じゃなくて 24 | 静かな夜に

じゃなくて 24

素人が書いた妄想小説です

嵐のにのあい  非リアル設定です

BLチョロッとだけ




ドンドンドンッ!
「ニノっ!開けてっ!!」

外で叫んでいる人物に心臓が止まるかと思った
金曜日の夜…ほぼ深夜といっていい時間帯
これから、ゆっくりゲームでもしようと
思っていた矢先に、突然ドアを叩く音

思わずヒィッって声が出ちゃったよ
怖いよこんな時間に、ドアを叩かれるなんて…
でも、よく聞くとドアを叩く音に混じって
俺を呼ぶ声がする……
「……もしかして……相葉さん…?」
そっと…玄関に近づくとその叩いてる人物は
相葉さんで間違いない…

えっ、ちょっとなんで…?
今日はバイト結構遅い時間までだったハズ
まさか、家にくるなんて思ってなかった
全くの想定外……
それよりも、さっきからドアを叩く音…
かなりの近所迷惑だよね…
慌てて鍵をあける

「…ちょっと相葉さん…近所迷惑…」
そう言って顔を上げると、
久しぶりの相葉さん…
あぁ…本当は逢いたくて仕方がなかった…
自分から連絡を拒否してたのに、
随分と自分勝手なもんだ

「…あっ…えっと…とりあえず近所迷惑だから
その…ドア叩くの止めて……」
俺がそういうと、相葉さんは素直に謝り、
「…話があるんだ…中入っていい?」と
俺にお伺いを立てる
前はそんな事聞かずに、
ズカズカ入ってきてたじゃないか…
そのいつもと違う振る舞いに緊張する…
どうぞ…と招き入れれば、少し嬉しそうに笑う…
その表情に、いくら相葉さんと逢うのを
避けていたからって
好きがなくなったわけじゃないんだと自覚した…
しかももしかして、逢っていなかった分
『好き』が増しているのかも…なんて…


リビングに二人して来たけど、
相葉さんは何故か座らない  座れば?と
言おうとしたところで
「ニノ…この間の…海で……本当にごめんなさい」
と、ピシッと頭を下げながら謝ってきた
やっぱり、これを言いたかったんだよね…
相葉さんにとっては、キスをしようとしたから
未だに怒っているんだと……
でも、俺にとっては謝られば謝られるほど、
お前はキスをする対象じゃないと
再確認されているようでつらいんだよ…
それに、また元に戻って先輩の話を聞くのも
嫌だしね


あぁ、それから相葉さんに秘密にしてることがある
その先輩と割り切ったお付き合いをすると
約束をしたこと……
昨日は潤くんに止めてもらったけど、
俺が相葉さんの好きな人とそういう関係に
なろうとした事実は消えない……

それを考えるとやっぱり…
相葉さんと一緒にはいられないか…

「相葉さん…海での事は、もういいんだ…
気にしてない…だから…もう謝らないで…」
そういうと、顔を上げた相葉さんは
少し安心した表情になった
でもまたすぐに表情が曇ったんだ…
おかしいな…相葉さんが気にしてたのは
キスのことだったハズ…
なのになんでまだ暗い表情してんの?


「ニノ…あのさ……」
「……うん?なに?」
いつもは勢いでガッーと話す事の多い相葉さんが
珍しく緊張してる
いまさら改まってなにを話すんだろう…
「ニノっ!あのね……」
決心が固まったのか、俺を真っ直ぐに見ながら、
話を始める…でも、その内容が……

「……ニノの彼女を悪く言いたくないんだけど、
あの……彼女ね……二股…かけてる…
ニノも知ってるって言ってたけど……やっぱり…
それってさ……」
「はっ?」

いつにも増して意味がわからない
「相葉さん、なに言ってんの?
俺に彼女なんていないけど…」
どこをどうすればそんな話が出てくるのか…
ずっと相葉さんのことが好きな俺に
彼女なんているわけないだろ……
「えっ?、でも昨日腕組んで歩いてる所みたよ?」

その一言で、一気に背中に嫌な汗が流れる…
昨日って……もしかして…
どこから?相葉さんはどこから見ていて、
どこまでを知っているんだろう…?
「あっ…相 …葉さん…
…その…見たっていうのは…?」
俺の質問に、些か罰が悪そうに話し始める
「…昨日…松本くんと話をしようとしたんだけど、
なんか色々気後れして……思ったこと聞けなくて…
そのあと彼が電話でニノって言ったの耳にしてさ…
話の内容からこれからニノと会うのかなって
それで俺、松本くんについていけばニノに
会えると思って……」
……昨日潤くんと話をしたのは、
遅れていたバイト先にこれから行くと
電話をかけてきた時だ…
えっ…?あの時相葉さんいたの?
そのあとバイトに入った潤くんも
何も言ってなかったじゃんっ!

「それで、ついていったカフェでニノが
働いている所見てさ、
どうしても謝りたかったからバイト終わるまで
目の前のコンビニで待ってたの…そしたらさ…」

その後、一体相葉さんがなんて言うのか
気が気じゃなかった……
もしかして、ホテルに入ろうとしてた所まで
見られた?

「…そしたらさ…ニノの彼女……
あの先輩で……ビックリした……」

…バッチリあの女の顔も見られてる…
彼女じゃないんだけどな…
でも、それよりも
どうしよう……どこまで見た?
「……それでね、ビックリして立ち止まってる内に
二人が行っちゃったんだけど……」
……なんだ……ホテルの前までは見てなかったのね……
そこはセーフ……
いや、自分の好きな女と俺が一緒にいるのは
アウトか……
相葉さんは、次にどんなセリフを言ってくる…?

「…相葉さん…」
「でね、今日またあの先輩に会ったんだけど、
隣にスーツ着た男性がいてさ、先輩その人のこと、
彼氏だなんていうんだよ…それに……
仲良さそうに腕組むだけじゃなくて、
……えっと……これはあんまり言いたくない……」
勢いよく喋りだしたと思ったら、急にいい淀む…
なによ…?キスでもしてたの?
その今日会った男性が
あの女の年上の彼氏で間違いないと思うよ

間違いなのは、あの女と俺との関係の方なんだから

「先輩はね、ニノが彼氏いることも知ってるって
いうけどさ、なんかその…二股なんてさ…
ニノを大事にしてない感じが嫌で…
…だから、おせっかいなのはわかってるんだけど、
先輩とは別れた方が良いと思うっ!!」

相葉さんは今日一番の、とんでもないセリフを
大きな声で吐き出した