ごす……


「欲しいもの……ねぇ……
まぁ…本当に欲しいものなんて
絶対に手に入らないんですけどね……」
……なんて、自虐的に小さくつぶやく
勿論、誰にも聞こえないように……


絶対に手に入らない俺の欲しいものは
物理的なモノじゃなくて…
精神的なモノ…?
いや、突き詰めれば物理的なモノになるのか……

そう考えながら、数メートル先で
さっき俺が渡した漫画雑誌を読んでいる
相葉さんをこっそりみつめる

俺が欲しくて、欲しくてたまらないもの…
…でも絶対に手に入らないもの…
それは
『相葉さんの心』


もういつからだろう……
こんな風に思い始めたのは…
ジュニアの頃から一緒に仕事して、
遊びに行くのだっていつも一緒…
大事な友達、仕事仲間…
それが同じグループのメンバーとなっても
変わらなかったハズなのになぁ…

いつからただの友達、仕事仲間とは
見られなくなったんだろう……?
相葉さんが肺気胸で入院したときの
いつもの楽屋の風景が違って見えたから?
それとも俺が海外で映画の撮影をしにいった時
しばらく会えなかったから?
相葉さんの姿が見えなくて、淋しいと感じた
あの時に既にそうだったんだろうか…


……いずれにしても、もうだいぶ前から
持て余しているこの感情を
今更どうこうする術はなくて……

ただただ、せめてこの仲間という距離が
壊れないように、ひたすら隣にいられる事を
噛みしめる…

今では、そうだったんだ……


****

「二宮さん、
ちょっとお願いがあるんですけど…」

別の日、楽屋にまだ俺しか来ていない時に
マネージャーのぱーやんから声をかけられた
「今度のライブグッズの一案として、
ゲームソフトの開発をしていたんですけど…」
「はっ?グッズにゲームソフト?」
あまりにも聞いたことのない組み合わせに
首をかしげる…
するとぱーやんは、ゆっくりと
詳細を説明してくれた
「ずっと嵐のゲームソフトを発売しようと、
今まで開発してたんですけどね、
やっとソレが出来たんです。
今度のライブのグッズの一つとして
加えようとしているんですけど…」
へぇ……
なかなか無い斬新なアイデアなんじゃない?
っていうか今までこの事務所内で
ゲームソフトを売り出したグループなんて
あったかな?
うん…新しい試みってことで、良いとは
思うけど…

「…で?俺にお願いってなに?」
「二宮さんにこのゲームをやってもらって、
操作し難い所とか、不具合などないか
見てもらいたいんです…」
「……えっ?ちょっと待って…
そのゲー厶ってもしかしてさ……」
少し嫌な予感がして、ぱーやんに聞いてみれば
案の定、そのゲー厶は
恋愛シュミレーション系のゲームだという……

まぁ、その手のゲームに有りがちな
プレイヤーがメンバー相手に
日々のちょっとした会話や、イベントを
こなしながらを恋人になるのを目指すってヤツ…
「いやいやいや……いくら俺がゲーマーって
言ったって、そっち系のジャンルは
やったことないよ?」
知ってるだろ?俺がやるゲームなんて
パズドラか、オンラインゲーム…
ソレだって銃持ってゲーム内のフィールドを
駆け回るヤツだよ?
そう説明してるのに、ぱーやんは
「知ってますっ!でも松本さんがゲームの事
ならやっぱり二宮さんだって言ってるので…」
お願いしますよっ!なんて半ば強引に
ソフトを握らされたんだ……