sugar rush 13 | 静かな夜に

sugar rush 13

素人が書いた妄想小説です

嵐のにのあい  非リアル設定です

BLチョロッとだけ




あの変わった患者さん……
相葉さん…の治療が終わって約2週間…
不思議な事に、その間何回かふっとした時に
思い出したりしてたんだよね…
これは俺としては本当に珍しいこと

それだけ印象が強かったってことかな……
あんなに治療中、歯科医をガン見してくる人
なんていないもんね…
それと…あの人…
俺の瞳が綺麗なんて言ってたけどさ、
あの人自身の瞳も印象的なのよ…
笑うとくしゃって目尻にシワが寄って、
優しい表情になるの……

そんな事を片隅で考えながら、
今日もコントローラーを握る
俺の昔からの趣味…
流石に歯科医なんてやっていると、
学生の時のように毎日なんて無理だけど、
まぁ、ゲームをすることで、ストレス解消
してるのかな…
……そしていけないとわかっていても、
ついついゲームをしていると、時間を忘れて
いつもより夜更かししてしまう……
まぁ、週 に何回かだし、
寝坊しているわけでもないから大目に見て欲しい……

そして、ゲームで夜更かしした次の日は大抵
外にコーヒーを飲みにいく
家で淹れてもいいんだけど、なんとなく散歩も
かねて、夜更かしした頭をスッキリさせたいし

そしていつもの時間
オジサンがいるコーヒーショップへ
オジサンは元々患者さんだったんだけどね…
カルテ見て2つぐらいしか年が変わらないのに
やたらと落ち着いているから
俺が勝手に付けたあだ名    
それに、なんだか妙に馬が合うんだよね…


今日もいつものコーヒーを注文していると
オジサンが
「おっ!珍しい…今日はスーツだ…」
なんて誰かと話しているのをぼんやり聞いて、
へぇ、あのオジサンでもあんな砕けた
やりとりするほどの仲が良い人がいるんだ…
なんてこっそり感心してたら、いきなり名前を
呼ばれて、しかもその声の主があの相葉さんで、
ビックリした…
世の中って狭いんだなぁって実感しながら
注文したコーヒーを受け取り帰ろうとすると、
相葉さんに今度はがっちりと腕を捕まれた

これから朝ごはん食べるから付き合えって
かなり強引じゃない?
まぁでも、パクパクとサンドイッチが
無くなっていく様子は見ていて
気持ちが良いほどの食べっぷりだし
別に急ぐ用事もないしね……
診療時間はまだまだ先だし…

……なんて…
なんで俺…
この人のペースに巻き込まれてるのに
嫌な気持ちにならないのかな…って思いながら、
相葉さんが食べ終るまでぼぉっと外を眺めてた……


コーヒーショップから帰ったあと…
午前の診療がもうすぐ始まるって時に、
山田さんから
「あら?
今日は何か良いことでもあったんですか?」
なんて言われてさ……
思い当たることなんて、
今朝のことぐらいしかないし……
今までコーヒーを買ってきて家で飲んでいた時
よりも、今朝の方が美味しかったなぁ…
なんて思ったら、ついつい次の日も
コーヒーショップに行っちゃって……

ついでに、昨日の今日で相葉さんが来るかも
わからないのに、昨日と同じ席に座って
コーヒー飲んでたりしてさ……
そしたら、やっぱり相葉さんも来たから、
相葉さんの朝ごはんが終るまで隣で
コーヒー飲んで…

昨日と同じく別れようとしたら、
あの人いきなり大声で
明日も待ってるっ!なんて叫び出したのよ
道のど真ん中でよ?駅前よ?
朝の通勤途中の人たちが沢山いるのよ?
約束しないと、ずっと大声出すよって
どんな脅しよ…
貴方だってほらっ変な目で見られてるじゃない…
わかったわかったと、とりあえず返事をして
路地を曲がる……もう声は聞こえて来ない…

急に焦ったぁ…と目を閉じながら
今のやりとりを思い出す……

……っていうかあの人……
今、ニノって言った?