15歳

父の会社が倒産した時

小さな記事で新聞に載った

倒産の原因は

ワンマン経営だってさ

 

20歳を過ぎ

ふと思い出し

私は父に新聞の内容を話した

 

すると父は

「うん、確かにそうかもな」と言った

 

その言葉よく飲み込んだな

と、今なら気付く

すごいぜ父ちゃん

 

『訂正する力』

著:東 浩紀

 

 

訂正する力 (朝日新書)

 

以前、通信で大学に通っていた。いつもは自室で孤軍奮闘し学んでいたが、夏休み期間中のスクーリングでは私と同じような多くの社会人学生と触れ合う機会があった。

 

たしかあれは社会学か何かだったと思う。

意見を述べ合う場で気付いた「経験」の絶対。

 

それぞれが様々な環境で生活し確固たる志で大学に通う社会人学生は多くの経験を携えて学び始める。働けているのに学ぶのだ、わざわざ時間とお金を費やして。その理由は足元にある経験から生まれる。このままではいけない。こんな事があったから。その人々を見たから。

 

多くの経験は彼らの奥深くに絶対を生み出した。そのせいか、なかなか言葉が発展していかない。自分語りが多くなる。

 

あぁ、そりゃ18、19歳のほうが柔軟だよな。

誰かの語りが飛び交う中、語れる話が無い私はぼんやりと思っていた。

 

日本の良いところはグレーな事だと思う。

私はああで、貴方はこうで、誰かはそうで。

 

グレーの良さは必ず白か黒が混ざっているところ

完璧な白ではなく

果てしない黒でもない

 

どこかに混ざる、その色。

 

だからこそ濃淡があり、変わることができる。

ああちょっと待って違ったなと思えば白を足せばいい、でもコチラ側から考えたいなら黒を足せばいい。

 

誰しもがグレーだと全員気付けば、もうちょっと上手いこと世の中進む気がするんだけど。

まあ、夢みたいな話か。