数年前に父が亡くなった時

帰省する二、三日前に一報が入り

慌ててチケットを取り直した

 

また、同じ事が起こった。

 

今度は母だった。

前回と同じ様に

私はチケットを取り直し

故郷へ帰った。

 

『日本のヤバい女の子』

著:はらだ有彩

 

正月に顔を弄ばれる「おかめ」は夫の名誉の為に死を選び、ヤリ逃げされたと思われる「清姫」はブチ切れて相手を焼き上げ、良い人だと思った「乙姫」は余計な箱を手渡し、「人に知られざる女盗人」は男を縛り付け鞭で打ち流れ滴る血に上機嫌になる。

 

ヤバい奴しかいない。

今思えば、ね。

 

昔話に登場したヤバい女の子たちは、ちょっと時代に合わなかっただけ。もしくは、時代に合いすぎただけ。まあ度が過ぎたって事。

一人ひとりを古い紙の世界から引っ張り出し令和の隣の女の子にしたこの本は、背を曲げる私もその一人だと教えてくれる。

 

そして、本を読み終えた頃

母の状況は安定した。

また元の生活に戻れると言う。

 

母に言われた。

「また猫背になってるよ。」って

 

お母さん、知ってますか。私は東京では胸を張って背筋を伸ばして生活してるんです。でも故郷では周りの目なんてどうでもいいし、何より私より背の低い家族の足元に注意して転ばせないように気をつけて歩いてるから猫背になってるんですよ。

 

私も日本の昔話の中の一人の女の子。

さて「猫背女」はどんな話になるだろうか。

 

ま、最後は猫に変身だろうな。

にゃあ。