『相葉雅紀HBD2022』 賢者の贈り物 13 | 静かな夜に

『相葉雅紀HBD2022』 賢者の贈り物 13



素人が書いた妄想小説です

嵐のにのあい  非リアル設定です

BLチョロッとだけ



(かずside)
「……それで無事にバッシュは渡せたんでしょ?」
次の日、朝学校に着くと待ち構えていた潤くんに
昨日の詳細を教えろと詰め寄られた…
まぁ…色々と協力してもらったしね…
俺は、ポツポツと話始めた…
 

昨日は街で偶然まぁくんを見かけ、
その状況から彼女なんだと勝手に思い込み、
まぁくんに八つ当たりをした…
だけど、まぁくんがきちんと説明してくれて
見事に誤解はとけて、
そのあと無事クローゼットに投げ込んでいた
バッシュも、まぁくんに渡すことが出来た……



あの時……
俺が怒っていたから落ち着いて話す為に
まぁくんが手首を掴み、俺の上に乗ってたんだけど
「……まぁくん…、手……離し…」
そう言っても、まぁくんは手を離してくれなくて
もう一度
「…まぁくん…?」
と呼ぶと

…そのまま、まぁくんの唇が俺の唇に重なってきた…


唇が重なるほんの数秒前…
まぁくんの雰囲気が変わったのがわかった…
俺の事を見るまぁくんの瞳が
今まで見たことのない…雄の瞳をしていて
視線を外せなかった

男友達同士の…お遊びの…じゃない…
本当の想いが詰まった…キス……

その証拠にまぁくんの手は少し震えてた…

ゆっくりと唇が離れていき俺が
「……まぁくん…」
と思わず声をかけると…

「……かず…
…俺はかずのこと…好きだよ……
もう…ずっと前から………
かずは……?かずも……俺のこと……好き……?」
まぁくんのすがるような瞳が……声が……
俺の答えを待ってる……

そんなまぁくんを見てたらさ、
いつもみたいに憎まれ口なんて言えなくて
自分でもびっくりする位に素直な言葉が出てきた…
「…俺も……俺も……ずっとまぁくんが…
………好きだったよ……」

それを聞いたまぁくんは、
俺の大好きなとびっきりの笑顔で
でも少し涙が溢れそうな瞳で
俺を抱きしめてくれたんだ……




「……おーい?ニノ?また意識飛んでるぞ!」
目の前で潤くんが俺の顔を覗き込んでる…
……また、やっちゃった…
潤くんに昨日の事を話している途中だったのに…

もちろん、キスの部分は伏せて……
でも、昨日のまぁくんとのキスを思い出すと
途端に顔が熱くなっているのが自分でもわかる……

「まぁいいや…詳しく聞かないけど、その顔は
プレゼント渡せたってことだろ?
バッシュプレゼントしたら、
一緒にバスケやってみたい言ってなかったっけ?」
潤くんは俺がプレゼントを渡した後に
したかったことをきちんと覚えててくれた…

「それがね……そのモデルさんの靴を弁償したから、
俺へのプレゼント買うのに
貰ったバイト代だけじゃ足りなくて、
あの大事にしていた記念のバスケットボール……
売っちゃったみたいなんだ……」
「じゃあ、一緒にバスケしてみたいって言ってたの……出来ないんだ……」
潤くんが残念そうに呟く
……そう…でもそれだけじゃなくて…

「…それだけじゃなくてね、まぁくんの俺への
プレゼント…ゲーム機だったんだ…
ソフトだけは俺が持ってたから、一緒にゲーム
やりたいって思ってたらしくて……
…でも、俺…バッシュ買うためにソフト…
売っちゃったんだよね……」
「……じゃあ、お互いに相手の事を考えて、
プレゼントを贈ったけど、
結局すれ違っちゃったって事…?」
「…そう……お互いに贈った物を使って一緒に
過ごしたいなって思ってたんだけどね……」

……そうなんだよね…
せっかくまぁくんがゲーム機をくれたのに
ソフトがないから一緒に遊べない……
逆に俺がまぁくんにバッシュをあげて
それを履くまぁくんと一緒に
バスケしてみたかったけどボールがない……

