読んでいて
ワクワクする本久しぶり
珈琲がいつよもり美味しく感じて
今日の晩御飯は何にしようと
スーパーで何を買おうかと
思い巡らせる時間が楽しい
『レシート探訪 1枚にみる小さな生活史』
著:藤沢 あかり
色々な人のレシートを訪ねてみる。ECサイト「北欧、暮らしの道具店」で始まった連載はもともと別の企画ではじまる予定だった。初回の取材がコロナで流れ、仕切り直しで始めたのが事のはじまりはじまり。この本の随所に重なるコロナ禍の影は、読み手の私たちのそばにも存在していたモノ。
広い世界で目をそらしていた日々から、狭い世界で向き合う日々に。その日々のレシートから迷いながらも、じっくりと、じんわりと、混乱する世の中でも足を踏み外さないようにしっかりと、「好き」と「大切な事」を忘れずに生活する人々の風景が鮮明に見えてくる。
読書の醍醐味の一つに知ってる人が出てくる事がある。読み進めて何か懐かしさを覚える話があると感じ名前をみたら、以前読んだ『文にあたる』の著者の牟田都子さんのお話で、本で感じた人柄とレシートの内容がピッタリなので、なんだかとても嬉しくなった。
若い頃に確定申告を毎年行っていた。最初は方法が分からないので貰った全てのレシートや領収書を保存し、年末年始の休みに赤ワイン片手に酔いながら仕分けをした。精神的にダウンしている時はコンビニの利用と酒量・お菓子が多く、数ヶ月に一度ストレスを発散するかのように洋服を連続で購入したレシートを見ては「あの時は辛かったなぁ、今年もどうにか終わったなぁ。」と自分で自分を労ったのを思い出す。
電子化は大好きだ。無駄が無いし家計簿なら項目ごとの合計金額も一度に出る。だけど、一度一度の購入の履歴を情景と共に思い出すのも忘れたくないと思う。
今日、赤ワインを買った。
飲みきれる量を、コンビニではない場所で。
お菓子ではなく、新鮮な野菜とお肉。
そして美味しいチーズも忘れずに。
それが私の今日のレシートだ。
●ECサイト「北欧、暮らしの道具店」が結構好きで見ている。でも器に手を出し始めてしまいそうで、酒に酔った時は見ないようにしている。