おちる 1 | 静かな夜に

おちる 1

素人が書いた妄想小説です

嵐のにのあい  非リアル設定です

⚠️登場人物のキャラがパブリックなイメージと

だいぶ違います

読んだあと、「こんなの⚪⚪じゃないっ!」と

いう感想は受付ますが、苦情は受付ません…

読むのは自己責任でお願いします……






「ねぇっ!ちょっと待ってよっ!
昨日もお金渡したじゃないっ!!」
俺の腕を引っ張りながら女が言う…
「あれっぽっちの金じゃあ、
すぐ無くなるに決まってるだろっ!」
そう吐き捨てて、玄関から出ていき
乱暴に扉を閉める
 
「はぁ~もう……めんどくせぇ……」
そう呟きながら最後のタバコに火を点ける
肺の奥まで煙を吸い込み、ゆっくりと吐き出す…

あ~もうこの女の所も潮時かな…
前はちょっと甘い言葉囁いてキスの一つでも
してやればすぐ小遣いくれてたのに
最近やたらと口うるさくなってきた…
俺……めんどくさいの嫌いなんだよなぁ…

ポケットには、スマホと殆ど金の入ってない財布…
あとはライターと……タバコは…今無くなった…

……もう、この部屋に戻ることは……ない……


俺は駅に向かって歩き出した……




駅までくれば、ご飯でもおごってくれるような人が
見つかると思ったけど……
ほんと…今日はついてないわ……
昼間パチンコで すっからかんになったし…
さっきの女の家…すぐにまた戻るっていうのもなぁ…
ぜってぇまだ怒ってるから、エッ チして
なぁなぁにするって作戦もまだ使えない…
くっそ……

皆足早に俺の目の前を通り過ぎていく……
……急に降りだした雨のせいだ…
お陰で行き交う人は、
誰も俺と目を合わすことなく
駅へ…家路へと…急いでいく…

駅前のちょこっとした庇の下で濡れないように
身体を小さくする…


「…チッ…ホントに今日はついてない…」
後から後から降ってくる雨に舌打ちをする
腹も減ったし、今日寝る場所も
確保しなきゃならない…
まぁ最悪ネカフェかファミレス…
財布にいくら残ってた…?

財布を取りだそうとした時、目の前が暗くなり
一瞬雨の音が途切れたように感じた
目の前の影を見るとそこには俺に対して
傘を差し出すようにしている背の高いイケメン…
「………なに?」
「あっ、えっと…あの…傘…
無くて困ってるのかと思って……」
オドオドしながらしゃべるイケメン……

へぇ~どうやら、今日は最後までツイテなかった
わけじゃないみたいだ…
せっかく勇気を持って?声をかけてくれた
みたいだし…俺もお腹空いたし…
それにこのイケメンの顔…
だいぶ俺の好みだし…ラッキーだな…
ここはひとつ……お誘いにのってみるか…?
「…そう…傘無くて困ってるんだ…
お兄さん……助けてくれるの……?」
そう言いながら意識してニコッと首をかしげたら
そのお兄さんはホッとしたような顔をして
もっと傘を差し出してくれる

俺はその傘の中に入り、
傘の柄を持つお兄さんの手の甲に
自分の手を重ねる…
ビクッと分かりやすい反応に嬉しくなる…
こんなに素直に反応してくれるなら、
ご飯だけでなく、今夜の寝床もゲット?
もう少し上手く立ち回ったら
新しいサイフとしても手に入るだろうか…
思わずニヤついてしまう…

「…あの…?」
戸惑いながら声をかけてくるイケメンくんに
「お兄さん、ホントにありがとう
……それで…優しいお兄さんの名前は…?」
可愛らしく見えるように声をかけると
「まっ…まさきっ……相葉…雅紀…ですっ!」
と少しカミながら答えるのが可愛らしいよ…
ニコッと笑うその笑顔は
純粋で、疑う事を知らない、良い人そう…

だから…俺みたいなのにカモにされんだよ…
心の中でほくそ笑む…

「俺はねっ…カズって呼んでねっ」
相葉さんの手の甲に重ねていた手を
今度は腕に巻き付けより密着するようにする
相葉さんが照れたのを見てから
「…あのね…お腹…空いてるんだ…」
と言えば、コンビニ寄って家に行こうって…

まったく…
こんなに上手くいくとは…

とりあえず今日のご飯と寝床が手に入り
ホクホク気分で相葉さんについていった…