「……なんだか、気が合うんだか合わないんだか…」
潤くんが苦笑する…
昨日事実を知った時に俺とまぁくんも
同じ事思ったよ……


……そんな事を思い出していると…
「っおいっ!お前っ!」
教室の後ろのドアから、大きな声が聞こえた…
思わず振り返ると
「お前だよっ!お前っ!」とずんずんとこっちに
向かってくる人物…
「…えっ?あれっ…大野さん…?
どうしたんですか?」

一昨日ソフトを売ったお店にいた大野さん……
その後ろになぜかまぁくんまでいる…
なんなんだろう…?
俺の質問には答えず、目の前に来ると
紙袋からガサガサと何かを取り出し机に置いた…
「……ソフト…?」
そこには、大野さんに売った
俺のゲームソフトが並んでいた

「お前な…どこの世界に
未成年が親の承諾書無しに物が売れる店が
あるんだよ?
こんなのバレたら普通、店は営業停止だっ!」
「…えっ?」
そっか…未成年だと親の承諾書がいるよな…
そんな事、すっかり忘れてた…
あれ?でも、お金渡してくれたのに…
「…でも…お金…」
「あれは、店の金じゃねぇよ…
俺の財布からの金だ…」
大野さんは、にやっと笑った

えっ?…でも…
「……なんで…お金出してくれたんですか…?」
「普通なら出さないな…しかも封の開けてない
新品のゲームのソフト……
それこそ 万  引きしてきた物かもしれないし……」

……そっか、お店側からしたら、
未成年が一人で新品ゲームソフトを持ってきたら
そんな風にとられちゃうのか…
「……でもな……お前のあの切羽詰まった顔……
それに新しいゲーム機の新品ソフト三枚なのに、
お前が必要な金は8000円だと言った…
本当ならもう少し高めの金額で買い取れるのにな…
……これは何かある…と思って…とりあえず
俺の財布から金を渡してみた……」
そういえばお金持ってくるとき、
一度裏に入っていったっけ……

「そしたらな……次の日に、
今度はこの相葉ちゃんが店に来たんだ…
バスケットボール持って、
プレミアがついているはずだから
8000円で買い取ってくれって……」
大野さんとまぁくんは、
元々同じクラスで仲が良かった…
まぁくんの顔を見てから、そういえば昨日
ソフトを持ってきた俺が、まぁくんの幼馴染みだと
いうことに気づいたらしい…
「……何よりお前達、揃いも揃って親の承諾書無しに
物を買い取ってくれって……
しかも、希望金額も同じ……なんなの?お前ら……」
大野さんが、笑いながら話を進める…
「なんだか面白そうだから、相葉ちゃんにも
俺の金を渡してみた…」
すると、今度は後ろにいたまぁくんが話始める…

「さっき学校来たら、大ちゃんに捕まって…
……なんでお金が必要だったのかとかを、
説明したら…俺も…ボール…返してくれたんだ…」
「……相葉ちゃんから面白い話聞けたからな……
それと……俺の金、貸してるだけなんだから
お年玉貰ったらちゃんと返せよ?」
大野さんは、そういうと今度は優しく微笑んだ

その顔を見た、俺とまぁくんは
「大ちゃんっ!」
「大野さんっ!」と
二人で同時に大野さんに抱きつき
「「ありがとうっ!」」
とお礼を言ったら、大野さんは照れながら
一人自分のクラスへ帰っていった
俺らからしたら、本当大野さんは神様に見える…


その姿を見送ったあと
「……かず…今日…ゲームしに
遊びに行ってもいい?」
まぁくんが、そっと囁く……
「……まぁくん…ゲーム終わったら
あのバッシュ履いてバスケする所見せてよ…
俺も一緒にやりたい…」
俺もまぁくんの耳元で囁く……


いつもと変わらない遊びの約束……

でも、ちょっとだけ今までと違うのは
俺たちの関係が、ただの幼馴染みじゃなくて
…恋人同士になったこと…
お互いにその事に照れ臭さはあるけど
二人の想いがやっと叶った…

来年も…そのまた来年も、恋人として
誕生日をお祝いさせてね…

…ね?…まぁくん……


Fin