シンデレラのスニーカー 14 | 静かな夜に

シンデレラのスニーカー 14

素人が書いた妄想小説です

嵐のにのあい  非リアル設定です

BLチョロッとだけ




「うわぁ~やっぱり広いんだねぇ」

今、俺は二宮さんの部屋にいる…
中に入って出た第一声がこれだ……
まぁ、マンションの外観や、エントランスを
見たときから別世界のようだったけどね

あれから二宮さんが、俺が作ったサンドイッチを
食べたいと言ってくれ、家が近いから……
という理由でここにお邪魔することになった
気付くと二人だけになっていたため、松本さんは
どうしたのか聞くと
「うぇっ?!あっ……と…なんか仕事が入った
みたいで、会社に行ったみたい…」との返事…
やっぱり休みでも仕事があるなんて
大変なんだなぁ…と思っていると
「ねぇ……早くそのサンドイッチ食べない?
あっ!コーヒーでいいかな?」
と、二宮さんは待ちきれないようだ…
そんなに、楽しみにされると…ちょっと…
テレるけど…嬉しい…

お構い無く~と
言いながら、つい部屋を見渡してしまう…
広いリビングにソファー   大きなテレビ…
…の前には何種類ものゲーム機と、そのソフトが
山積みになっている
どうやらゲーム好きというのは本当のようだ…
しかも、『かなりの』が付くくらいの……

また、年相応の二宮さんが垣間見れた気がして
笑みがこぼれる……


「っあっちぃ!!」
不意に聞こえた焦る声…
振り向くと、二宮さんが右手を胸の前で握ってる…
「火傷したのっ?!」
さっき、コーヒーを入れてくれるって
言ってたよね…

急いで駆け寄り、痛そうにしている右手を取ると
そのまま水道の水で冷やす
「…大丈夫?」と顔を覗き込むと、
顔を真っ赤にしている…
「ちょっと指見せて……うん…ちょっと赤いけど、
このくらいなら水疱にもならないと思うよ…」
と、二宮さんの顔をもう一度見る
まだ、顔が少し赤い…
…そんなに熱かったのかな…
「…あの…もう大丈夫だから……手……」
そう言われて、いまだに二宮さんの指を
握ってたことに気づいた……
「あっ!ごめんっ!」
慌てて、手を離す

ただ、火傷の具合を見る為に手を取ったハズなのに、
その事を改めて口に出して言われると
動揺するというか…
なんだかドキドキするというか……
それを二宮さんに悟られないように
「あっあとは俺がやるよ…休んでて…」と
声をかける
二宮さんも素直にここから離れたから、
その間に動揺した心を整える


コーヒーを入れて、二宮さんが座るソファーに
運びその前のローテーブルに置く
いつの間にかそこにサンドイッチも用意されていた
「…ありがとっ…さっ、早く食べよっ!」
言うより早くサンドイッチを頬張る
口に合うか見守っていると
「美味しいねっ!このサンドイッチっ!」と
弾んだ声が聞こえるから、どうやら大丈夫みたい…
安心して、俺も手に取り食べ始める


「あ~美味しかった」
二宮さんが、食べてる間中もずっと褒めてくれるから、凄く嬉しい…
「俺ね…作った料理を美味しいって
食べてくれる人の笑顔を見るのが好きなの…
だから、今、料理専門学校にも通って
勉強してるんだ…」
「へ~!凄いね。得意料理とかあるの?」
二宮さんが凄く俺に興味を持って聞いてくれるから
段々と嬉しいの気持ちが膨らんでいく

「えっとね、得意なのは餃子やしょうが焼き…
あと、ハンバーグ…」
「ハンバーグっ?!」
異様にハンバーグに食いついてきた…
ハンバーグが好きなのかと聞くと、うんっ!!と
これまた可愛らしく返事をする

その返事をした笑顔が可愛くて
気づいたら…
「もし良かったら…また作るよ…今度は…
ハンバーグ……」と言っていた…

すると……
「作ってくれるなら連絡先が必要でしょ?
教えて!」
と、二宮さんに言われ連絡先を交換した


バイトが夕方から入っているため、
そろそろ腰をあげ、部屋から出てきた
後ろには立派なマンション
携帯にはさっき交換した二宮さんの連絡先…
コロコロと表情の変わる二宮さん…
その度にドキッと胸の奥が高鳴る音が聞こえる…

いや……でも……

なんだかこの連絡先が宝物のような
大切なものに思えて仕方がなかった

……だけど…
この燻る気持ちに自分でも
わけがわからない…



「はぁ~…バイトいこ…」


とりあえず今は、その気持ちを考えないことにした