シンデレラのスニーカー 25 | 静かな夜に

シンデレラのスニーカー 25

素人が書いた妄想小説です

嵐のにのあい  非リアル設定です

BLチョロッとだけ




信じられないくらいの驚きの連続ばかりで
布団に入っても今日は寝られないかもな…
自分の家でもないし…
なんて、考えながら何度も寝返りをうち、
いつの間にか眠ってしまい
気がつくと、リビングの方からはガヤガヤと
賑やかな声が聞こえてきていた……

襖で仕切られた客間から、そっと顔を覗かせると
ダイニングテーブルには翔さんと、智さん…
そして、キッチンには相葉さんが何かを作っていて、
それを手伝っている潤くんがいた
「潤くん、いつ来たの?」
思わず飛び出していくと
「にの、おはよう…。良く眠れた?」と
相葉さんからの朝の挨拶…
それを皮切りに翔さんも智さんも、
皆でおはようの声をかけてくれる……

俺が一番最後に起きて顔を出したことに
今更ながら気付き
「……おはよーございます……」と
思わず声が小さくなってしまう……
それを聞いた潤くんが、相変わらず寝癖酷いな…と
笑いながら
「俺も30分前にかずを迎えに着いたばっかりだよ…
せっかくなら……って朝ごはんを誘ってもらった…」
と言いつつ、お皿これでいいの…?なんて
相葉さんと仲良く話してる……
俺ももう少し早く起きてたらなぁ……
相葉さんと仲良く朝ごはんの準備とか出来たのに…
ぼぉっと二人を眺めていると

「あっそういえば、かず昨日大丈夫だった?」
「えっ?」
「昨日、雷凄かったじゃん…
かず雷苦手なのに大丈夫だったの?」
潤くんが純粋に昨日の俺のことを心配して
聞いてくれているんだけど、大丈夫だったよ…
なんて曖昧にしか答えられなくて……

だって、昨日の雷の事を思い出したら……
もれなく相葉さんに抱き締められたこととか、
頬を触られたこととか思い出して、
途端に顔が熱くなる……

そっと相葉さんを見るけど、
後ろ向いちゃってるから表情が見えない……
やっぱり俺だけがこんなにドキドキしてるのかな……
このドキドキのせいで、結局昨日眠りについたのは
夜遅かったし、そのせいで俺が一番最後に
起きてくることになっちゃったんだけど……
……なんてね…責任転嫁も甚だしい…

「さぁ出来たよっ!皆食べよう!…
…にのは顔洗っといで…」
相葉さんが、俺のボサボサ頭をポンッと触りながら
洗面所へ促す……
…あまりにも不細工な寝起きの顔だったかな…と
気にしながら洗面所で顔を洗う

タオルで顔を拭き、顔を上げるとうしろに
相葉さんがいたからびっくりした…
「くふふ  ごめんね驚かせて……ねぇ…にのって朝、
いつもこんなに寝癖凄いの?」
と俺の頭を指差しながら聞いてくる
「…今日はいつもよりは…マシかも…」
なんていいながら、自分の髪を撫で付けていると
やってあげる……と
相葉さんが昨日の夜と同じように、俺の髪の毛に
触れて、ワックスやらなんやらを使いながら、
あっという間に俺の髪の毛をセットしてくれた…
「…凄いね…相葉さん…ありがとう…」
御礼の言葉を伝えたら、
「……さっご飯食べようか…」と、俺の背中に
触れながらリビングに促す…

もうほとんど食べ終わっている翔さんと智さん…
その二人にコーヒーを注ぐ潤くんの横で
席にすわり相葉さんが用意してくれた朝ごはんを
食べる…
「美味しい?」って相葉さんが聞きながら、
ずっと俺の事を見てる…
「…食べづらいよ…」なんて照れ隠して言ったら
確かに…って笑いながら相葉さんも食べ始める……

こんな穏やかな食事風景…
また過ごせたらいいな…
そんな事を考えていると
「……来週は、一緒に餃子…作ろうか…?」と
相葉さんからの提案……

もう次の約束をどう取り付けようか…なんて
悩まなくていいのかな…?
今日、来週の約束して、
来週になったらまた次の週の約束して……
そうやって逢うのが普通になっていって……
少しずつ思い出が増えていく…

「……うん…」
俺が頷くと、またメッセージ送るからねと
相葉さんの返事……
そのことが嬉しくて、
きっと今日から仕事をしていても、何をしていても
携帯のメッセージ通知のピコんっという音を
今か今かと待ってしまうんだろうな…と
自分の行動が手に取るようにわかって
にやけてしまう……


***
そんな相葉さんの家からの帰り道…
てっきり駅まで行くんだと思っていたら、潤くんが
駅とは逆方向に向かって歩いていく
向かった先にはコインパーキングがあって、
そこには見慣れた車…
「潤くん、車で迎えに来てくれたの?ありがとう」
そう言って乗り込んだとき、ふっと気付いた……

「……ねぇ…昨日の大雨で電車止まってても……
車だったら……来れたんじゃないの……?」
恐る恐る聞きながら、潤くんを見ると
何が?と言いながらニヤニヤしてる……
……やっぱり……

何が『雷大丈夫だった?』だよ……全く……
白々しい……

……でも…そのお陰で相葉さんとあんなに近づく事が
出来た……
俺は相葉さんにセットしてもらった髪の毛を
触りながら小さな声で潤くんに御礼を
言ったんだけど…

返事は変わらず、
「何が?」とニヤニヤされたんだけどね……