魔法使い達のスマホ 1 (シンデレラのスニーカーside story) | 静かな夜に

魔法使い達のスマホ 1 (シンデレラのスニーカーside story)

素人が書いた妄想小説です

嵐のにのあい  非リアル設定です

BLチョロッとだけ




(潤side)

「うんうん、ありがとう ねーちゃん…
また、こっちにいる間にご飯食べよう…
また連絡する…じゃ」
そう言って、スマホの通話ボタンを切る

やっぱり相葉さん、ここに来たんだな…
良かったよ、来てくれて…
これは、最後の賭けだったからね……

手元のスマホで、
今度はメッセージのやり取り画面を開く
相手は翔さん……
そこには…
『いま、雅紀が家から出ていった…
たぶんそっちにいくと思うよ……』の文字

その最後のメッセージを眺めながら、
画面をスクロールする…
こんなやり取りをし始めたのはいつからだっけ?
メッセージ画面と、過去の記憶を呼び起こす

あぁ、そうだ…
最初は翔さんとただの仕事上のやりとりしか
してなかった…
それが俺たちの間でいつしか、かずと相葉さん…
二人に関するメッセージが
増えていったんだ


翔さんは弟の相葉さんをとても大切にしていて
それは翔さんの話ぶりで凄く伝わってきた
毎回かずが家族の事を聞くと、嬉しそうに兄弟…
特に相葉さんの話をする……
凄い溺愛してるなぁ…と思っていたら
実は血が繋がっておらず、
半年前に暮らし始めたばかりだと知って驚いた……

それと同時にかずの変化にも気づいた…
だってあいつわかりやすいんだよ……
相葉さんの話が出るとあからさまに
瞳をキラキラさせてさ…

かずは昔から、人間関係について
良い思い出がない…
特に中学生の時に、親友だと思っていたヤツの
本音を聞いてしまったあの時から、
かずは心を閉ざしてしまった……
どんなに笑顔で話していても瞳の奥は笑ってない
俺は直ぐ側で、昔から見ているんだからわかるよ……

そんなかずが、相葉さんの話を聞く時だけは、
表情だけでなく、全身から嬉しいオーラが出ていて
わかりやすかった
もしかして、この相葉さんって人なら…
かずを変えることが出来るかもしれないって
密かに思ってたんだ…


御披露目パーティーの数日前
俺は翔さんにメッセージを送った
『今度行われる御披露目パーティー…
美味しいお料理やイベントをご用意しています
ぜひご家族の方もご一緒にお越し下さい…』
『……ありがとうございます。
しかし、仕事関係の場に家族を呼ぶというのは
なかなか前例がないことだと思いますので、
遠慮させていただきます…』
翔さんの返事はビジネスマンとしては、
正解なのかもしれない……
でも、それじゃあ かずが、報われない…

慌てて翔さんに電話をかけた…
「…翔さん…実は二宮が…翔さんの弟さんと……
友達になりたいみたいで……逢える機会を作って
やってもらえませんか……?」
本当は…かずは友達よりも…
もっと仲良くなりたいみたいだけど……
そんな事を弟を溺愛している翔さんに正直に
話したら警戒されるかもしれないから、濁した

すると
「いつも、雅紀の話を嬉しそうに聞いてくれるのは、友達になりたかったからなのかぁ……
わかりました。そういうお話なら雅紀を
今度のパーティーに誘ってみます」と
快く承諾してくれた翔さんに少し心が痛むけど…

「あっでも、俺がこのお願いをしたことは
本人には内緒にして貰ってもいいですか?
凄く天の邪鬼なので…」
そういうとハッハッと笑いながら、
「松本さんは、二宮さんの保護者みたいですね…
二人仲良くて、羨ましい…」と話して電話が切れた…
……保護者か…まぁ似たようなものでもあるか…

従兄弟だしな…昔から知ってるから、
つい面倒見たくなってしまう…
相葉さんの事に必死なかずを
手助けしたくなっちゃうんだよ……


パーティーの前日、かずが相葉さんのバイト先へ
連絡をし、休みにしたのは確認済み…
あとは、翔さんが上手く相葉さんを誘ってくれれば…
『…明日のパーティー、
弟さんどうなりましたか?』
とメッセージを送ってみると、
相葉さんも乗り気のようだと、返信が来た
良かった…これで一安心…


当日…
翔さんから自分は仕事で少し遅れてしまうかも
しれない…雅紀は人見知りをするから
もし、会場で後込みしているようだったら、
声をかけてやってくれないか…とメッセージが来た

雰囲気に飲まれて帰ってしまっては困る…
直ぐに入り口を見に行ったら、佇んでいる
相葉さんを見つけた…
入りづらいのかと思って声をかけたら、
スニーカーで来てしまい、居ずらいのだろう
もう帰ろうと思う…と言い始めたから凄い慌てた…
ここで、相葉さんが帰ってしまったら
かずの落胆する様子が手に取るように想像出来る…
流石にそれは可哀想だ……

革靴を貸し出す事が出来、なんとか
かずと相葉さんは
初対面を果たす事が出来た…


……まったく…
感謝してもらいたいくらいなんだけど!!
本当はっ!!
あのあと、かずに散々文句言われたけどねっ!