聖夜のキセキ 1 | 静かな夜に

聖夜のキセキ 1

素人が書いた妄想小説です

嵐のにのあい  非リアル設定です

BLチョロッとだけ




10月のハロウィンが終ると、少しずつ街は
赤、白、緑の賑やかな色で埋め尽くされる
まだ11月が残っているというのに、もう次の…
クリスマスというイベントに足早に向かっていく



今日は12月24日…
世間ではクリスマスイブ

「雅紀っ!クリスマスパーティーしようぜ!」
と俺の肩を組みながら、言ってくるクラスメイト
誰もがクリスマスの雰囲気に浮かれてる
「あっ!そうだっ!雅紀今日誕生日だよな?
ついでに誕生日パーティーもしよう!」
気がつくと、そこには数人の男子生徒が
集まってきていて、女子は呼ぶのか
どこで集まるか…やっぱりカラオケか…などと
話が進んでいく……

「あっ!あのさ……悪いんだけど…
俺…今日は無理なんだわ……」
皆で盛り上がってる時に
ホントはそんな事言いたくない……
それにせっかく俺の誕生日も祝ってくれるって
言う友達に悪いとは思うんだけど……

俺がそう言うと、皆一斉になんで?と
理由を聞いてくる
「なにか用事?後から参加でも全然良いよ?」
「雅紀が来るってなったら、女子の参加率も
上がるのに……」
途端にザワザワと煩くなる…
するとその内の一人が
「まさかお前……実は彼女とデート…とか
言わないよな?」
なんていうもんだから、その場にいた男子全員に
ヤイヤイ責められた

その中の一人に
「……彼女…出来たの…?」
なんて上目遣いに聞かれる

「違う違うっ!彼女なんていないよっ!
今日はさ……家の仕事…手伝わなくちゃいけなくて…」
慌てて否定すると、
俺の家が中華料理屋をしているのを
知っている皆が、
ホントかよっ!とか言いながら
しぶしぶ納得してくれた……

危ない危ない…危うく彼女がいるなんて
誤解を生む所だった
ちゃんといないって否定したの、
聞いてくれたよね?
俺…お前にだけは誤解されたくないからね……
ニノ……


ニノ……二宮和也……
高校に入ってから仲良くなった
クラスメイトの一人
でも本当は入学式に初めて会った時から
気になってた

最初の印象は色が白くて華奢で、
なんだか儚げな男の子…
でも、中身は全然違ってて結構毒舌だし、
面倒くさがりだし…
だけど誰か困っている人がいたら
手を差しのべたりする実は一番格好いい男子……
本当にちょっとしたことだから、そのフォローに
気づかない人は多い……

でも、俺はそんな優しいニノを知ってるよ…
だって、ずっとニノの事が気になってて
こっそり気付かれないように見てるから……

今はね、ただのクラスメイト……
きっとニノだって俺の事をそういう風にしか
思ってないだろう…
それでいいんだ……

だって俺がクラスメイト以上の特別な感情で
ニノの事を見てるなんて知ったら…
ニノは気持ち悪がるだろ…?
だから、俺はクラスメイトの内の一人…
ニノにとっての俺の立ち位置…
それでいいんだ……

でも…本当は…ニノが行くなら…
俺もクリスマスパーティー行きたかったけど……

でも…仕方がない……
今日は…家の……手伝いをしないと……



***
「ねぇ!じぃちゃん!やっぱり赤い服なんて
目立ちすぎじゃない?」
俺が今日の衣装に文句を言うと
「なに言ってんだっ!この格好なら最悪
見つかっても、イベントでサンタのコスプレ
してますって言い分けが出来るじゃろうがっ!!」
じいちゃんの言ってることもわかるけどさ…
その台詞……どうなのよ……

「ほらっ!さっさと被れっ!」
最後渡された赤い三角の帽子を被り、準備は終了
見事、サンタクロースの出来上がり

今日、駅前でこんなサンタのコスプレしてる人
山程見たけどね……

でも、そのコスプレしてる人達と
明らかに違うのは…
俺とじいちゃんがしているのはコスプレじゃなくて
正装……

そう…
じいちゃんは本物のサンタクロースだってことだ