たまたま見つけたゲーム実況で

『Alan Wake』を知り

スティーブン・キングの頭の中

覗いてるのかと錯覚

 

じゃあ、本当に覗いてみようかと

本を手にした

 

『小説作法』

『書くことについて』

著:スティーヴン・キング

 

ホラー映画好きなら誰もが一度はお世話になるスティーブン・キング。何も気にせず観たらスティーブン・キング。ホラーじゃないから大丈夫と思ってもスティーブン・キング。そんな彼の半生と「書くことについて」の本。

 

『Alan Wake』というゲーム作品をご存知だろうか。

カルト的人気を誇るベストセラー作家が休暇を過ごすため妻とともに訪れた田舎町で怪現象に巻き込まれ消えてしまった妻を探し出すゲームだ。その中で主人公が書く小説が現実になったり登場人物に命を狙われる描写があるのだが、現実と妄想がごちゃごちゃになっていて境界線が分からなくなる。

 

境界線。

 

スティーブン・キングの作品で印象的なのは、その対象的な世界の境界線が著しく曖昧で、なんなら線など無いと思わせる事だと思う。

 

子供が亡くなったら生き返らせたい。

好きな作家が目の前にいて怪我をしてたら介抱したい。

いじめいや、オカンいや。

 

どこかの誰かの私の貴方の過去で未来で今。

 

だからの彼の作品は万人に愛されるのだろう。小説の中に読み手のはずの「私」が主人公として登場するのだから。

 

彼はこの本の中で文章とは何かと問われ

 

「もちろん、テレパシーである。」

と述べている。

 

読者は彼に繋がり

彼は文章に繋げる

 

そして文章は読者に戻り

読者はその怪奇な三角形の主人公となる

 

 

●どちらも同じ本ですが翻訳が違い、『書くことについて』が新しく評判も良いので読まれる方はコチラをぜひ。内容はホラーについてじゃなくて、書くことについてちゃんと書いてます。書き終えたら人に見せろよーとか、使い古された比喩乱用するなよーとか。