おとす 3 | 静かな夜に

おとす 3

素人が書いた妄想小説です

嵐のにのあい  非リアル設定です

⚠️登場人物のキャラがパブリックなイメージと

だいぶ違います

読んだあと、「こんなの⚪⚪じゃないっ!」と

いう感想は受付ますが、苦情は受付ません…

読むのは自己責任でお願いします……





ある日、彼は朝から機嫌が悪かった
何回もパチンコ台を替えるも当たりは出ず、
その内にお金も尽きたのか、店から出ていって
しまった……

こんな風に大負けしてしまった日は、
大抵数日は店に来ない…
お金を調達するまで時間がかかっているのか、
それとも今度こそ、反省してパチンコを
止めようとしているのか……
……まぁ…前者だけど…
彼が…そんな全うな考えを持つはずがない…

ただ、数日会えないとなると寂しくなるよなぁ…と
タメ息をつきながら私服に着替える
今日は早番だから、この後駅前のCDショップに
予約していた物を取りにいこうと決めていた
いつの間にか降りだした雨に舌打ちしつつも、
置き傘を手に駅の方へ向かう

物を受けとった後、駅前で…
信じられない光景を見た

あの彼が駅前で1人佇んでいる
忌々しく空を見ながらそこに立っている
そんな彼を見つけた…

もしかして、誰かと待ち合わせとか…?
そう思い、数分そこで彼を観察してみるけど
誰も来そうな気配はない…
もしかして、急に雨が降ってきたから
雨宿りしているとか……?
…と思ったけど彼がそんな可愛らしい事を
するだろうか…
彼ならこんな日でもあの女の子を呼びつけ
傘を持ってこさせそうだ…
でも、そんな気配がないってことは…

もしかして…いま…チャンスなんじゃないの…?
自然に声をかけて、家に連れて帰れる
絶好のチャンス…
こんな機会を本当はずっと待ち望んでいた…

そう思い付いたらあとは実行あるのみ…
もたもたしている内に、横から誰かに
かっ拐われたんじゃたまったもんじゃない…
彼は…お金がありそうなら
誰にでもついていくんだから…

さぁ…早く……


彼に傘を差し出すと

「………なに?」
と警戒した顔で見上げられた…
あぁ、最初に会った日を思い出す
やっぱりキレイな顔…
…でも、よく行くパチンコ屋の店員だとは
覚えてないんだね……
…まぁ…好都合といえば好都合か…

「あっ、えっと…あの…傘…
無くて困ってるのかと思って……」
どう言ったら警戒心なく、ついてきてくれるだろう
ここが一番大事なところだ…
すると
「…そう…傘無くて困ってるんだ…
お兄さん……助けてくれるの……?」
と、彼が上目遣いでそんな台詞を言う
思わず心の中でガッツポーズをした
これで彼を…家に誘い込める…

でも、ここから慎重に…
下手に警戒心を持たれたら直ぐに走って
にげだしてしまうだろう
まだ外だしね…
確実に家まで連れて行くのには、
変だなと思われないよう…装わなくては……

あぁでも…今すぐにでも…

するといきなり俺の手の甲に彼が手を重ねてきた
疚しいことを考えていたため急に触れられて
ビクッとしてしまった…
本当は今すぐにでもその手を取って舐 め回したい
でも今はまだ……我慢……

…彼が一瞬下を向き黙り込んでしまった…
俺のヤバい思考が漏れてしまったんだろうか…
少し焦り
「…あの…?」
と声をかけてみる
すると、
「お兄さん、ホントにありがとう
……それで…優しいお兄さんの名前は…?」
はぁ…良かった…
警戒されたわけじゃなかった…
「まっ…まさきっ……相葉…雅紀…ですっ!」
これからの事を考えていたら、
少し名前をかんでしまったけど、
彼が笑ってくれたから…まぁいいか…

「俺はねっ…カズって呼んでねっ」

そういいながら、俺の腕に巻き付いてくる
これは…もう俺に対してほとんど警戒心はない…
と考えていいかな…

馴れ馴れしくし始めたってことは…
俺からもお金が取れると…
思ったってことだろうね…?
その証拠に
「…あのね…お腹…空いてるんだ…」
なんて、甘えてくる…
きっと最初はそんな甘い顔と仕草で誘惑して
自分から離れられないようにして…
相手が本気になりはじめたら
お金を…せびりはじめるんだろう……?


生憎、君の……カズくんの行動パターンは
わかるんだよ…

…ずっと見ていたしね……

俺も……カズくんを
欲しくて堪らなくて…
手にいれたくて色々と画策してるんだから……

あぁ…そういう所は少し似ているのかもね…


コンビニでお酒と食べ物を調達し
家に向かう
カズくんを部屋の中に通し、
後ろ手で玄関の鍵を閉める

やっとこの部屋にカズくんを
連れてくることが出来た


まったく…
こんなに上手くいくとは…
思わなかったよ……