要らないカンジョウ 30 | 静かな夜に

要らないカンジョウ 30

素人が書いた妄想小説です

嵐のにのあい  非リアル設定です

BLチョロッとだけ




心が嫉妬で埋め尽くされ、
自分でも抑えきれなくなった時
左頬にパチンと乾いた音が響いた

「…っ痛ってぇ……」
その刺激で、我にかえる

二宮が…俺を平手打ちしたらしい……

俺の下には、二宮がいて
瞳には涙をいっぱい溜めていたが、
でも真っ直ぐ俺を見据えていた

その表情を見た途端、目が覚めた

そして……襲ってきた猛烈な自己嫌悪……

俺は今…二宮に何してた……?
嫉妬で……怒りに任せて…なにをしようとした…?


……もう……終わりだ……

二宮をこんなに傷つけて……


「…ごめん…二宮…ごめんな…」
そう言いながら、二宮の上から降りる…

両手で顔を覆い、ベッドの端に座りながら
ひたすら謝る…
…怖くて二宮の方を向くことが出来なかった
こんな事をした俺を……
二宮は…赦してくれないだろう…

俺は……自分で……
大切なものを…壊してしまった……



その時、フワッと背中にあたたかいものが
覆い被さってきた
「…先生……」
二宮の優しい声が耳元で聞こえる
「…先生…俺は…先生にだったら
何されてもいいんだよ……だって…先生の事…
大好きなんだもん……」
「…二宮…」
後ろから俺の首もとへ
遠慮がちに回されてきた二宮の腕にソッと触れる
「…でも、さっきは…先生…俺のこと…
見てなかったから……本当の先生が
そこにいなかったから…叩いちゃった…
ごめんなさい…」

その腕を取りながら、身体をうしろに向け、
二宮の優しい瞳を見ると、
思わずまた泣きそうになった


「……さっきは…二宮の後ろに…櫻井を見てた…
ごめん…」
俺が言った櫻井という言葉に、
また一瞬、二宮がぴくっと反応したけど…
さっき程は気にならなかった

「…先生…大好き…だよ…」
そう呟きながら、二宮が唇を重ねてくる
角度を変えて何度も…柔らかく…優しく……

やっと俺の心が穏やかになった時
二宮が口を開いた……

「…先生に心配かけるから…言わない方が良いと
思ったの…でも先生が気になるなら…言うよ……
……櫻井先輩に…抱き締められて…
キ…ス……されました…好きだ……と告白もされたけど……でも…すぐに…逃げてきたの…………先生……」
そこまで言うと、二宮は俺を正面から見る…
「……先生…俺のこと……嫌いになった…?」

「ちがうっ!!そんなわけないっ!!
むしろ……俺の方が……二宮に…嫌われたんだと……」
さっきまで、凄く怖かったんだ…

もう…二宮は…
俺に笑いかけてくれないんじゃないかって……

俺の言葉を聞いた二宮は、クスっと笑うと
「…だから……
俺が先生を嫌いになるわけないじゃん……
こんなに大好きなんだから…」と
言いながら前から抱きつき、唇を耳元まで寄せると
「……先生…さっきの…続き…してくれないの…?」
と、小悪魔みたいな顔をして囁いた

それを聞いた俺は…
さっきとは別の所のスイッチが入ったみたい…

唇を重ねながら、また二宮をベッドに押し倒す…

でも今度は…
ちゃんと、二宮の香りと体温…感触を
感じる事が出来て、心から安心した…