映画で
一番怖さを感じるのは
幸福なシーンのあとに
上映時間が
あと15分残ってる時
『あの夏、いちばん静かな海。』(1991年、日本)
北野武監督作品
久しぶりにTSUTAYAに行って北野武監督作品を借りようと思ったら同じ事考えてる人が多数いたらしく、この作品しか棚に残ってなかったんです。有名と言われる作品は鑑賞済みですが、この作品は観たこと無かったので。いいかなって。
まあ、最高っていうか。
結果最強でした。
そうだよ、映像だよ、映画だよ。セリフで語るなら小説でいいだろ。音で魅せるなら歌でいいだろ。これは映画だ、映画なんだよ。目に映る世界の、静かな静かな世界で、それでいいんだよ。って抉られる感覚。
まずね、誰が役者さんか笑っちゃうくらい分からない。もちろん主演や主要な方は役者さんなのは理解できますが、登場人物全員一般人?と言いたくなります。もう最後のサーフィン大会の式挨拶した委員会会長さんが役者さんだったとしたら、あの人以上に演技上手い人いないと思う。神演技っていうか演技してる?嘘でしょ?って言いたくなる。それほど全員普通の人たち。(実際、役者さんでは無い方も沢山出てらっしゃるのかもしれないが全然分からない)
あ、でも、主演の真木蔵人さんは歩き方がスタイルめちゃくちゃ良い人の歩き方だから只者ではない感あります。
で、物語に急な部分がないのも良い。変化がなだらかで穏やか、だけど確実に変わってて、話しの流れを主役ではなく脇役のモブの皆さんが動かしていくのも観客を置いていかないでくれて有り難い。
そして最後ね、確かに最後はwikiでも書かれていたように観客へのサービスと言われたら納得なんだけど、映画としてはそれで良いと思う。
清掃会社の先輩と居酒屋で酒飲んでる数秒のシーンで私の涙腺は死にましたよ。エンドロールの海の音より私の鼻をすする音の方が大きかったと思います。
ちょっと最近、
音がうるさいと感じる方
言葉が苦しくなる方
ただただ波の音を聴きたくなる方
に、オススメの
「映画」
です。
●サーフボードの素材にビックリ。あんな簡単に直せるのか。そりゃ浮くもんね、そうだよね。